アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

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Amazonアソシエイトの参加表明文がいるみたいで(汗)、あわてて映画鑑賞記事の下に表記したのですが(サブウェイパニックの下)、とって付けたみたいな感じで変なのでこの様な形で表記させていただきます。

 

 

イラッとするけど心に残る【流されて】映画感想

流されて

原題:Sweapt away/上映時間:125分/製作国:1974年

  【あらすじ】ネタバレあり

船旅の途中、ボートで遠出した上流階級の人妻と使用人が遭難。二人は無人島にたどり着くが、文明と隔絶された環境の中でやがてその立場が逆転する……。突然の状況の変化によって互いの立場が入れ違うという図式は決して目新しい物ではないが、主演二人のキャラクターによる芝居は面白い。一見、男性優位主義的な造りだが、帰途してからの展開と、これが女流監督の手による物だという事を考慮すれば、そうでない事は確かだ。

映画 流されて… - allcinema

【感想】ネタバレあり

この映画との初めての出会いは、20代の頃。仕事で疲れて帰宅して、そのままうたた寝。深夜に目が覚めると、ケーブルテレビでこの映画をやっていた。寝ぼけているし途中から観たので、よく意味が分からない。ただただ、島に流された風の男と女が汚い言葉を使い罵り合っていた。イラー!何なのよこの映画・・・と思いつつもしばらく観ていたが、日々のストレスとオーバーラップしてきてテレビを消した。

 

それからしばらくして深夜のケーブルテレビをつけると、またこの映画をやっていた。またも途中からなので話の筋分からず、男女の醜い喧嘩。イラーッ・・・・。この時、この映画に対して、何らかのご縁は感じたが、テレビを消した。

 

それから何年かして、この映画をキチンと最初から観た。「流されて」面白いではないですか!これは、男女の恋愛の話だったのですね。

 

贅沢な生活をしヨットの中で不平不満をたらたら漏らす女ラファエラ。彼女の提案でジェナリーノ(使用人)とボートを出したのはいいけど、ボートが故障してしまい無人島にたった2人で漂流してしまう。

 

そこで、これまでの立場が一気に逆転。それまで使用人としてこき使われていた男ジェナリーノは、自身がこれまでに培ってきたサバイバル能力を一気に発揮し、大きなエビを取ったり住家を用意したりして、どうにかこうにか生活をしていきます。しかし現金が一切意味を持たない無人島では、女ラファエラの方は何も出来ず男が捕獲した獲物をただ眺めているだけ・・・。この状況下では女ラファエラにとってもはや男は使用人なんかではなく、指図する事も出来ません。私は思いました。せめてこの女の人にもう少しに生きる為の知恵があったらなぁと。

 

食事もままならず、主従関係も逆転したラファエラは始めの方こそ屈辱を感じ男に反発しますが、野生の本能むき出しで服従させようとするジェナリーノに魅了されていきます。

 

徐々に島での暮らしを楽しむ様になってきた二人ですが、ついに捜索のボートが通りかかり無人島での生活は終わります。ヨットに救出された二人にはまた以前の無意味で退屈な生活が待っているのですが、この後ジェラリーノが取った行動が非常に切ないです。この映画は当時のイタリアの社会背景が上手く表わされているという意見もあり、興味深いなと思いました。

 

追記:『流されて』は、2002に『スウェプト・アウェイ』ってタイトルでリメイクされています(観ていませんが)。監督は『スナッチ』、『コードネームU.N.C.L.E.』のガイ・リッチー。当時奥さんであったマドンナを主役にして撮られたものでガイ・リッチー低迷期の代表作です。こんなに評判が悪いなら、逆にいつかは観てみたいと思っています。『リボルバー』も個人的には、結構楽しめたので・・・(笑)。

 

 

サブウェイ・パニック/地下鉄のハイジャック映画

サブウェイ・パニック

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原題:The Taking of Pelham One Two Three/上映時間:100分/製作年:1974年

