アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

【カプリコン・1】10分間観ればこの映画に引き込まれる

カプリコン・1

カプリコン・1 ワン [レンタル落ち]

原題:CAPRICORN ONE/上映時間:129分/製作年:1977年

 

【あらすじ】

有人火星宇宙船カプリコン1は、今にも打ち上げられそうになっていた。乗組員は、ブルーベーカー、ウィリス、ウォーカーの3人。彼らはカプリコン1に乗り込み、発射まであと3分。がその時思わぬ事態が発生する・・・。

 【感想】ネタバレあり

この作品は、TSUTAYA発掘良品にも選ばれているみたいです。よく知らないで何気に観た分、面白いものを観た!としばし興奮しました。この映画を、公開当時リアルタイムで鑑賞出来た人がうらやましいです。まだ鑑賞されてない方は、この映画の情報を極力入れずに鑑賞する事をおすすめします。私は3回ぐらいこの映画を鑑賞しましたが、やはり最初に観た時の感動は大きく、ストーリーを知っているか否かは本作を楽しむ上で重要な要素になってくると思うからです。

監督はピーター・ハイアムズ。彼の監督作品では「サウンド・オブ・サンダー」というSF映画もおすすめです。ちなみにこちらはタイムトラベルものです。

 

 ここから先は、完全にネタバレします。未見の方はくれぐれもご注意下さい。

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事実を捏造し隠す事が実際に可能なのかどうか?は私には分かりませんが、映画作品としては非常に楽しむ事が出来ました。まず映画という虚構の中にもう一つ虚構があるという構図が、新鮮でした。スクリーンの中にもう一つSF映画の様な火星のセットが組んであるという描写は何処かしら奇妙であり、斬新でもありました。

 

 まさかのテレビ放送にて火星着陸を中継

この時個人的に通信チェックをしていた研究熱心なオタク青年エリオットが、宇宙船の信号よりも先にテレビ信号が先に届く事に気付くがのですが彼は後に行方不明になってしまいます。

 

更に打ち上げから223日。クルーと夫人らが交流する日が来ますが、子供の作文などを聞かされたりして堪らないですね。でも家族を殺す様な事をほのめかされ、脅されたのだから仕方がありません。「ブルーベイカーさん、あなたは悪くない」そう言いたいです。

 

 カプリコン1に異常事態が発生!予想しなかった方向にストーリーが展開

そして遂に 着陸予定の日・・・。カプリコン1の耐熱シールドに異常が発生。シールドが剥がれると、宇宙飛行士らは生きて帰れなかった事になる。会見で調子の良い言葉がぽんぽん出て来るケラウェル博士には、ホント唖然とします。ここで疑問なのは耐熱シールドに異常が出たのは博士らの計算外だったのか?否かという事。しかし事が起こった直後に博士が誰かに電話を入れているシーンがあるので、さすがにこれは計算外であったと私は解釈しました。

 

 身の危険を感じ取り、逃げ出す宇宙飛行士ら3人

事実は伝えられていないにしても、自分らの身の危険を感じた飛行士たちは、逃げる事を決意します。ジェット機に乗り込み逃亡する3人ですが、燃料不足を確認していなかった・・・(笑)。宇宙飛行士なのにそのミスはないよ!!と思いましたが、切羽詰まった状況だったのだから仕方がないですね。

 

記者コールフィールドが、職を失いながらも全面的に協力

もう一人のヒーローであり記者のコールフィールド(エリオット・グールド)が何かが変だと気付いたおかげで、事件と認識されていない事件は解決に向かっていきます。「早く誰か気付いてあげてよー」って思っていた私も、少し落ち着いて鑑賞できる様になりました。ちなみに皮肉をいいながらも彼に協力する女性を演じるのはカレン・ブラック。『エアポート'75』でものすごい表情で飛行機の操縦をしていたスチュワーデスですが、今回の彼女はクールに車を運転していました。個人的には、今回の役柄の方が好みです。

 

全く別のところで協力者が現れるというのが、『カプリコン・1』の面白い所。妙なリアリティを感じました。しかしこれはブルーベイカーが、夫人に誰にも気づかれない様なメッセージを送ったからでもあります。その時すぐに効力は無くても、こうやって徐々に協力者が現れる事もあるのだと思いました。記者コールフィールドはいわれもない罪で捕まったり、仕事をクビになったりしてさんざんな目にあいながら、事件の真相を追ってゆく。記者のプロ魂を感じました。

 

 望み通りのラスト、ケラウェル博士は微妙な表情

 手に汗握るヘリとの格闘シーンは秀逸。実際に飛んでいる様な感覚で、ぐるぐるしてちょっと酔いそうになりました。黒ヘリに対しての農薬攻撃が堪らないです(笑)。

ラストシーンは、一瞬だけアップになったブルーベーカー夫人の驚いた表情が印象的。マスコミのカメラが、一斉に走り寄ってくるブルーベイカーとコールフィールドの方へ向きを変えます。呆然としているケラウェル博士ですが、次なる手をまだ何か考えている様にも見えてイラッ!。個人的な感想を言えばあと3分ぐらい先まで観たかった様な気もしますが、事実が証明できてスッキリとしたラストに納得&満足しました。