アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

アイランド【映画感想】完全ネタバレ

アイランド

原題:The Island/上映時間:136分/製作年:2005年

アイランド (字幕版)

監督:マイケル・ベイ

脚本:カスピアン・トレッドウェル=オーウェンアレックス・カーツマンロベルト・オーチー

出演:ユアン・マクレガースカーレット・ヨハンソンスティーヴ・ブシェミジャイモン・フンスーショーン・ビーンマイケル・クラーク・ダンカン

 

今更ですが、2カ月ぐらい前に『アイランド』を観たので、その感動と興奮をお伝えしようと思います。

 映画【アイランド】の主な登場人物(ネタバレあり)

リンカーン・6・エコー(ユアン・マクレガー

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画像引用:https://www.facebook.com/theislandmovie/

好奇心の強いクローンで、この物語の主人公。ロスに住むセレブ、トム・リンカーンのコピー。施設のシステムに日々疑いを持っていた。ジョーダン・2・デルタに恋心を抱いている。

トム・リンカーンユアン・マクレガー

ロスの豪邸に暮らす一流のセレブで、リンカーンのルーツとなる人。肝臓を患ったことから、バイオテック社に製品すなわちアグネイトを発注していた。それがリンカーン

ジョーダン・2・デルタ(スカーレット・ヨハンソン

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画像引用:https://www.facebook.com/theislandmovie/

リンカーンが密かに恋心を抱いていたアグネイト。サラという女性のコピー。アイランド行きが決定(即ち臓器摘出が決定)するも、間一髪のところでリンカーンに助けられる。

サラ・ジョーダン(スカーレット・ヨハンソン

ジョーダンのルーツとなる人間。女優かモデルかそういう職業の女性。ポスターのみでの出演。

ジェームス・"マック"・マッコード(スティーヴ・ブシェミ

 バイオテック社の職員であり、おそらく結構重要なポジションを任されている。バイオテック社が感情を持つクローンを作っていると知りながら、見て見ぬふりをしているわけだから許されぬ人物でありながら、どういう訳かいいヤツ感を醸しだしている。物語中盤で、リンカーンとジョーダンを助けた為に殺される。

アルバート・ローラン(ジャイモン・フンスー

ブラックホークという警備部隊のトップ。まるでルパンの銭形警部のような執念でリンカーンを追い回すが、最後にはジョーダンをサポートし、殺害されそうになった複数のリンカーンの友人らを助ける。

メリック博士(ショーン・ビーン

バイオテック社のクローンの開発者であり、総責任者のような存在。「クローンに意思や感情はない」と言って顧客を騙し、臓器を提供させている極悪人物。「それ、やったらいかんやろ!」を全てする人。

 

 映画【アイランド】のあらすじ(ネタバレあり)


The Island - Official® Trailer [HD]

 

舞台は真っ白い施設の中。ここにいる人達は、地球は大気汚染が酷くなったから住めなくなったと聞かされています。人々はお揃いの真っ白い衣類を着て(サイドに妙なラインの入った)、同じ靴を履き、超単調な毎日を強いられています。皆は仕事に通いますが、流れ作業をさせられるだけで、その製品が何に使われるのかも知りません。彼らは、自分らは数少ない人類の生き残りであると聞かされています。「毎朝尿で健康状態をチェックされる」など健康は過剰なほど管理され、少しでも異常があると食べたいものも食べれない日々です。人々の望みはアイランドへ行くことですが、主人公リンカーンはこのような毎日に疑問を抱いていました。

 

リンカーンは仕事中にちょいちょい、技術者マックのところに遊びに行き、ムダ話をしたりしています。リンカーンがマックのところに行くのは、彼と話していると楽しいからという理由ですが、それはマックが施設の事情をよく知ってる人間だからなのでしょう。ある日そこで、リンカーンは生きた蛾を見つけます。そこで「ん?外は大気汚染で生き物が生息できないはずなのに、なんでコイツがいる訳?」と疑問に思うわけです。その後、ジョーダンが「アイランド行き」に当選します。ジョーダンは、リンカーンが密かに心を寄せている女性なのです。リンカーンの心情としては、寂しくなるなぁ...とそんなところでしょうか?