監督:ジョセフ・サージェント

原作:ジョン・ゴーディ

脚本:ピーター・ストーン

出演:ウォルター・マッソーロバート・ショウマーティン・バルサム

【あらすじ】一部ネタバレ

 ニューヨークの地下鉄が4人の男にハイジャックされた。犯人グループは、乗客と引き換えに現金100万ドルを要求、タイムリミット1時間の中で地下鉄公安部、警察そして市当局はどう対処するのか? ジョン・ゴーディ原作の同名ベストセラーをP・ストーンが脚色、J・サージェントが犯人との手に汗握る駆け引きをサスペンスフルに描ききった。公安部部長に扮するW・マッソー、犯人のリーダーを演じるR・ショーなど演技陣も充実、ハイジャック映画の中でも特筆すべき娯楽編となっている

映画 サブウェイ・パニック - allcinema

  【感想】ネタバレします

ご存知の方も多いかと思いますが、2009年に公開された【サブウェイ123 激突】はこの映画作品のリメイク版です。【サブウェイ123 激突】の方はガーパー役をデンゼル・ワシントンが好演。「サブウェイ123 激突」の方を先に鑑賞されているのであれば、この映画の中の登場人物の言動は、多少シリアスさに欠けていると感じるかも知れません。

 

主演は我らがウォルター・マッソー、監督はジョセフ・サージェントです。本作は大空港から始まるエアポートシリーズやポセイドンアドベンチャー、タワーリングインフェルノなどの大量なパニック映画と同時期に出現しています。割と静かなんだけどハラハラする感じや、オシャレな音楽が挿入されつつ適度なコミック感があるのが堪らなく良いです。また1970年代の映画と言う事もあり、地下鉄が乗っ取られた時の乗客の態度が妙にゆるく感じました。

 

ハイジャックと言うと飛行機のイメージが強いですが、バスであろうが、電車であろうがハイジャックと呼ぶそうです。この映画は地下鉄のハイジャックなんてあり得ないと言われていた1970年代に作られた事もあり、他のパニック映画とは一味違った独特なムードを醸し出しています。

 

ちなみに犯罪者達がお互いのプライベートを明かさず名前をグリーン、グレー、ブルーなど色の名前で呼び合うのは、おそらく「レザボア・ドッグス」のMr.ホワイトやMr.オレンジの元ネタなのでしょう。

 

そして更に気になったのはちょこっと出て来る日本人の描写です(笑)。日本人ってこんな感じ?ってイメージで作られている気がします。最近のアメリカ映画で、こうゆうのは無くなりましたね。そして有名なラストシーン。オチはいたってシンプルですが秀逸でおすすめです。

 

 

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他人様の夢の中で右往左往【インセプション】映画感想

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原題:INCEPTION/上映時間:148分/製作年:2010年

【あらすじ】

未来では他人様が寝ている間にその夢の中に潜り込み、アイデアを盗む企業スパイが活躍していました。コブ(レオナルド・ディカプリオ)は、その中でも凄腕のスパイで、国際指名手配犯として追われる身となっています。更にコブは自分の妻の殺害容疑も掛けられています。そんな折コブは、サイトー(渡辺謙)からこれまでに経験した事のない仕事の依頼を受けます。それは人の寝ている間にアイデアを盗むのではなく、植え付ける「インセプション」というもの。これを引き受け成功すれば殺人容疑を抹消してもらえる上に、子供達とも会う事が出来る。迷った挙句、新しい試みに挑戦するコブですが・・・。

 


映画『インセプション』予告編

【感想】ネタバレします

劇中で渡辺謙は「斉藤」でも「さいとう」でもなく、「サイトー」と呼ばれています。そこがちょっと面白かったです。

 

この作品は『パプリカ』と酷似している事で有名ですが、すいません『パプリカ』を観てません(汗)。

 

