昨年から観たくてうずうずしていた映画『ランニング・マン』を観ました。だんだん、現実がディストピアに近づいてきている気がします。最近また『バトルランナー』を観直したのですが、前回観た時よりも、観客をそこまでひどい人たちと思わなくなっていました。これって現実がヤバすぎて麻痺してるってこと?いや、エドガー・ライト版『ランニング・マン』の市民が意地悪だからか。
この記事では映画『ランニング・マン』のあらすじ・キャスト・原作との違い・バトルランナーとの繋がりについて考察していきます。
本記事は映画『ランニング・マン』の完全ネタバレ記事となります。また、キングの原作『ランニング・マン』(旧題:バトルランナー)や、映画『バトルランナー』にも触れています。未読・未見の方はご注意ください!
- 原作はスティーヴン・キングのランニング・マン
- 映画【ランニング・マン】の作品概要
- 映画【ランニング・マン】の登場人物(キャスト)
- 映画【ランニング・マン】のあらすじ
- ランニング・マン(番組)のルール
- 【ランニング・マン】映画と原作の違い
- 球体ドローンの元ネタ
- 映画ランニング・マンの感想
- ランニングマンとバトルランナーのつながり
- まとめ
原作はスティーヴン・キングのランニング・マン
原作はスティーヴン・キングがリチャード・バックマンの名義で書いた『ランニング・マン』で、これは1982年に刊行されています。日本では『バトルランナー』の邦題で親しまれていました。
そして今回映画『ランニング・マン』の公開に合わせ、2025年12月に扶桑社から『ランニング・マン』というタイトルで全面改訳版が出ています。
解説には、キングがリチャード・バックマンというペンネームで書いた理由、経緯などが書かれていて面白い。まぁいろんな説がありますよね。「スティーヴン・キング」という名前でなくても、売れるかどうかの実験だったとか。
映画『ランニング・マン』の方は、原作へのリスペクトが凄くて、キング先生も大絶賛だったようです。
一方原作を読んでいない方があの内容で、意味が通じたかどうかは若干気になりますね。単なる興味本位ですが、どんな風に見えていたのかが知りたいです。原作を読んでる私としては「ここだいぶ飛ばしたな」とか「映画だとこんな風になるんだ!」など存分に楽しむことができました。
映画【ランニング・マン】の作品概要
原題:The Running Man/上映時間:133分/製作年:2025年
監督:エドガー・ライト
脚本:エドガー・ライト、マイケル・バコール
出演:グレン・パウエル、ケイティ・オブライアン、ウィリアム・H・メイシー、ジョシュ・ブローリン、リー・ペイス、ジェイミー・ローソンほか
前述したとおり、原作はスティーヴン・キングのディストピア小説『ランニング・マン』です。監督は『ショーン・オブ・ザ・デッド』、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』、『ラストナイト・イン・ソーホー』などで人気のエドガー・ライト。
キングのランニングマンの映画化としては2度目。1度目は、シュワちゃん主演の『バトルランナー』(1987)ですね。
ちなみに映画『バトルランナー2030』という作品もありますが、こちらはロバート・シェクリィの『危険な報酬』が原作のようです。観たことないのですが、かなり似たような内容っぽいので、いつか観てみたいです。
映画【ランニング・マン】の登場人物(キャスト)
ここからはランニング・マンのわちゃわちゃしたキャストをご紹介します。
ランニング・マン出場者
ネットワーク社のゲームショー「ランニング・マン」の出場者に選ばれた悪運の強い3名です。
ベン・リチャーズ(演:グレン・パウエル)
画像引用:映画『ランニング・マン』公式サイト
映画『ランニング・マン』の主人公。妻シーラと幼い娘とコープ・シティ(貧困エリア)のアパートで暮らす。ただ病気の娘の薬がほしいだけの、ごくごく普通の男。
労働組合の活動に参加した過去があり、ブラックリストに載せられているため、仕事にありつけない。娘の薬を買う必要があり、賞金を得るためゲームショー「ランニング・マン」への参加を決意する。
リチャーズが着ているパーカーが、いい感じなんですよね。演じているのは映画『ツイスターズ』の竜巻ユーチューバー役で人気のグレン・パウエル。
ジェニー・ラフリン(演:ケイティ・オブライアン)
画像引用:映画『ランニング・マン』公式サイト
まるで「ランニング・マン」への出場を楽しんでいるかのような女性。優雅で好戦的な態度は人々を魅了し、リチャーズと同じく視聴者から人気があった。
