アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

もっと早くに観るべきだった!来るべき世界

来るべき世界

原題:Things To Come/上映時間:93分/製作年:1936年

 1940年からおよそ100年間のエブリタウン(架空の都市)の移り変わりを描いた近未来SFの傑作です。

【あらすじ】

時は1940年のクリスマス、エブリタウンで戦争が勃発する所から物語は始まります。その後約20年間続いた戦争により都市は退廃し、彷徨病という疫病が町を悩ませます。更に悪い事に独裁者が現れ、好き放題にされていました。すっかり退化してしまい飛行機を飛ばす事も出来ない状態になってしまったエブリタウンに、1人の男が現れます・・・。

 

【感想】ネタバレします

1、2年前にケーブルテレビにて鑑賞。大して期待せず鑑賞した分、驚きの連続でした。1936年と随分昔の映画なのに、まったく古さを感じなかったです。この映画の存在をもっと早く知っておきたかったと後悔・・・。

 

『来るべき世界』はSFの父であるW・G・ウェルズの小説を映画化したもので、ウェルズ自身もこの映画の脚本を手掛けています。モノクロ映像の白っぽい部分が、妙に近代的な印象として心に残ります。

 

物語は1940年のクリスマス、エブリタウンを舞台に始まります。エブリタウンでは、どうやら今にも戦争が始まりそうなのです。そしてあっけなく、戦争が勃発。華やかで楽しげだった古き良きエブリタウンの街が、次々と破壊されていく様には心が痛みます。

 

がしかしその後のストーリー展開と、エブリタウンの変容ぶりには唖然。エブリタウンでのおよそ100年間を3つのパートに分けると、「最初の古き良きエブリタウン期」「疫病が流行ってどうしようもない期」「科学技術により偉大な進化を遂げた!でもなんか不気味期」といった感じでしょう。そして疫病のパートから次の展開に到るまでのかくかくしかじかには唸ります。人物描写もシュールだと思いました。更にクライマックスでは地下に創られた近未来都市の描写をこれでもか、これでもかと魅せ付けて来る感じで飽きさせません。古いものを観ているのにフレッシュ!的な感覚です。

いきすぎた科学的な進歩を否定しつつも、でもそれを安易には止める事が出来ない悲しい人間の性を表している様でもありました。