監督は、『プレステージ』、『インターステラ―』などのクリストファー・ノーラン。SF大好きで、CGをあまり使わない監督としても有名です。

主役のコブを演じるのはレオナルド・ディカプリオ。この他にもジョセフ・ゴードン=レヴィットキリアン・マーフィー、トム・ハーディーらが出演しています。

 

ターゲットとなる人を眠らせてそこに犯罪者チームが潜っていく、というアイデアが非常に良いと思いました。私自身の好みとしては、一番最初に潜った階層の映像が一番好みです。雨が降っていて路面を電車が凄い勢いで走っていて、犯罪チームたちはそこで右往左往します。最後の方の雪景色のスキーアクションシーンは、007を明らかに意識した作りになってるなと思いました。

 

時間が無くなるとまた誰か一人が眠り、更に深い階層へ潜り込んでいく斬新な作戦で時間稼ぎをしていくイケメン犯罪チーム。この発想には1本取られたなという感じです。この仕事の依頼者であるサイトー(渡辺謙)もチームに参加します。大企業のトップなのに大変ですね・・・。同じ日本人だからかも知れませんが、どうも気になって渡辺謙ばかり目で追ってしまいます。(2014年のハリウッド版ゴジラの時も、そうでした。)

 

 それとこのチームの人達はなんだかんだで、へまをする事が多いです(笑)。豪華キャストと一流スタッフで制作されたSF超大作でありながら、何処かしらジャンル映画の臭いがするのはそのせいかも知れません。また未来の犯罪者という設定だからかも知れませんが、つるっとしたイケメン揃いで怖そうな人が1人もいません。

  

「キック」で夢から覚めるっていうのは、普段落ちる夢を見た時に蹴る感じに似てるなと勝手に解釈しました(笑)。また今ここで起こっている事は現実なのか否かを判断する時、コブはコマを回します。日常的に言えばこれは、夢の中でほっぺたをつねるのに似てる気もしなくはないですが。今ここにある世界が現実かどうかが分からない系の映画は、観終わった後も頭の整理が出来ず、チンプンカンプンになるのですが、なんだかんだ言って興味が湧き、結構観てしまいます。

 

今生きている世界が夢やイメージで作られた世界なのか、現実なのか分からない作品は『トータル・リコール』や『惑星ソラリス』などがありますが、インセプションの場合、夢の中で更に夢を見るので複数階層の世界が出来上がり、そこがややこしくも魅力的に感じました。

 

とにかく映像表現がスタイリッシュなので、それだけでも十分に観る価値はあったかなと思います。

 

  今度のノーラン監督の新作『ダンケルク』の予告編です。

日本での公開は2017年9月9日です。


クリストファー・ノーラン監督『ダンケルク』予告編

 

 

 

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火星でサバイバル【オデッセイ】映画感想

オデッセイ

原題:The Martian/上映時間:142分/製作年:2015年

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 【あらすじ】

火星での有人探査の最中、嵐に巻き込まれてしまったワトニー。仲間たちは緊急事態を脱するため、死亡したと推測されるワトニーを置いて探査船を発進させ、火星を去ってしまう。しかし、奇跡的に死を免れていたワトニーは、酸素は少なく、水も通信手段もなく、食料は31日分という絶望的環境で、4年後に次の探査船が火星にやってくるまで生き延びようと、あらゆる手段を尽くしていく。

オデッセイ : 作品情報 - 映画.com


映画『オデッセイ 』予告編

【感想】完全ネタバレ

 実話ではないですが、諦めない事の大切さを教えてくれる映画だと思います。

監督は『ブレード・ランナー』や『エイリアン』、『悪の法則』など数々の素晴らしい作品を生み出してきたリドリー・スコットです。本作『オデッセイ』はリドリースコット監督作品の中でも、より多くの人に好まれる作品ではないかなと思います。

 