逃走中もカジノやクラブで豪遊し、あり得ないほど無邪気。ラフリンはカリスマ性がありキャラも立っていたため、無防備でも長く生き残れた可能性も高い。映画観賞後、この人をもっと見たかったと思った人も、多いだろう。
そんなラフリンを演じているのは、ケイティ・オブライアン。奇遇にもケイティは、グレン・パウエル出演の『ツイスターズ』のストームチェイサーの一員でした。
ティム・ジャンスキー(マーティン・ハーリヒー)
呑気で楽観的な若者。パッと見でもう、死亡フラグが立っている。強くなさそうだし、なよっとしてるが、目立ちたがり屋で女好き。演じているマーティン・ハーリヒーは、コメディアンとして活躍中らしい。
ベン・リチャーズの仲間・味方
根気強くリチャーズを支える人たち。こういう人たちが、世の中から消えないことを願います。
シーラ・リチャーズ(演:ジェイミー・ローソン)
画像引用:映画『ランニング・マン』公式サイト
主人公ベン・リチャーズの妻。ベンが失業してからは、水商売で稼ぎ家計を支えている。ベンの「ランニング・マン」への出場には大反対。身の引き裂かれる思いだったが、夫を励ますために娘の靴下をお守り代わりに送った。肝っ玉のすわった優秀な妻。
演じているのは『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のベラ・リアル役だったジェイミー・ローソン。
モリー(演:ウィリアム・H・メイシー)
画像引用:映画『ランニング・マン』公式サイト
リチャーズを昔から知っている仲間。武器や薬などを多数扱っている闇商人。リチャーズに、偽造IDや変装グッズを用意した。こういう職業の人がいるというだけで、かなりディストピア感がある。
演じているのはウィリアム・H・メイシー。映画『ジュラシック・パークⅢ』のお父さん役が印象深いです。
ブラッドリー(演:ダニエル・エズラ)
ボストンに住む貧困層の青年。安ホテルを爆破させたばかりのリチャーズを囲い、寝床を用意して助けた。番組「ランニング・マン」のディープフェイクを暴く動画を、個人で配信している。リチャーズには仲間のエルトンを紹介した。
演じているダニエル・エズラは、『All American』というドラマで有名なようです。この方の画像が用意できなくて残念。めっちゃ好きなキャラクターです。
エルトン・ペラキス(演:マイケル・セラ)
画像引用:映画『ランニング・マン』公式サイト
田舎に住むブラッドリーの仲間の活動家。イカれた母親を介護しながら、転がり込んできたリチャーズを囲う。父親絡みで世の中に恨みがあり、ネットワーク社の陰謀を暴こうとしている。エルトンがDIYで仕掛けたからくり屋敷は、ホーム・アローンのトラップも顔負け。
演じているのは、『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』のスコットを演じたマイケル・セラ。彼の登場するパートは、どこか漫画チックで笑える部分も多いです。
アメリア・ウィリアムズ(演:エミリア・ジョーンズ)
画像引用:映画『ランニング・マン』公式サイト
裕福層の女性。逃走中のリチャーズが車に乗り込んできたことで怯えるが、次第に協力者になっていく。リチャーズと出会うことで、自分が恵まれた暮らしをしていると気づく、結構心のあるいい人。
ベン・リチャーズの敵
一般市民のリチャーズと敵対する裕福層の顔ぶれは、以下の通り。
ダン・キリアン(演:ジョシュ・ブローリン)
画像引用:映画『ランニング・マン』公式サイト
リアリティー番組「ランニング・マン」のプロデューサー。アップタウン在住者。ネットワーク社のトップにいる人物。パッと見は人あたりが良いが、高視聴率を得るためならどんなことでもする。市民の命をおもちゃのように弄んでいる最低な男。リチャーズのカリスマ性を見込み、ランニング・マンへの出場をしつこく勧めた。
キリアンを演じているのは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』や『アベンジャーズ』シリーズのサノスでしられる実力派俳優のジョシュ・ブローリン。
ボビー・T(演:コールマン・ドミンゴ)
画像引用:映画『ランニング・マン』公式サイト
カリスマ性のある「ランニング・マン」のMC。視聴者が求めている残酷で暴力的なゲームショーを、大いに盛り上げ、番組の人気を維持させる。めっちゃイヤなヤツなのですが、この人のMCスキルが高すぎて、ワクワクさせられた自分も怖かった。いや、あの番組のオープニングシーンの演出はスタイリッシュで完璧。
演じているのはコールマン・ドミンゴ。この方は今年6月に公開予定の『Michael/マイケル』にも、キャスティングされていますね。楽しみです!
