アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

アンチタイムマシン映画【タイムトラベラー】感想完全ネタバレ

タイムトラベラー(字幕版)

原題:Curvature/上映時間:89分/製作年:2017年

監督:ディエゴ・ハリビス

脚本:ブライアン・デリュー

出演:リンジー・フォンセカリンダ・ハミルトン、グレン・モーシャワー、アレックス・ラニペカン他

 


タイムトラベラー

 

最近ツイッターである1つの国の方々から、何フォローかあったので、気軽にフォローバックしてみたら、その1つの国の方々のフォロワーが異様に増えるという不思議な現象が起こりました(笑)。でもちょっとビビりました。

 

という訳でタイムトラベラーです。

 

本作品には類似したタイトルの作品が、たくさんあります。未見の方はお気を付け下さい。

【タイムトラベラー あらすじ】完全ネタバレ

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画像引用:https://teaser-trailer.com/movie/curvature/

夫の自殺を嘆くヘレン

研究者の夫ウェルズを亡くしたヘレは、僅かの休暇で職場に復帰します。ヘレンは夫と同じ研究所で働いていました。ウェルズとも親しかった上司のトーマスは、こんなに早く復帰出来るの?と彼女に問います。

 

2017年5月26日の金曜日の休憩中、ヘレンはフローレンスから「いつでも好きに使っていい」と、研究室の鍵を受け取りました。それはフローレンスの精一杯の好意。

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画像引用:https://teaser-trailer.com/movie/curvature/

その日の晩帰宅したヘレンは、しばらくのぞいていなかっただろう夫の部屋を開けます。

 

逃げて!と言われて訳分からず、とりあえず逃げる 

目が覚めると朝になっていて、彼女はリビングのソファーの上で寝てしまっていた様です。その上着た覚えのない、ブルーのパーカーを羽織っている。

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画像引用:https://www.allmovie.com/movie/curvature-v694118/releases

 

更にコーヒーを淹れようとすると、昨日の朝淹れた筈のコーヒー豆の出がらしにカビが生えていて驚きます。

 

そこへすかさず、何者からか電話がかかってきました。電話の女性はヘレンに「逃げて」と言います。更に彼女は「後5秒で黒のBMWが来る」と予言。ヘレンが外を見ると、昨晩使用した筈の自分の車が無くなっていました。

 

更に電話の彼女の言うとおり黒のBMWに乗った男(クラヴィス)がやってきて、家の中に不法侵入。えっー。ヘレンは電話の女の声に従い何とか逃げ切りましたが、靴は履いていないし何が自分に起こっているのか分からず、ヨタヨタします。何気に路上のごみ箱の新聞を見ると、2017年6月2日になっていました。

 

即ち1晩の間に1週間が経ち、その間の記憶が全く無いって事?ヘレンは同僚で親友でもある、アレックスのアパートを訪ねます。アレックスは、1週間も行方不明であったヘレンを心配していた様子。ヘレンは裸足である上、トンチンカンな発言を連発し、アレックスを困らせます。

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画像引用:http://www.medyaindir1.com/film/24651-curvature-2017-1080p-web-dl-turkce-altyazili-145-gb-tek-link.html

 

ウェルズが籠りきりであった山小屋へ・・・

 更にヘレンは山小屋へ行くと言い出し、彼に車を出せと強引に要求。山小屋へ着くと、そこへ自分の車に乗った何者かが現れる。(多分もう1人の自分)。ヘレンは彼にスマホを借り、自分自身に電話を掛けてみます。するともう1人の自分が電話に出て、仰天。

 

実は夫ウェルズの研究内容はタイムマシンについてでした。彼の作ったタイムマシンの被験者は、1週間分の記憶が無くなっていたとヘレンは知っています。またこのタイムマシンは、最大で36時間までしか戻せません。

 

更に山小屋のベッドの下にはトランクがあり、中には銃が入っていました。暗証番号がヘレンとウェルズとの初デートの日であった事から、これを用意したのはもう1人のヘレンだと考えられます。更にヘレンは黒板の数式を見つけ、ビデオがどこかにあると気付きました。そして彼女はシカの剥製に隠されているのを見付けます。

 

もう一人のヘレン登場! 

