アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

ライアン・ジョンソン監督のタイムループもの【LOOPER/ルーパー】映画感想

LOOPER/ルーパー

LOOPER/ルーパー [Blu-ray]

原題:Looper/上映時間:118分/製作年:2012年

監督:ライアン・ジョンソン

脚本:ライアン・ジョンソン

出演:ジョセフ・ゴードン=レヴィットブルース・ウィリスエミリー・ブラントポール・ダノ、ピアース・ガニォン、シュイ・チン

あらすじ【ネタバレあり】

2074年の世界ではタイムマシンが開発されていたが、その使用は法律で固く禁じられていた。しかし、犯罪組織は違法なタイムマシンを利用し殺人を行っている。なぜなら、その時代にはすべての人間の体内にマイクロマシンが埋め込まれ、殺人が事実上不可能になっていたのだ。そのため、彼らはタイムマシンで標的を30年前に送り、待ち構えている処刑人“ルーパー”に殺害を実行させていた。2044年、ルーパーとして30年後の未来から送られてくる標的の殺害を請け負っていた男ジョー。ある時、そんなジョーの前に標的として現われたのは、なんと30年後の自分だった。一瞬の隙が生まれ、未来の自分に逃げられてしまう現代のジョー。ルーパーは処刑を失敗すれば、即座に犯罪組織に消されてしまう運命だった。現代のジョーは、処刑を完遂すべく、すぐさま未来の自分の追跡を開始するのだが…。

映画 LOOPER/ルーパー - allcinema

 


映画『LOOPER/ルーパー』予告編

 

 この映画を鑑賞したのは随分前の事ですが、冒頭シーンを観た時のショックと後味の悪さは今でも忘れられません。それでも映画を全て鑑賞し終わった後の気分は幾分すがすがしく、このSF映画のスタイルに何か可能性を感じました。

 

監督はライアン・ジョンソン。2017年12月15日(金)から全国公開される『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の監督を務めています。ちなみにジョセフ・ゴードン=レヴィットは『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に、エイリアンの声でカメオ出演している様です。

また日本のファンのためだけ新情報を教えてくださいと聞かれると「プロデューサーに目をやったけどダメって言っているね(笑)でもこれならいいかな。僕と仲が良い『LOOPER/ルーパー』にも出演してくれたジョゼフ・ゴードン=レヴィットがエイリアンの声でカメオ出演しているよ」と、話せないことが多い中、ハリウッドスターのカメオ出演について貴重な情報を教えてくれました!

ライアン・ジョンソン監督が日本のファンのために世界に先駆け来日!最新作は「死んじゃうかもしれない…」ほどの衝撃と監督が断言!!|ニュース|スター・ウォーズ/最後のジェダイ | スター・ウォーズ公式

 感想【ネタバレ全開】

  舞台は2044年と割と近い未来。TKと呼ばれる特殊な能力を持った人々が、数パーセント程存在する事が確認されています。

 

更に2044年には【ルーパー】と呼ばれる職業の人達がいます。この人達は30年後の犯罪組織と契約しており、2074年からタイムマシンで転送されてきた標的を射殺する事を生業としています。標的とは、2074年の犯罪組織から送られてきた人。2074年には一人一人にマイクロマシンというものが埋め込まれていて、殺人が出来ないシステムになっています。

  

主人公の男ジョーもそんなルーパーの内の1人。2044年のヤングジョーを演じるのは、ジョセフ・ゴードン=レヴィット。そしてその30年後のオールドジョーを演じるのは、『ダイ・ハード』『パルプ・フィクション』などでおなじみのブルース・ウィリス。この二人が同一人物だというやや無理のある設定から、物語はスタートします。

 

 冒頭のショッキングなシーンの後はサイバーパンクな近未来の描写を追うのに必死で、しばらくの間は気分が高揚しました。更にこの辺りでポール・ダノも登場。ジョーの友人セスの役で出て来ます。しかしセスはルーパー達の宿命である【ループを閉じる】という行為に失敗。これによりあっさり殺されてしまいます。(出番が少な過ぎるポール・ダノ・・・)

 

またルーパー達は皆ラッパ銃を与えられているのですが、この銃の形が不気味に見える&ルーパーの肩身の狭さを物語っているなと思いました。(勝手に)

  

この映画にはサイバーパンクディストピア未来都市とは対照的に、背の高い【さとうきび畑】ののんびりした風景が映し出されるのが印象的です。

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 ※画像は劇中の物ではなくイメージです。

 

 『LOOPER/ルーパー』が他のSF作品と違うなと感じられたのは、オールド―・ジョーであるブルースウィリスがちゃぶ台をひっくり返す様な事を言う所から。レストランでヤング・ジョーとオールド・ジョーは、向かい合って会話をしています。そこでいきなり「タイムトラベルの話は、ややこしくて長くなるからしたくない!」的な事を言ってキレだすオールド・ジョー。以後サトウキビ畑の傍に住む親子とヤングジョーの愛の話になっていくのですが、「えーこれって恋愛映画なの?」って若干動揺。

 

ストーリーの後半ヤング・ジョーは、怖ろしい程の超能力の持ち主の子供シドとシングルマザーのサラをどうにか守ろうとします。

 

 この作品に対しての評判は賛否両論ある様ですね。確かにSF作品としては物語の中の辻褄が合ってないとも言えなくはないし、そもそもルーパーが30年後には殺されるとしても、ループを閉じる行為をなぜ本人がする必要があるのか?など疑問点も多いです。ただこの作品は、そこをあれこれ言う類の物ではないかなと私は思います。

 

余談ですがライアン・ジョンソン監督は『LOOPER/ルーパー』 を制作するにあたって、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』から影響を受けたと言っている様です。その件については映画評論家の町山智浩さんが、この作品のパンフレットやブログに書かれているみたいですね。

 

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』!20年ぐらい前に読んで、今も手元にありますが、これを読み返すとまたややこしい気分になりそうですね。うろ覚えですが黄金の毛を持つたくさんの獣と、サトウキビ畑が重なって見えてきました(笑)。

 

とりあえずタフでわがままなオールドジョーと、勇気ある行動に出たヤングジョーとの対比が良かったです。

 

 ライアン・ジョンソンの最新監督作品『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の予告動画はこちら


「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」本予告