原作はアンディ・ウィアーの『火星の人』。この日本の小説のタイトル、そっけなくてシブいと思います。どうでもいい話ですが、私はつい最近までこのアンディ・ウィアーって人が、女の人だと思い込んでいました(笑)。こういう勘違い結構あります。主演はマット・デイモン。『インター・ステラー』では悪役でしたが、今回はいい人の役です。

 

火星に1人取り残されてしまったマーク・ワトニー(マット・デイモン)。折れたアンテナが刺さったって、どんな不遇なんだろうと思います。しかも仲間は帰ってしまっていて、一人ぼっち。火星に1人取り残される事は、飲み屋に取り残されるのとは訳が違います。取り残されたと言う事実は「死んだ」と判断されたからある訳で、それ自体がとても悲しい事なのですがめげません。おそらくそんなことぐずぐず思っている暇はない、という事なのでしょう。

 

『オデッセイ』はSF作品としても大変優れていると思いますが、如何にサバイバルするか?というテーマとしても楽しむ事が出来ると思います。

 

また絶望的な状況の中、マーク・ワトニーがあの手この手を尽くして生き延びようとする姿を観ていると、何だかちょっと賢くなった気になれるのも良いですね。幸いにも生物学者であった彼は、ジャガイモを育て始めます。シロートならあの環境で、ジャガイモを作る事が出来る!とは思わんでしょ。自分が得意とする専門的な分野で、苦境と立ち向かって行こうとする姿勢は大切だなと思いました。専門的な知識があれば、無理だと思っている事も、案外出来るものなのですね。日常生活の中で出会う数々のピンチや不遇も、無意識の内に自分で出来ないとか、無理だとか勝手に決めつけているのではないかなと思いました。

 

またワトニーは火星にたった1人取り残されているにも拘らず、ジョーダンとかをバンバン言って全然めそめそしていないんです。正に「笑う門には福来る」です。決して神頼みではなく、実力とユーモアで乗り越えようとする。「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」ってことわざを思い出し、何となくホッとしました。

  

更に絶望的な状況の中、70年代のディスコミュージックが流れるのも、これまでにない感じで良いです(笑)。そして次第に物事が上手くいき始め、地球や仲間からの援助も得る事が出来そうな時、良いタイミングでかかるデヴィッド・ボウイの「スターマン」が泣けます。この曲以前から結構好きだったのですが、この映画のおかげで更に好感度がUPしました。

 

何かにくじけそうになったら、また鑑賞したい作品だと思います。

 

 

 

 

 

夫婦間の闇の部分を直視させられる【ゴーン・ガール】映画感想

 ゴーン・ガール

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原題:GONE GIRL/上映時間:149分/製作年:2014年

監督:デヴィッド・フィンチャー

原作:ギリアン・フリン

脚本:ギリアン・フリン

出演:ベン・アフレックロザムンド・パイクニール・パトリック・ハリス

【あらすじ】

 幸福な夫婦生活を送っていたニックとエイミー。しかし、結婚5周年の記念日にエイミーが失踪し、自宅のキッチンから大量の血痕が発見される。警察はアリバイが不自然なニックに疑いをかけ捜査を進めるが、メディアが事件を取り上げたことで、ニックは全米から疑いの目を向けられることとなる。

ゴーン・ガール : 作品情報 - 映画.com

 


映画『ゴーン・ガール』日本オリジナル予告編

【感想】完全ネタバレ

ファイト・クラブ』『ソーシャル・ネットワーク』などで有名なデヴィッド・フィンチャー監督が、新たな扉を開いた衝撃のサスペンスです。原作はギリアン・フリンの『ゴーン・ガール』です。

 

この作品を観て「女は怖い」という感想を持った男性は多い筈。同姓の私から見てもかなりの恐怖感がありました。でも基本的にはコメディなので、笑い所もたくさんあります。

 

これまで共に生活をして、何となく気を許していたつもりの配偶者が、突然別の顔を見せる瞬間。しかもこれが以前から周到に計画された事であると分かった日には、言葉も出ませんね。 ミステリーというかホラー、でもやっぱりコメディって感じです。