一方トーマスの部下のラヴィスは車を走らせてホームセンターに向かいます。ホームセンターの中に、もう一人のヘレンを発見。慌てて追いますが逃げられてしまいます。クラヴィスはホームセンターの店長を買収して、ヘレンが品物を購入する写真をゲット。彼女はここ1週間で3日もここに来ていた。購入した物は、タイマー、デジタルスケール、圧力鍋。トーマスとクラヴィスは、ヘレンがそれらで爆弾を作ろうとしているのだと理解します。

 

トーマスとクラヴィスは再び山小屋へ。トーマスは小屋の外から、ヘレンに圧力鍋で何をする気だ?と問います。ここで軽く一悶着。普段から銃を使い慣れてない感じの人達ばかりで、笑います。ヘレンとアレックスはトーマスらの車のタイヤを撃ち、逃げました。

 

 何と自殺ではなかった!黒幕はトーマス

ヘレンとアレックスはホテルに入り、ビデオの記録映像を壁に映し出します。それはウェルズとトーマスが、言い合いになってる動画でした。ウェルズの言い分は「シリアの秘密工作は科学と関係ない」で、トーマスは「私も本当は協力したくない」と。更にウェルズのポリシーは「過去を変える為にこの技術を使用しない」でした。あくまで実証するのが目的であると。意味ないじゃん(笑)。

 

そこでタイムマシンの発表に反対するウェルズを、トーマスが殺害。ウェルズが席を外した時彼の飲み物に、薬を入れての犯行です。酷過ぎる。ヘレンに対して半信半疑だったアレックスも初めて事の真相が分かり、彼女を信頼します。

 

しかしクラヴィスから奪った銃にGPSが付いていた為、突如クラヴィスがホテルに乱入。ヘレンは窓から逃げ、アレックスはクラヴィスに映像を見せます。

 

「もう1人の自分はトーマスを殺すつもりだ」と思ったヘレンは、その行為を止めさせるべく彼女を探します。研究所に着きフローレンスに会うと、もう一人のヘレンがほんの15分ぐらい前まで、フローレンスの研究室にいた事が分かりました。フローレンスは、自分も中に入れてもらえなかったと言います。

 

おとり計画だったの?

ヘレンはトーマスを見つけ、「あなたを救いに来た」と言います。自分はタイムマシンの試作機で戻ってきたとトーマスに伝えましたが、信じてもらえず。更にヘレンはトーマスに、ウェルズ殺害の事を問い詰めます。そんな会話を2人がしている時、監視カメラにもう一人のヘレンが忍び込むのが写ります。

 

彼女はタイムマシンの試作機のある場所へ行き、ウェルズのパスでセキュリティーを通過しました。トーマスがウェルズを殺した事を認め、ヘレンが刃物をトーマスに向けた所で、警告のサインが鳴った。

 

トーマスは「ファック!」と言い捨て、タイムマシンの方へ急ぐ。もう一人のヘレンは指輪を外し爆弾を仕掛け、タイムマシンに横たわります。それをモニターで眺めるヘレン

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画像引用:http://www.shockya.com/news/2018/02/19/curvature-movie-review/

実は爆弾はタイムマシンの破壊の為で、トーマスを殺す気ではなかった。

 

彼女はタイムマシンから消え、ソファーで目を覚まします。その直後爆弾が爆発。ヘレンは、急いで駆け付けたアレックスに救助されます。やれやれ顔で、燃え尽きるタイムマシンを眺めるクラヴィス

 

後日・・・。無事ループから抜け出せて、ラッキーだったと言うアレックス。ヘレン宛で、もう一人の彼女からのUSBが届きます。USBの中には楽しそうに笑うヘレンとウェルズが。動画の中のウェルズは「俺なら過去に戻らない。後悔やノスタルジアは死と同類だ」と笑いながら言いました。

 

【タイムトラベラー 感想】完全ネタバレ

原題はCurvatureで、湾曲とかひずみとかそういう意味らしいです。主演はリンジー・フォンセカ。彼女はやはり美しい。余談ですが彼女が上の写真の様な格好をしたシーンは、1カットも無かったと思います。あとはターミネーターのサラ役リンダ・ハミルトンが、フローレンスという役で出演しています。個人的な欲を言えば、リンダの活躍がもっと観たかったです。

 

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画像引用:https://www.theterminatorfans.com/linda-hamilton-is-back-in-new-curvature-trailer/

 

まずこのストーリーがややこしく感じるのは、ヘレンが自分がタイムトラベルしてきた分際であるにも拘らず、もう一人の自分が同じ時間軸にいる!などと言い出すので、観ている観客がパニックに陥るのではないかと思います。

 

以下は私自身の個人的な解釈です。

 

私も最初の内は、何が起こっているのかよく分かりませんでした。最後まで鑑賞し冷静に考えれば、SF的なストーリーとしてはただタイムトラベルしただけ。でもタランティーノパルプフィクションの様に、一部時間軸の構成にトリックがある様な感じですかね。冒頭に出て来るガックリ気を落としたヘレンの物語が途中からぷっつりと消え、突如別のヘレンが現れる。

 

パルプ・フィクション (字幕版)
 

 

時間軸がバラバラという訳でなく、5月27日から6月1日までの描写がまるでない。これによって見ている側は、何が起こったのか推理しなくてはならない状況に、追い込まれるのではないかと。そこがややこしくもあり、面白くもある。よってこの映画は、ミステリーっぽいとも思います。

 

大雑把に申し上げるとすれば、本作品には2人のヘレンが登場します。仮に私の解釈が正しかったとして、冒頭から出て来るヘレンをヘレンA、ブルーのパーカーを着て目覚めた所からのヘレンをヘレンBとします。