 

 その晩リンカーンは悪夢にうなされて、目を覚ましました。蛾のことがどうも気になってならない。そこでリンカーンは深夜に部屋を抜け出し、蛾を放ちその後を追っていきます。すると...。何やら、病院のような医療ゾーンに通じていました。リンカーンが、これまで一度も足を踏み入れたことのない場所。そこで先日陣痛がはじまり、アイランドに行けると喜んでいた妊婦が赤ん坊を出産した場面に遭遇します。赤ん坊を見つめ、嬉しそうにする母親。しかしその直後、彼女は女医によって殺害されてしまうのです。ざ、残酷過ぎる...。リンカーンはこのようすをやや離れた場所から覗い、絶句します。

 

赤ん坊は妊婦とそっくりの顔をした女性の元に、届けられます。代理出産だった。更にはアイランド行きの当選が決まって大喜びをしていたスタークウェザーという黒人男性が、手術着を着せられ血相を変えて逃亡しているのを見てしまいます。博士は「生きたまま、内臓を取り出せ」とか、何とか滅茶苦茶なことを言っていました。何だ!ここは...。

 

直感的にジョーダンが危ない...そう感じ取ったリンカーンは大慌てでその不気味なメディカルゾーンから抜け出し、ジョーダンの元へ急ぎます。女子寮の中に紛れ込んだような格好となったリンカーンは女子から「キャっ!何この人(〃゚д゚〃)」みたいな目で見られ、その場はややパニック気味。しかし、そこはもうなりふり構わずジョーダンの部屋に直行。手を引っ張り、今すぐ施設から逃亡しなければ危ないと伝えます。

 

しかしリンカーンは医療ゾーンに忍び込んだ時、監視カメラに映ってしまっていたのです。博士らがリンカーンの腕の部分の映像を拡大してみると、リンカーンは医者ではなくクローンであることが分かります。博士は言います「製品だ...」製品!何て冷たい言葉なのでしょう。で博士はその製品であるクローンが逃亡したので、ローランが率いる凄腕警備部隊に追跡を依頼しました。博士のやっていることは、明らかにクローン禁止法を破る、すなわち違法行為だから警察を呼べないのです。館内ではブザーみたいなのが鳴り、リンカーンは汚染された危険人物だとアナウンスされます。

 

一方リンカーンとジョーダンは施設から抜け出し、ヘビに遭遇したりしながら「なぁ~んだ生き物がいる、やっぱり大気汚染なんかしてないじゃないか!」って言ったりします。でマックの職場で拾ったマッチ箱を頼りに、バーを見つけ入って行きました。そこでマックを見つけたリンカーンは「酷いじゃないか!なぜ本当のことを隠していたんだ!」と責め立てます。マックは「ここじゃ何だから...」と自宅に2人を招き、事情を説明しました。

 

リンカーンらは「えっ!俺たち人間じゃないわけ?何だ、それ!」驚くのですが、じゃあ自分らのルーツとなる人間に会って、話をしてみようという結論に到ります。そしてマックはリンカーンらに現金やクレカ、私服を与えました。ところが、駅まで2人を送ったマックは、無残にも何者かに射殺されてしまいます。ビビった2人は急いで列車に乗り込み、ロスへと向かいますが...。

 

※以下完全ネタバレ記事です。また映画『THX-1138』の内容にも一部触れています。

 疑うことの大切さ...アイランドのディストピアはだいたいこんな感じ

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画像引用:https://www.facebook.com/theislandmovie/

パッと見は人々が悲鳴を上げるような残酷なことは起こっていない

何か怖いなぁ~と思うのは、それなりの環境が一応与えられていることですね。例えばお酒を飲んでいるかどうか?は分かりませんが、アフター5にクラブみたいなところで楽しんだりとか...。だから『ハンガー・ゲーム』とか『バトルランナー』みたいに人々が今すぐ、ブチ切れるような理由がないのです。例えば「何でベーコンを食わせないんだ!」って言っても健康の為とか言われてしまいますし、意見すると「大人げないな」と思われそうなムードなんです。仮にこれが豚小屋風住居であると、何でオレたちだけ?となるかも知れません。でもハイテクかつ綺麗な環境で、食事も睡眠も保証されているから、主人公リンカーンのような疑問を持つ人が極めて少ないです。