 

主演はベン・アフレック。彼の妻役を演じたのはロザムンド・パイクです。彼女が超名演技を披露したので、当時はアカデミー賞の主演女優賞を獲るのではないかと言われていました。

 

5年目の結婚記念日に突然姿を消したエイミー(ロザムンド・パイク)。当然旦那であるニック(ベン・アフレック)は慌てます。キッチンにはエイミーの血痕らしきものがあり、ニックは更に動揺します。ニックはすぐに警察に連絡し、エイミーの捜査を依頼します。公開捜査では行方不明になったエイミーは、児童文学「完璧なエイミー」のモデルであったと世間に知らされます。

 

 私が思うにこのエイミーの両親はどうかなと思います。「完璧なエイミー」ってタイトルの児童文学で金儲けするは、娘であるエイミーにプレッシャーをかけるわで、完璧に毒親ですね。挙句の果てには娘が行方不明になったからと言って、派手派手しいやり方で捜査の依頼をしてました。もちろんなるべく多くのメディアを使って捜査する方が良いとは思うのですが、この両親の持つ雰囲気がちょっと・・・です。

 

捜査が進むにつれ、実はニックが犯人ではないか?と観ている人を惑わす様な仕掛けになっています。ベン・アフレックが持つ独特の、ちょっとぼんやりしてて何考えてるのかよく分からないキャラが上手く活きています。更には犯人は誰なのか?というミステリーに展開していくのですが・・・。

 

 ところが通常のサスペンスであれば最後に来るはずのどんでん返しが、何故か映画の半分ぐらいの所で起こるというショッキングな展開。これは新しいですね、以後はほとんどエイミーの視点で語られていきます。

 

エイミーがニックにとった態度はいかがなものかとも思いますが、泣き寝入りしてあのままにしておくよりはマシなのかも知れません。彼女は彼女なりに大人の女性として、ニックにこれまでにはない態度を示した訳ですから、ある意味では勇敢です。ただやり方は、とても褒められたもんじゃありません(笑)。

 

都合の悪い事はバレるし、エイミーのペースにどんどん巻き込まれていくし、でタジタジになっていくニック。エイミーにも想定外のピンチがやって来るのですが、全然めげません。元彼デジーを上手く利用して、難を逃れていきます。あり得ない男女間のパワーゲームを見せられて、それにどんどん引き込まれていく感じです。

 

 エイミーが金持ちの元彼の別荘で防犯カメラに向かってした行為には、爆笑してしまいました。鑑賞する人を選ぶ作品ではあると思いますが、夫婦間の闇を描いた傑作だと思います。

 

 

 

 

 

 

地球と瓜二つの星【アナザープラネット】映画感想

アナザープラネット

原題:Another Earth/上映時間:93分/製作年:2011年

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監督:マイク・ケイヒル

脚本:マイク・ケイヒル、ブリット・マーリング

出演:ブリット・マーリング、ウィリアム・メイポーザー他

 【あらすじ】

17歳で名門大学MITに合格した秀才少女ローダは、ある夜、不思議な惑星が空にあるのを目撃。気を取られるあまりに衝突事故を起こしてしまい、妊婦と子どもが亡くなってしまう。4年の刑期を経て出所したローダは、謝罪しようと被害者遺族の夫ジョンの元へ出向くが、本来の目的を話せずつい身分を偽ってしまう。そして清掃会社のスタッフとしてジョンの家へ定期的に通うことになるのだが、例の不思議な惑星が、同じ人間が存在する“もう一つの地球”であることを知ってしまい…。

映画 アナザー プラネット - allcinema


ANOTHER EARTH trailer 2011 official movie

 【感想】完全ネタバレ

異星人とのコンタクトもの『コンタクト』(ジョディ・フォスター主演)の様な作品かと思い鑑賞してみましたが、全く異なった作品でした。

 