 

ヘレンA

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画像引用:http://www.medyaindir1.com/film/24651-curvature-2017-1080p-web-dl-turkce-altyazili-145-gb-tek-link.html

ヘレンB

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画像引用:http://www.medyaindir1.com/film/24651-curvature-2017-1080p-web-dl-turkce-altyazili-145-gb-tek-link.html

 

冒頭ヘレンAにカメラが向けられていて、いきなりヘレンBに切り替わる。そこからはタイムトラベル後の彼女の話が延々続きます。これはあらすじで書いた通りです。時間を巻き戻せるのは最長36時間。劇中ではおよそこの36時間に起こった事が、主に描かれています。

 

物語の進行中ヘレンAが再び現れるのは、ホームセンターで爆弾の材料を買うシーンです。その後また山小屋のヘレンBの話になるという流れです。

 

 ヘレンAは何をしていたのか?

おそらくこの後(2017年5月27日以降)ヘレンAは山小屋へ1人で行き、夫の残した暗号を解読例のビデオを観たのでしょう。それでウェルズは自殺したのではなかったと知り、タイムマシンの爆破を図る。彼女は研究所の仕事を無断欠勤し、銃を用意します。その間何度かホームセンターへ通う。ヘレンAはもしもタイムトラベルが成功するなら、未来から自分(ヘレンB)がやって来る筈だと思い、自宅に電話を掛け誘導します。ヘレンBが電話に出た時点で、タイムトラベルそのものは成功したのだと確信した筈です。その後ホームセンター行き、爆弾の材料を買う。その後フローレンスから自由に使っていいと言われた研究室で、爆弾を作ります。

 

以上が直接スクリーンの描写にはないけど(ホームセンターのシーン以外)、私が推理するヘレンAの行動です。そして最後まで観て気付いた事ですが、ブルーのパーカーを着て目覚めタジタジになるヘレンBは、タイムトラベル後のヘレンAですね。ヘレンAが知った事を、後追い的にヘレンBが知るがそれはタイムトラベルの副作用で記憶を失っているからに過ぎない。

 

 ラストにタイムトラベルしたヘレンAが、ヘレンBだと思う理由

1.ストーリーの終盤タイムマシンに乗り込んだヘレンAと、ヘレンBは同じブルーのパーカーを着ている。

2.ヘレンAはタイムトラベル直前に、指輪を外し置いて行く。ヘレンBは指輪をしていませんでした。

3.ヘレンAがタイムマシンから消え、自宅に現れる描写がほんの少しありますが、ストーリー序盤の光景と酷似している。

 

 ラスト付近のアレックスのセリフ「今もどこかで繰り返している」とは?

これははっきり言って、よく分かりませんでした。

ここまで考えをまとめ納得していたのですが、最後の最後になってアレックスが台無しにするような発言をしてくれたのでイラーッ!

「今もループしている私達が居る筈よ」とヘレン。更に追い打ちをかける様に、別のヘレンからはUSBが届く。解釈としてはストーリー終盤で、タイムトラベルをするヘレンはまた別の人になり、別の次元を彷徨っているという事が考えられます。

 

うーん、惜しい。これは私が何かを理解してないのですかね。それともストーリーの整合性が取れていないのかな?

 

何かに気付いた時は追記させて頂きます。

 

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タイムマシン破壊の為にタイムマシンを使う。このコンセプトに、何となくグッときました。未来からやって来るであろう自分に電話を掛け、自分を守り、更には計画に協力させるという考え。トーマスが信用ならない人物であったが故、こうするしかなかったのでしょう。

 

もう1人の自分は、思ったよりもしっかり者だったって事ですね。復讐よりも、ウェルズの望みを考える事に専念した。彼女に力強さを感じます。

 

 

良かったなって思った所は、テケテケ走って逃げるシーンがあった事(笑)。SF映画の中で登場人物らが、車ではなく走って追われたり、追いかけたりするシーンが妙に好きなのです。またタイムマシンが出てくる映画なのに、主人公ヘレンが、アンチタイムマシン野郎なのも良いですね。36時間前の過去にしかさかのぼる事が出来ない規制や、タイムトラベルした人は1週間分の記憶を無くすなどの設定を上手く行かし、派手なシーンこそ少ないですが退屈させない作品に仕上がっていると思います。

 

また劇中のタイムマシンの描写はほんの少しですが、おぉーって思う様なスタイリッシュなデザイン。

 

また本作品は、夫を失った悲しみに暮れるヘレンが、生前の夫の信念を貫き通す事で成長し、どうにか悲しみから立ち直るという人間ドラマでもあります。ラストシーンでのウェルズのセリフ「後悔やノスタルジアは死と同類だ」は感動を呼ぶものですが、じゃあ最初からタイムマシンなんか作らなきゃ良かったのにと、ちょっと思いました。

 

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