アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

バーホーベン版トータル・リコール(1990)映画感想

トータル・リコール(1990年版)

トータル・リコール [DVD]

原題:Total Recall/上映時間:113分/製作年:1990年

  【あらすじ】

西暦2084年、地球の植民地となっていた火星では、エネルギー鉱山の採掘を仕切るコーヘイゲンとそれに対抗する反乱分子の小競り合いが続いていた。一方、地球に暮らす肉体労働者のダニエル・クエイドは、毎晩行ったこともない火星の夢を見てうなされていた。夢が気になるクエイドは「火星旅行の記憶を売る」というリコール社のサービスを受けることに。しかし、それをきっかけに今の自分の記憶が植えつけられた偽物であり、本当の自分はコーヘイゲンの片腕の諜報員ハウザーだったと知る。クエイドは真相を知るため火星に旅立つが、真実を隠匿するコーヘイゲンに命を狙われ……。

トータル・リコール(1990) : 作品情報 - 映画.com

 【感想】完全ネタバレ

高校生の頃、劇場にて鑑賞。ポール・バーホーベンの作品を観たのはおそらくこれが初めてです。当時これを観た時は映像表現がグロくてとても怖かったと記憶しています。脳内のチップを鼻の穴から出すシーンなど、発想がキョーレツ過ぎてちゃんと観る事が出来なかった。随分に変わった作風の映画だなとも思いました。そんなトラウマ映画ですが時が経って観返してみると、思っていた程はグロくない。タランティーノ作品などエグイ描写のものや、CGを使ったリアルなグロ描写がその後たくさん出てきたから、感覚が麻痺してきたのかも知れません。

 

でもやっぱりオリジナル版は、変わった方向への創意工夫が凄くて面白い。シュワちゃんが取り出した脳内チップをネズミに食わせるシーンなどはバーホーベン版でないと、味わえない面白さがあります。またレジスタンスのボスの表現は、断然バーホーベンのオリジナル版の方がキョーレツですね・・・・。

原作はフィリップ・K・ディックの短編小説「追憶売ります」とSF作品ですが、何がどうなっているのか?とかこれはどういう事なのか?とか頭でいちいち考えずに楽しめる作品だと思います。SF映画なのですが、どちらかと言えばホラー映画を観ている感覚に近いです。

 

脚本はあのダン・オバノン。『ダーク・スター』をはじめ『エイリアン』『スペース・バンパイア』など多くの脚本を手掛けています。

 

今オリジナル版を観返してみると、2012年版のトータル・リコールは、随所にバーホーベン版を意識したカットがある事が分かって面白かったです。ダグラスとメリーナが同時にジャンプしてエレベーターに掴まるシーンなど超カッコイイと思ったのですが、オリジナル版に似たシーンがあったんですね。すっかり忘れてました(汗)。妻ローリーとの格闘シーンも迫力あります。

 

後は敵に追われたシュワちゃんが、地下鉄の窓ガラスを割って乗り込むまでのアクションシーンはものすごい迫力ですが、周囲の一般人を巻き込み過ぎですね(笑)。これ以外にもバック・トゥ・ザ・ヒューチャーのデロリアン的車のドアの開閉や、ロボットのタクシー運転手、地下鉄のセキュリティシステムの表現など何処となく手作り感があってとても好みの作品です。

 余談

ポール・バーホーベン監督の新作『エル elle』 が8月25日から公開されますが、これはいろんな映画関係者が積極的にお薦めしているみたいです。


映画『エル ELLE』WEB限定予告編

是非鑑賞してみたいですが、ショッキングなシーンが凄そうでこれを大スクリーンで観る勇気あるかなぁと思います(笑) 。