アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

火星でサバイバル【オデッセイ】映画感想

オデッセイ

原題:The Martian/上映時間:142分/製作年:2015年

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 【あらすじ】

火星での有人探査の最中、嵐に巻き込まれてしまったワトニー。仲間たちは緊急事態を脱するため、死亡したと推測されるワトニーを置いて探査船を発進させ、火星を去ってしまう。しかし、奇跡的に死を免れていたワトニーは、酸素は少なく、水も通信手段もなく、食料は31日分という絶望的環境で、4年後に次の探査船が火星にやってくるまで生き延びようと、あらゆる手段を尽くしていく。

オデッセイ : 作品情報 - 映画.com


映画『オデッセイ 』予告編

【感想】完全ネタバレ

 実話ではないですが、諦めない事の大切さを教えてくれる映画だと思います。

監督は『ブレード・ランナー』や『エイリアン』、『悪の法則』など数々の素晴らしい作品を生み出してきたリドリー・スコットです。本作『オデッセイ』はリドリースコット監督作品の中でも、より多くの人に好まれる作品ではないかなと思います。

 

原作はアンディ・ウィアーの『火星の人』。この日本の小説のタイトル、そっけなくてシブいと思います。どうでもいい話ですが、私はつい最近までこのアンディ・ウィアーって人が、女の人だと思い込んでいました(笑)。こういう勘違い結構あります。主演はマット・デイモン。『インター・ステラー』では悪役でしたが、今回はいい人の役です。

 

火星に1人取り残されてしまったマーク・ワトニー(マット・デイモン)。折れたアンテナが刺さったって、どんな不遇なんだろうと思います。しかも仲間は帰ってしまっていて、一人ぼっち。火星に1人取り残される事は、飲み屋に取り残されるのとは訳が違います。取り残されたと言う事実は「死んだ」と判断されたからある訳で、それ自体がとても悲しい事なのですがめげません。おそらくそんなことぐずぐず思っている暇はない、という事なのでしょう。

 

『オデッセイ』はSF作品としても大変優れていると思いますが、如何にサバイバルするか?というテーマとしても楽しむ事が出来ると思います。

 

また絶望的な状況の中、マーク・ワトニーがあの手この手を尽くして生き延びようとする姿を観ていると、何だかちょっと賢くなった気になれるのも良いですね。幸いにも生物学者であった彼は、ジャガイモを育て始めます。シロートならあの環境で、ジャガイモを作る事が出来る!とは思わんでしょ。自分が得意とする専門的な分野で、苦境と立ち向かって行こうとする姿勢は大切だなと思いました。専門的な知識があれば、無理だと思っている事も、案外出来るものなのですね。日常生活の中で出会う数々のピンチや不遇も、無意識の内に自分で出来ないとか、無理だとか勝手に決めつけているのではないかなと思いました。

 

またワトニーは火星にたった1人取り残されているにも拘らず、ジョーダンとかをバンバン言って全然めそめそしていないんです。正に「笑う門には福来る」です。決して神頼みではなく、実力とユーモアで乗り越えようとする。「為せば成る、為さねば成らぬ何事も」ってことわざを思い出し、何となくホッとしました。

  

更に絶望的な状況の中、70年代のディスコミュージックが流れるのも、これまでにない感じで良いです(笑)。そして次第に物事が上手くいき始め、地球や仲間からの援助も得る事が出来そうな時、良いタイミングでかかるデヴィッド・ボウイの「スターマン」が泣けます。この曲以前から結構好きだったのですが、この映画のおかげで更に好感度がUPしました。

 

何かにくじけそうになったら、また鑑賞したい作品だと思います。