でも恋愛が禁止

恋愛禁止、これはこの種の映画では割とありがちですが...。権力者は、人々が愛し合わないように仕向けるのでしょうね。またこの映画の場合は、子孫繁栄などの事情も含めて、禁止されているということでしょう。だってこのバイオテック社にクローンを依頼する人達って、セレブばっかりなんでしょ?例えば著名な政治家と女優のクローンの子供がどこかで勝手に生まれていたら、チョー面倒くさいことになりますからね。しかしこの施設内のアグネイトらが「そもそも人間はどうやって生まれるのか?」について、全く考えていないのが凄いです。アグネイトの中には妊婦もいましたから、周囲は「あのお腹はどうやったら大きくなるの?」って疑問に思っても良さそうなものです。確かに彼らはクローンだから、余計な知識を与えられていないかも知れない。でもそもそも人間は、最初からないものに対して鈍感なのかなと思いました。例えば、私達は今恋愛をするのが当たり前の世界に住んでいるので、もしも「全員明日から恋愛禁止」とか言われると、マジ切れする人もたくさん出てくるでしょう。でも、生まれた時からそうだったら、このルールを破る人の方が「変わり者」みたいな目で見られるのかも知れないです。

幸せの観念を植え付けられている

皆は夢の島「アイランド」にいくことのみが幸せだと信じ込んでいて、他の幸せを見出そうとしません。実際は「7年待っているのにアイランドに行けない」とエレベータの中でぼやいていた男が、一番のラッキーマンだったということになりますよね。7年も居たのに、殺されずに済んだわけですから(笑)。幸せと信じていることが不幸になることで、「自分は不幸だ」と思っている人が実はまぁマシだったというメチャメチャな世界観が堪能出来ました。

前半はかなりTHX-1138的な世界観

いや~似てるなぁ!って思いました。真っ白い服を着た集団が出勤するシーンとか。そして管理する側の人間は黒いジャージみたいなのを着ていて、そこもロボット警察とカブるなと思いました。それぞれが住んでいる個室の雰囲気とか、それらを実はものすごくたくさんのモニターで監視されているところとか...。不気味としか言いようがないです。『THX-1138』との類似点は、人々がこんな奇妙な毎日に何の疑いを持っていないところだと思いました。こういうのを客観的に見せられると、もしかしたら自分も彼らと同じ過ちを犯してないかなとか考えさせられます。また後半の逃亡シーンにカーチェイスがあるのも何となく、THXとカブります。それ以外では、ほんの1シーンですが『時計じかけのオレンジ』も、思い出しました。

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画像引用:https://www.facebook.com/theislandmovie/

ロサンゼルスの都市の描写が、何気に近未来的

あとはマイケル・ベイのアクション描写がド派手すぎてなかなか気付けないことですが、都市の近未来映像が素敵です。空中を走る列車とか特にそれほど目新しくもないのですが、妙にしっくりきている感があります。「ああ、こういう未来か!案外悪くないな...」と。街頭に情報ブースがあるのも、凄く自然でした。

クローンを「製品」と呼ぶ残酷さ

 確かに彼らはクローンかも知れない。しかし仮にも人型をした、いや人とそっくりのそして心を持った存在に対して製品はないやろ!と思いました。クローンも人間と同じく、一人一人がスペシャルであり、替えのきかない存在なんですよ!と、私は博士に言いたい。そんな超基本みたいなことが分かってない人物が、または分かっていても規則を平気で破る人物が、組織のトップに立ち金や権力でガチャガチャとゲームでもするみたいに人を動かすのってめちゃめちゃ危険ですよ。残酷だなぁ...って思います。でもこの映画の中ではクローン禁止法が適用された世界が描かれているので、そこはまだマシだなと思いました。「適用されていても法を破る人物がいるとこうなりますよ」みたいな部類の怖さです。

 

 【アイランド】は脇役俳優陣が「はまり役」のオンパレード

ブシェミがいきなり出てきたので、それだけでテンション上がりました。ブシェミは、やっぱあの独特の声が良いですね。彼が映画に出てくる時って、分かっていても何かサプライズ感があるような(笑)小さくガッツポーズです。マックは研究施設の社員のようですが、結局彼が何をやってるのか?は分からないままでした。

 

またジャイモン・フンスーが演じるローランって人がなかなか良いキャラで、ラスト付近では、ジョーダンを助けたりするのですが...。よくよく観ると物語の序盤ぐらいから「植物のようなクローンが逃走したんですか?へぇ~」とか、嫌味を言ったりしているのです。だからローランは、最初から博士に反感を抱いていた人物なのですね。ラストシーンでクローンらに紛れ、さっそうと歩いている姿が印象的です。