エヴァン・マッコーン(演:リー・ペイス)
画像引用:映画『ランニング・マン』公式サイト
殺人ハンターのリーダー。映画の終盤までマスクで顔を隠していたため、素顔がわからなかった。出場者を執拗に追い回し、残忍な方法で殺す男。終盤には、彼の意外な過去がわかる。演じているのは、リー・ペイス。マスクを取った時の「こいつかよ!」感。
映画【ランニング・マン】のあらすじ
舞台になるのは近未来のアメリカ。国家よりも強い権力を持つネットワーク社が、独占的に人々を支配していた。格差が広がり、貧困エリアに住むものは、薬や食料の調達もままならないほどである。
人々はテレビに熱中していた。それもそのはず。ネットワーク社の視聴デバイス「フリー・ヴィー」(テレビセット)の設置が義務付けられていて、各家庭に支給されているからだ。ネットワーク社が作るテレビ番組には、一般市民参加型のゲームショーがあり、これらは危険なゲームがほとんどである。
中でも「ランニング・マン」は、過去に生き残った参加者がいないほど、危険なゲームだった。人々は出場者にとってハイリスク&ハイリターンである「ランニング・マン」を熱心に見ている。
一方で貧困エリアに住むリチャーズの生活は、病気の娘の薬も買えないほど苦しいものだった。リチャーズは、妻シーラの反対を押しきり、賞金目当てでゲームショーへの参加を希望する。「ランニング・マンだけは絶対嫌!」そう思っていたリチャーズだが、まんまとランニング・マンへの出場が決まる。
ランニング・マンのルールは、ただ逃げるだけという極めてシンプルなものだった。逃走範囲は、無制限。30日間殺人ハンターから逃げ切れば、高額の賞金をゲットできるというものである。ただしハンターに見つかってしまえば、その場で抹殺されることがほとんどなので、命を掛けた戦いであることは否めない。
ランニング・マンの出場者は、3人。リチャーズ以外に、ティム・ジャンスキーとジェニー・ラフリンが出場することになった。ゲームが開始されると、リチャーズは、馴染みのある仲間モリーのところへ行き、偽造IDや変装グッズなどのアイテムを準備してもらう。
変装したリチャーズは、ニューヨークへ向かい、ホテルでチェックインを済ませるが...。
ランニング・マン(番組)のルール
いかれた鬼ごっこのルールは以下の通りです。
- 逃走範囲は無制限
- 逃走する期間は30日
- 1日生き延びるたびに賞金は増える
- 鬼はプロの殺人ハンターで、銃撃や爆発などどんな手段でも使える
- 番組は全世界の「フリー・ヴィー」で生中継されている
- 密告者には懸賞金が与えられる
- ランナーは自撮りしたビデオを定期的にテレビ局に送らなければ失格
以下の公式の特別映像が、超陽気にルール説明してて面白い。↓ ↓
【ランニング・マン】映画と原作の違い
今回のエドガー・ライト版『ランニング・マン』はかなり原作に忠実ですが、ラストは少し改変され希望が持てる着地となっています。また、原作の方がかなりトーンが暗めなんですよね。ここでは、私が気づいた原作と映画の違いをいくつか挙げていきます。
娘の靴下
主人公リチャーズが、娘の赤い靴下を持ってきてしまうという設定は、原作にはありません。リチャーズがこの靴下を警備員に預け妻シーラに返すと、お守りとしてシーラが送り返してくるシーンがあります。これは映画版のオリジナルのアイデアだと思われます。
シーラの人種
リチャーズの妻シーラの人種が、原作では特定されていなかったように思います。一方映画の方では、シーラは黒人女性という設定になっていました。
ジミー・ラフリンがジェニー・ラフリンに!
原作のランニング・マンでは、男性だったジミー・ラフリンが映画版では、女性のジェニー・ラフリンに変更されています。この改変は大正解。かなりぶっ飛んだキャラクターで、作品を華やかにしてくれています。
エルトンが通報
原作ではエルトンの母がリチャーズが家にいると通報していたのに対し、映画『ランニング・マン』では、母は通報するわよ!と脅すところまで。映画版では、なんと!エルトンが自ら突如通報ボタンを押してしまいました。なんでぇ~???