本作は2011年のサンダンス映画祭で、特別審査員賞を受賞しています。

 

主人公のローダ(ブリット・マーリング)は自らが犯してしまった重大な過ちを謝罪しようと、ジョン(ウィリアム・メイポーザー)の家を訪ねるのですが、本当に言わなくてはいけない事がどうしても言い出せません。かつては家族と幸せに暮らしていただろうジョンの家は、荒れ果てていて本人も廃人の様になっていました。そこでローダはついつい「自分は清掃会社のスタッフだ」と言ってしまうのです。その精神状態は、私には到底理解出来ないなと思いました。

 

ローダの事をただの清掃スタッフだと思っているジョンは、次第にローダに心を開き、気を許していきます。目の前で部屋を綺麗にしてくれる女性が自分を苦しめた相手だとも知らず、徐々にローラに恋をしていくジョン。この姿を観るのは痛々しくもあり、同時にハラハラします。バレたらどうするんだ?とか、何で最初から打ち明けなかったのか?とかいちいち思いました。

 

それと同じ頃、地球とそっくりの惑星が存在する事が話題になり、世間を騒がせていました。ローダも、もう一つの地球の存在を知り興味を持つ様に。取り返しのつかない事をしてしまったローダにとって、他の星へ行くリスクなど存在しないも同然。作文を書き一般人からの募集に応募するも、見事に選ばれしまいました。しかし今度はジョンがローダを愛してしまい、もう一つの地球には行かないで欲しいと言い出したのです。ローダはついに、本当の事を打ち明けます。ジョンはそれに対して激怒。二度と来ないでくれと言われます。やはりそうですよね・・・。

 

 結局二度もジョンを傷つけてしまった事に酷く落ち込むローダですが、ある事に気付きます。それはもしも地球そっくりな惑星であっても、第二の地球ではジョンの家族が無事に生きている可能性がある事。それは二つの惑星がお互いの存在を認識し始めたから、ある時点から別々の出来事が起こっている可能性があるという仮説によるものです。

 

ローダは嫌がるジョンに無理矢理会おうとして、もう一つの地球に行くチケットを渡します。もしもこれが上手くいくなら、ジョンに対して最高の償いが出来るという訳ですね。この事からすれば、何でも成行きに任せてやってみるものだなと、無責任にも思いました。

 

ただここで一つ疑問なのは、もう一つの地球で家族が無事暮らしていたとして、ジョンが二人になっちゃうんじゃないかって疑問が湧いてきました。他のSF映画を観ていても思いますが、同じ人間が二人いるのって想像以上に厄介ですよ。ただ夫であるジョンは非常に家族思いの様なので、遠くからひっそりと見守る覚悟だったのかも知れません。

 

 しばらくして、ジョンは第二の地球に旅立ちます。

  

謎のラストシーンは、幾通りにも解釈が出来ると思います。他の星からもう一人のローダがやってきたと言う事は、どういう事なのか?を私なりに考えてみました。

 

まず一つ目は、向うの惑星でも似たような事が起こってしまっていたと考えられます。しかしあっちのローラは、ジョンと恋仲に落ちずにすんなり謝罪。その後作文を書いて選ばれ、地球にやってきたという説。もしもそうでないのなら、ローダの人生は万事順調に事が進んでいる筈であり、まさか別の星に行こうとは思わないでしょうから・・・。

 

二つ目は向うのローラとこちらから行ったジョンが何らかの形で接触を持つ事が出来て、地球のローラに何か伝言を伝えに来た。例えば向うではジョンの家族が、元気に暮らしている事など。これだとハッピーエンドですが、少々無理がある様な気がしなくもないです。

 

そして三つ目の解釈は、向うでも同じ様な事は起こってしまっていたが、地球から第二の地球に行ったジョンが、向うのローラに地球行きのチケットをプレゼントした。こんな事はまず有り得ないでしょうが、私はこの解釈であれば良いなと思っています。