アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

WELCOME TO THE BLUMHOUSE【ブラック・ボックス】映画感想★

ブラック・ボックス

原題: Black Box/上映時間:100分/製作年:2020年 

ブラック・ボックス

監督:エマニュエル・オセイ=クフォー

脚本:エマニュエル・オセイ=クフォー、ウェイド・アレイン=マーカス、スティーヴン・ヘルマン

出演:マムドゥ・アチー、フィリシア・ラシャド、アマンダ・クリスティーンほか

 

フォーマットが定まらず、毎回異なったスタイルでお届けしているこのブログです。もしも更新毎に読んでくださっている読者の方がいらっしゃいましたら、お礼を申し上げたい。仮に勤めている企業が、勤怠締めやローテーション表のフォーマットをコロコロ月ごとに変えてきたら腹立つでしょ?今の私は、毎回それをやっているに等しいのです。皆さまに感謝&なるべく安定させます。

 

という訳で今回は『ブラック・ボックス』です。


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注:完全ネタバレ記事です。本作品に少しでも期待していらっしゃる方は、ご注意ください。

 

 製作はブラムハウス・プロダクションズ

パラノーマル・アクティビティ』、『ゲット・アウト』など低予算で新しいスタイルのホラー映画を世に送り出してきた製作プロダクション「ブラムハウス・プロダクションズ」の作品です。その中でも『ブラック・ボックス』は、ブラムハウスとアマゾン・スタジオが提携した"WELCOME TO THE BLUMHOUSE"というアンソロジー企画の中の1作品で、これらは全部で8作品になるそうです。

 

この"WELCOME TO THE BLUMHOUSE"とかいうホラー映画アンソロジー第1弾は2020年の秋ごろから配信が始まり、現在4作品をアマプラで観ることができます。で、残りの4作品の個別の海外版トレーラーがおとといあたり公開されました。このホラーアンソロジー第2弾は、日本でも近々配信されるのですかね?まぁとりあえず、それまでに今ある4本を全部観なきゃ!(汗)と思い鑑賞しました。

 

ちなみに先月ぐらいに公開された4篇分のトレーラーはこちら↓↓↓


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『ブラック・ボックス』は、主人公が過去の記憶の中に入って行く話で、夢の中が可視化されるような話なので、ちょっと『インセプション』とか『パプリカ』を思い出しましたよ。あとは『エターナル・サンシャイン』も。

 

個人的には、ちょうど最近『マトリックス』の新作トレーラーが公開されたことで、仮想現実ものに対する情熱が復活したタイミングなので丁度良いなと思います。低予算で製作されているため見応えのあるSF的な描写などはほとんどありませんでしたが、後半の展開がショッキングなもので驚かされました。また本作品はホラー作品となっていますが、ホラーって感じではないですね。グロテスクな描写もほとんどないので、エグい表現が苦手な方にもおすすめです。

 

 【ブラック・ボックス】あらすじ(ネタバレあり)

6ヶ月前に事故で妻のレイチェルを失ったノーランは、本人も脳に強いダメージを受けており過去の記憶が全くありません。小学校に通う娘エヴァは、ノーランのことを心配しあれこれ世話を焼きます。以前の生活をすっかり忘れてしまったノーランは食事を作ったりネクタイを締めたりするのにも、エヴァの助けが必要です。医師であり、以前からノーランのことをよく知っている友人ゲイリーも不安顔。ノーランは今の生活が全くしっくりきていない様子なのです。

 

複数の治療を試してもノーランの記憶が戻らないことから、ゲイリーは神経外科医リリアンの最先端の治療を受けるよう勧めます。そこで試しにリリアンを訪問するノーランですが催眠術のような療法にビビり、尻込みしました。しかしノーランはその日エヴァを学校に迎えに行くのすら、忘れてしまいます。エヴァの担任の女性教師は、まるで不審な人物を見るような目でノーランを見る上、これで3回目だから次は児童保護サービスに通報しなければ、と煽ってきました。