エルトンが自分でボタンを押した理由については、要はエルトンは改造した自宅に警察をおびき寄せて、罠に嵌めようとしたのでしょう。まぁ、仕掛けた罠を使ってみたかったわけですね(笑)また彼は父親のことで、ネットワーク社に大きな恨みを持っていたので、復讐したかったのだと考えられます。そのためにリチャーズを利用していた部分もあったのでしょう。
リチャーズとエルトンの逃走シーン
映画では、バギーで逃走するリチャーズとエルトン。しかしこの場面は、原作では2人がエアカーで逃走しています。さらに原作のほうでは、瀕死の傷を負ったエルトンが囮になって逃走。一方、映画でのエルトンはマッコーンにあっさり殺害されてしまいました。
賛否両論のラスト
原作での終盤、リチャーズは妻子が殺されたと聞かされ自暴自棄となります。そして飛行機を乗っ取り、ゲームズ・ビルへ向けて突撃。自爆特攻で、このいかれた番組を作るダン・キリアンに向かって飛行機ごと突進し自爆するのです。原作での終盤は、かなりグロテスクなので、どうするのかなと思っていました。リチャーズの腸が飛び出したりして、もうぐちゃぐちゃ。大変なんです(´д`)
一方映画の方では、リチャーズの乗った飛行機が爆破されました。リチャーズは死んだと思われていましたが、実は脱出して生きていたというハッピーな着地。妻子も実は無事で再会できます。更にストーリーはそこで終わらず、リチャーズは番組プロデューサーのダン・キリアンに復讐を仕掛けました。
ラストの原作の改変については、安直・逃げ腰など批判も上がっていますが、私個人としてはかなり満足できる着地でした。主人公が自爆特攻して犠牲を払うより、ハッピーエンドのほうがいいと思います。特に今のような時代には。腸がはみ出す→自爆特攻のエンディングでは、希望が持てませんからね。
ブラッドリーのキャラ設定
原作でも映画でもブラッドリーは、リチャーズを助けるレジスタンスの役目を担っていました。原作ではブラッドリーが、反政府側のギャングであり、公害関係の本を熱心に読みあさっています。
一方エドガー・ライト版の映画でのブラッドリーは、SNSのインフルエンサー。ネットワーク社の真実を暴くため、動画配信サイトで匿名配信しています。
映画の終盤にリチャーズが生きていることを伝えたあの動画配信者が、ブラッドリー。彼も生き残れたのだと思うと、嬉しくなりました。ラストと同じく、ここは大きな変更点だと思います。
球体ドローンの元ネタ
スターウォーズの偵察ドロイドに似た、球体ドローンが出てきました。宙にプカプカ浮きながら、リチャーズを追い回すヤツです。このドローンは、カルト映画『ファンタズム』(1979年公開)に出てくる「シルバー・スフィア」というシルバーの球体が、インスピレーションになっているよう。監督は更に、イギリスのTVシリーズである『地球防衛軍テラホークス』も参考にしたと語っています。この特撮の人形劇に登場する球型ロボットのゼロイドも参考になっているらしい。
『ランニング・マン』追いかけてくる球体ドローンの元ネタ ─ 独自のディストピア世界は「80年代から見た2025年」 | THE RIVER
映画ランニング・マンの感想
序盤に流れるスライ&ザ・ファミリー・ストーンの『Underdog』がかなり心地よかったです。
時代設定は2025年
キングの原作『ランニング・マン』は2025年を舞台にしています。そして今回の映画『ランニング・マン』も、同じく2025年という時代設定。奇しくもかあえてなのか、そんな作品が(米国では)2025年に公開されました。もう、ヘラヘラ笑って見ていられない。当時キングの思う40~50年後のディストピア近未来に、昨今の現代社会が近づいてきているようで恐ろしいです。
レトロフューチャーな近未来
映画『ランニング・マン』の世界は近未来的なのですが、どこかレトロ感もあって楽しめました。ビデオテープをポストに届ける仕組みとかもいいですね。ポストから郵便物が飛んでいくのも最高!