 

後はアイランド行きが決定し大喜びをしていた黒人男性のスタークウェザーが、手術着を着せられ内臓を摘出される直前に目覚めるという惨事。血相を変えた彼が逃亡するシーンは、結構ショックです。この気の毒な男性を『グリーンマイル』の囚人ジョン・コーフィ役のマイケル・クラーク・ダンカンが演じているのが、何とも言えません。左右対称の構図で引きずられるシーンは、何となくグリーンマイルのラストとオーバーラップしてしまい、より残酷な印象となりました。

 

そして、悪役にはショーン・ビーン。主演のユアン・マクレガーリンカーン(クローン)とトム(人間)の一人二役でしたが、別人のように見えて素晴らしかったです。

 

 映画【アイランド】の総合的な感想

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画像引用:https://www.facebook.com/theislandmovie/

期待していたよりは何倍も楽しめた、という印象です。前半の方がSF感たっぷりで、後半はかなりアクション色が強め。特に列車の車輪をトラックから落とすシーンは、わざわざ用意された感が凄いです(笑)。でも、インパクトも強く、迫力があるので良いと思いました。

 

あと注目なのはアグネイトらの会話。「デュード」って言葉を知らなかったみたいで、新しい言葉を仕入れては仲間とシェアし、喜んでいるのがとてもチャーミングでした。またリンカーンの友達のジョーンズって人が超数学マニアだったりとかして、いろいろと楽しめます。

 

クローン批判はしているものの、『月に囚われた男』などと同様に、エンターテイメント性もあるので、過度に重苦しい空気にならずに済んでいるところが個人的には良いなと思いました。確かにクローンの問題を軽々しく扱うのはタブーかも知れませんが、内容があまりにもへヴィだったら、観るのすら躊躇してしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。映画にしろ、ドラマにしろ、基本最後まで観なければ意味がありません。だから『アイランド』はSFとして視覚的に楽しみながらも、クローンについても真剣に考えさせられるという具合のバランスが良いなと思いました。監督の作風上、結果そうなっただけかも知れないですが(笑)

 

あとは、この組織内に閉じ込められているアグネイトらが、いろいろ気付いていない内はヒヤヒヤでしたが、気付けばちゃんと反逆し逃げようとする人たちで良かったです。逃げろ!と思った瞬間にリンカーンが逃亡するなどの展開には、スカッとさせられました。また本作品では、搾取される側と搾取する側の逆転劇が描かれています。そこが痛快なのですが、着地はそこにとどまらず、仲間(全クローン)の救助という温かい結末に辿り着くところが素晴らしく、清々しい気分になれました。

 

余談

この映画は「あの映画に似てる」と言われることが多い様です。

この記事で取り上げたのは『THX-1138』でしたが、以下

 

アイランドは『クローン・シティ/悪夢の無性生殖』と似ている

アイランドは『レベル16 服従の少女たち』と似ている

アイランドは『わたしを離さないで』と似ている

 

などです。『レベル16 服従の少女たち』はホラー、スリラーのテイストが強く、少女たちがクローンではなく孤児であるところが尚更恐ろしかった。心底ゾッとさせられましたよ。『わたしを離さないで』は、ドラマ版第9話の鑑賞の途中で挫折しました。頑張って観ていたのですが、あまりにも生々しく悲しく、見続けるのが辛くなったからです。よってガーランド脚本の映画『わたしを離さないで』の方も、まだ観ていません(汗)。こちらは、もう一度勇気を振り絞り、近々鑑賞するつもりですが...。そんな私が言うのもなんですが『わたしを離さないで』は、登場人物に感情移入しやすい人は、要注意!という気がします。原作を読む勇気はありません。相当にショックですよ、これは。仮に最後まで観るとして、仮に映画を観るとして、咀嚼するのに随分時間がかかるだろうな、と思いました。

 

「芸術は人の心を傷つける」どこかで聞いたような言葉が、頭の中をぐるぐる回りました。でもこの場合テーマがへヴィであることが、何よりの原因でしょうね。強くならないと!と思います。でも今は無理、コロナへの恐怖もあるから(笑)

 

もしも興味がある方は調べてみて下さい。長い記事を最後までお読み下さり、ありがとうございます。

 

 

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