 

一刻も早く記憶を取り戻さなければという危機感から、ノーランはリリアンの治療を受けるべく彼女を訪問。治療には「ブラック・ボックス」というマシンを使用します。ざっくり言えば、過去の記憶を仮想現実として体験できるマシンです。治療台に横たわり催眠状態に入ったノーランは、徐々に過去の記憶の扉を開いていきます。ノーランが記憶の中に入ると、そこはレイチェルとの結婚式の場面でした。教会に集まる大勢の人々。しかしそれらの人々はおろか、レイチェルさえも顔の部分がぼやけていて見えません。

 

その上ブリッジをした人が突進してきたため、ビビり上がって夢から目覚めます。そこで治療は中断。リリアンは「あなたはよく頑張っている」とノーランを褒めます。しかしそれ以降の治療でも、ノーランは全く面識のない母子のアパートに自分がいる記憶などが蘇り、大混乱。「えっ、オレ不倫してたの?」とか「オレってもしかしてすげぇ悪い奴なんじゃね?」とか、自分を疑い始めました。友人のゲイリーは、それを全面的に否定。「お前は本当にいい奴だった」と諭します。しかしその後何度目かの治療で、衝撃的な事実が分かるのです...。

 

 【ブラック・ボックスの感想】(完全ネタバレ)

注:『トワイライトゾーン/超次元の体験』もほんの一部ネタバレしています。

前情報から薄々後半に意外な展開が待ち受けていると知っていたので、あれこれと想像しましたよ。私の中で一番有力だった予想は、主人公のノーランが実はとんでもない男だったという説。あるいは友人ゲイリーが妻のレイチェルを寝取っていて、実はレイチェルが生きていたとか。ノーランが治療を受けるたび記憶を取り戻し、焦ったゲイリーが暴れるのではないか?など勝手に想像し、ヒヤヒヤしました。ゲイリー、ごめん。

 

でも実際の物語はそうではなく、トーマスという新たな人物の名が浮かび上がってきます。トーマスって誰よ???

 

トーマスはリリアンの息子でした。神経外科医であるリリアンは、2年前に階段から転落死した息子の脳波のデータを保管しておいたのです。その後、救急患者として病院に担ぎ込まれたノーラン(アカの他人なんですがね...汗)の肉体にトーマスの脳波を移植。よって見た目はノーラン、心はトーマスというこれまでにない人物が出来上がってしまったのです(汗)恐るべし、リリアン。大概の悪いことはするタイプ。

 

潜在意識の中でトーマスがあえて扉の外にでることで、ノーランの心に肉体を返すという着地が良かったですね。

 

ブラック・ボックスで記憶の中に入った時、人々の顔がぼやけている件は、なんとなく既視感がありました。う~ん何だろうと考えて思い出したのが『トワイライトゾーン/超次元の体験』のジョー・ダンテ監督の「こどもの世界『IT'S A GOOD LIFE』」というエピソード。口を消された姉、みたいな表現がありましたよ。こっちの方はもっと怖かったですが...。

 

 

さらにブリッジをした人は、エクソシストを想起させられます。またグロくはありませんが、南極を舞台にしたあの映画のクリーチャーに似すぎてないか?と(笑)

 

ホラー作品というよりもSFドラマに近い...という印象。しかし、医者の母親リリアンの息子への執着が半端なく怖いので、そこはホラーっぽいですね。ややこしい話のはずなのに、ストーリーがきちんと整理されていて、好感が持てました。俳優さんの演技も素晴らしい。『ブラック・ミラー』とか好きな方は、楽しめるかも知れません。twitterでも海外版『世にも奇妙な物語』とか言われてますね。ちなみに同シリーズ(WELCOME TO THE BLUMHOUSE)の『ノクターン』もなかなか面白かったですよ!おすすめです。

 

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