こんにちは。映画『ヴォイジャー』って個人的には、結構楽しめたのですが、そこまで注目されてないんですよね。そこでこの記事では、映画『ヴォイジャー』のここが面白い!と思ったところをご紹介していきます。
ヴォイジャーは、宇宙版蝿の王などと言われていて、確かにそうだなと思いました。だからある意味『蝿の王』を観た人なら楽しめるポイントがたくさん。ここ、同じだよね~とか、似てる~とかで照らし合わせながら、観てしまうでしょう。蠅の王は小説の他に、映画『蝿の王』もありますが、最近U-NEXTで配信が開始されたドラマ版『蠅の王』もジワジワ注目を集めています。
ドラマ版『蠅の王』の感想はこちらで書いています。
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本記事は映画『ヴォイジャー』の完全ネタバレ記事となります。『蠅の王』や『THX 1138』にも触れておりますので、未見の方はご注意ください!
- 映画【ヴォイジャー】の作品概要
- 映画【ヴォイジャー】の登場人物(キャスト)
- 映画【ヴォイジャー】のあらすじ(完全ネタバレ)
- 【ヴォイジャー】映画感想★完全ネタバレ
- 映画【ヴォイジャー】と蝿の王の類似点
- まとめ
映画【ヴォイジャー】の作品概要
原題:Voyagers/上映時間:107分/製作年:2021年
監督:ニール・バーガー
脚本:ニール・バーガー
出演:タイ・シェリダン、リリー=ローズ・デップ、フィン・ホワイトヘッド、コリン・ファレルほか
監督は、映画『ダイバージェント』や最強のふたりのリメイク版である『THE UPSIDE/最強のふたり』を手掛けたニール・バーガー。映画『レディ・プレイヤー1』の主人公パーシヴァル役のタイ・シェリダンが、本作でも、主役のクリストファーを演じています。ヒロイン役は、ジョニー・デップの娘リリー=ローズ・デップ。
映画【ヴォイジャー】の登場人物(キャスト)
映画『ヴォイジャー』には、宇宙船に乗り込んだ30人のティーンが登場します。人類が生き残るために選ばれた人たちなので、人種も様々。主な登場人物は以下の通りです。
クリストファー(演:タイ・シェリダン)
クリストファーは遺伝子操作で生まれた能力のある青年。リーダー格で人気があり落ち着いている。親代わりであるリチャードを慕っており、周囲からも信頼されている。ブルーを飲むのを止めてから、セラに恋心を抱くようになった。演じているのは、映画『レディ・プレイヤー1』のパーシヴァルでお馴染みのタイ・シェリダンです。
セラ(演:リリー=ローズ・デップ)
画像左の女性。遺伝子操作で生まれた女性の中でも特に賢く、真面目で宇宙船内の医療主任を担当している。クリストファーたちと同じ歳ぐらいの女の子なのに超しっかり者。リチャードを特に慕っており、特別な感情を抱いているようにも見えた。
演じているのは、モデル兼女優のリリー=ローズ・デップ。ジョニー・デップの娘です。母はヴァネッサ・パラディ。独特なオーラがある女性ですよね。クリストファーとザックが取り合いになるの、わかるわぁ。
ザック(演:フィン・ホワイトヘッド)
画像左の男性。皆と同じく、遺伝子組換えで生まれた青年。ハンサムだが悪知恵が働く。気が短くカッとなりやすい。自分勝手。最初は仲がよかったが、次第にリーダーであるクリストファーを妬むようになっていく。子供の頃は結構怖がりだった。
演じているのはフィン・ホワイトヘッド。ノーラン監督の『ダンケルク』のトミー役でしられています。
リチャード・アリング(演:コリン・ファレル)
宇宙船に旅立つ前から、ずっとクルーになる子供たちの教育係を担当していた男性。登場人物の中では、唯一自然出産で生まれた。本来は子供たちのみで飛ばす予定だった宇宙船に自ら志願して乗り込んだ。
演じているのはコリン・ファレルです。『アフター・ヤン』やザ・バ、『ロブスター』など出演作は多数。当ブログで紹介した、2012年版『トータル・リコール』も、コリン・ファレル出演ですね。↓
フィービー(演:シャンテ・アダムズ)
遺伝子操作で生まれたティーン。若者たちの中でも知的で、ルールを守るタイプ。ザック曰く「ブサイク女」で、たびたびザックと対立するようになる。蠅の王で言えば、ピギーのようなタイプ。
フィービーを演じているシャンテ・アダムズは、映画『きみに伝えたいこと』などに出演しています。観たことはないですが。ちょっと独特な雰囲気を持った方です。
カイ(演:アーチー・マデクウィ)
上の画像の中央で銃を構えているのがカイ。遺伝子操作で生まれた青年。最初はいいヤツに見えるが、あるときからいきなり凶暴化した。ザックとつるんでは、誰かを攻撃している印象。後になってすげぇヤバいヤツだったとわかる。
カイを演じているアーチー・マデクウィは、映画『グランツーリスモ』のヤン・マーデンボロー役で知られています。
映画【ヴォイジャー】のあらすじ(完全ネタバレ)
宇宙船ヒューマニタス号がいざ出発!