最初はスマホを使うような設定だったらしいのですが、原作のアナログ感を大切にしようということになったらしいです。紙媒体の自主制作紙やビデオカセットなど古い世代の媒体が、若者にとって目新しいものになってるようなので。
プロダクション・デザイン(美術)を担当したのはマーカス・ローランド。マーカスはレトロ未来的デザインの「カセットフューチャリズム」からインスピレーションを得たと話しています。こういうの、カセットフューチャリズムって言うんだ(✿☉。☉)!ってなりました。
マーカスは過去にエドガー・ライト監督の映画『ホットファズ 俺たちスーパーポリスメン!』や『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』、『ラストナイト・イン・ソーホー』などの美術も手掛けています。
格差社会に生きる人々の心の闇、そして希望
貧しくなってしまった庶民にとって、他人の不幸のみが娯楽となってしまった近未来。
ランニング・マンはデスゲームの走りとも言われています。ウヨウヨわいた人の不幸を喜ぶ視聴者が、いやらしくダークに描かれている。主人公が生き残れるかどうかも気になりますが、このような社会に生きる大衆の胸糞具合がやたら目に付きました。
ランナーがいることを通報し、懸賞金をもらう視聴者。このような衆人環視システムは本当によくないですよ。ゲシュタポに通報するドイツ国民を連想してしまう。ちくり魔って基本、人の不幸が好きだから、只でも通報すると思うんですよね。なんでこの人たちが金銭の報酬まで受け取るのか?こういう人たちの持つ、あの薄暗いムードが本当に苦手です。
映画『バトルランナー』でも『ランニング・マン』でも、終盤に向かうに連れ、一般市民がリチャーズを応援するようになっていく。真の敵にようやく気づいたという感じでしょうか?
エドガー・ライト版『ランニング・マン』は、貧困層の視聴者がリチャーズにヒーローコールを送るシーンがエモーショナルに演出されていました。「リチャーズ・リブズ」と叫ぶ人々。壁には、スプレーでこの言葉が書かれ…。こうしたムーブメントが、衆人環視下の陰鬱なムードを吹っ飛ばしていく、それらが映像と音で伝わってくるのが痛快でした。
ランニングマンとバトルランナーのつながり
映画『バトルランナー』は、キングの原作小説から大胆に改変されています。よってエドガー・ライトの『ランニング・マン』は、1987年の『バトルランナー』のリメイクというよりは、キングの小説の2度目の映画化といったニュアンスに近いです。
とはいえ、ランニング・マンの劇中には、明らかに『バトルランナー』へのオマージュだとわかるシーンもありました。おっ!と思ったシーンを、以下でいくつか挙げていきます。
紙幣にシュワちゃんの顔が!
まぁ、これは公開前から話題になっていました。シュワちゃんが、この世界の100ドル紙幣の肖像になってるんですよね。1987年の『バトルランナー』でリチャーズを演じたアーノルド・シュワルツェネッガーに対するリスペクトが感じられました。
まずはグレン・パウエルが、シュワちゃんの息子パトリック経由でコンタクトを取ったらしい。そこからエドガー・ライト、シュワ、グレンがFacetimeでミーティングしたところ、紙幣のアイデアをシュワちゃんが快諾してくれたようです。
ランニングマンのスタートダッシュ
原作ではゲームのスタート時、リチャーズがキリアンに見送られ、静かにエレベーターを降りていき、そこから逃走開始となります。だから、ド派手な滑り台みたいなのはありません。
エドガー・ライト版で「ランニング・マン」がスタートするシーンは、ランナーたちがパイプの中を急降下。結構派手な演出でした。これは『バトルランナー』の地獄のスライダーへのオマージュだろうと思います。ソリのようなガジェットに拘束されたリチャーズが、わぁああああ~みたいな感じで滑り降りていく。このシーンがやけに長いです(´д`)でも、私はバトルランナーが大好き。
ここは原作よりもシュワちゃん版バトルランナーに似せたんだな、とニヤニヤしながら観ていました。
ストーカーとハンター
映画『バトルランナー』では、ランナーを追って公開処刑にする刺客を「ストーカー」と呼んでいました。一方で『ランニング・マン』では刺客が「ハンター」と呼ばれます。バトルランナーのストーカーは、ダイナモやサブゼロなど、ちょっと笑ってしまうような人たちばかり。エンタメ度が高く、1980年代のノリですね。
バトルランナーにも空港が登場する!
観た方はすでにご存知だと思いますが、バトルランナーにもリチャーズが若い女性アンバー・メンデスを囮に取るシーンがあるんです。原作に忠実ではないけど、一応似た感じのシーンが序盤に差し込まれています。バトルランナーもアンバーが、だんだんリチャーズに協力的になっていくので、そこは原作を意識した作りを感じました。
まとめ
この記事では映画『ランニング・マン』のあらすじ、キャスト、原作との違い、感想などについて書いていきました。
エドガー・ライト版『ランニング・マン』は、映画『バトルランナー』と比較しても、見劣りしない素晴らしい作品だと思います。まず、ニューヨークの町並み。電子広告板にずらりと並ぶリチャーズの顔写真が!これぞ観たかったディストピア。ただ実際に、こんな世界は地獄です。こんな世界は、映画の中だけで充分。世の中が悪くならないためにも、もっとディストピアを勉強していきたいです。
最後までお読みくださり、ありがとうございます!