近未来では環境汚染がひどく、人類は滅亡の危機に追いやられていた。そんな時、科学者が新しく移住できそうな惑星を発見。しかしその惑星に行くためには、86年もかかる。そこで科学者たちは、遺伝子操作で生まれた優秀な子どもたちを隔離して育て、宇宙船ヒューマニタス号に乗せて目的地へ送り出した。
送り出した子供ら30名の孫の世代が、惑星へ到着できる見込みである。教育を担当したリチャードは、子どもたちを心配し、地球での生活を捨て同乗した。宇宙船に乗る唯一の大人である。
しかし子供らが年ごろになった時、リチャードが船外作業中に死亡。誠実な人柄のクリストファーが責任者として選ばれ、その場を仕切るようになるがやがて船内の秩序が崩壊しはじめる。
本能に目覚める若者たち
まずリチャードが死亡すると、皆毎日の日課とされていた「ブルー」という水を飲まなくなった。性欲などを抑える効果のあるブルーを飲まなくなったので、シップ内には開放的な空気が漂う。恋仲になってはふしだらにHするティーンたち。中には喧嘩をはじめる者もいた。クリストファーがリーダーになったことが気に入らないザックは、あの手この手でクリストファーに絡んだ。
がしかし、船内で不気味な音がすると全員の顔色が変わる。船内には、エイリアンがいるんじゃないか?という噂が立った。ザックとカイが「エイリアンがいた」という理由で、監視機器を粉々にした。
一方でクリストファーやセラは、あらかじめ抜いていた監視データを見て、リチャードが感電死した時の映像を確認。すると船内にいたザックとカイが、リチャードを感電死させたのだとわかる。
クリストファーは、この映像を食堂で全員に見せた。皆のザックを見る目が変わった。
リンチを煽るザック
リチャードの死因は事故ではない。ザックとカイが殺したのだとわかると、ザックは自身のやったことを認め、開き直った。ザックはリチャードにエイリアンが宿っていたから殺したんだと言って、皆を騙す。その上「クリストファーが、エイリアンの寄生したリチャードの遺体を船内に持ち込んだ」と嘘をつく。こうしてザックはクリストファーを悪者に仕立て上げた。さらにザックは「コイツの中にエイリアンがいる」と言ってリンチを煽り、1人の青年を殺させた。ザックがエイリアンの存在を信じていないのは明白である。
混沌とする中、もはや多くのティーンがザック側についており、クリストファー側にいたのはセラやフィービーなどごくごく一部のメンバーだった。これらの理性的な良識あるティーンは、仲間が1人殺されたことで泣いた。
ザックは医療室のメスをメンバーに持たせ、エイリアンを倒すぞとイキる。野蛮になっていくティーンたち。
クリストファーは、この宇宙船に武器庫があるとセラから教えてもらった。セラは、以前リチャードが武器庫について話していたと言う。クリストファーは武器庫の近くまで潜入するが、中へは入れなかった。
まずいことにザックたちにこのことを知られ、武器を丸ごと全て奪われてしまう。これによりまた3名ザック側に流れ、最終的には理性的なチームはクリストファーとセラとフィービーだけになる。
ザック敗北、セラがリーダーに
3人は多勢から追い詰められた。セラが誘惑すると見せかけてザックを殺そうとしたが失敗。フィービーが正しいことをしよう、などと皆に対話を持ちかけるが、それにイラッときたカイが撃った。フィービーはその場に倒れ、死亡した。
ザックの率いるティーンたちは、最終的には武器を片手に、クリストファーとセラを追い回すようになった。皆ザックが怖くて、歯向かうこともできない。
ザックはセラとクリストファーを追い回し、とことん追い詰める。最終的にはクリストファーとセラがザックを誘き寄せ、ハッチを開けてザックを宇宙空間へ放り出した。
2人は皆が集まる場所へ行き、ザックの死を報告する。すると、皆は素に戻り構えていた銃を下ろした。
次の選挙では、セラがリーダーに選ばれた。それからは、また平穏な日々が続く。セラの判断でブルーは飲まないことになった。セラとクリストファーの間には、子供が生まれた。それぞれに子供が出来、宇宙船内は賑やかになる。
地球を発ってから86年後、皆は宇宙船の窓から眼下に広がる目的の惑星を眺めた。老人も若い人も、皆が穏やかな表情で惑星を見つめていた。
【ヴォイジャー】映画感想★完全ネタバレ
映画『ヴォイジャー』の個人的に面白かった箇所をお伝えします。
THX 1138っぽい!ブルーという名の水
若者たちは、毎朝食事のときに「ブルー」という名の青い水を飲まされています。この水には性欲や興奮を抑える薬が入っていますが、皆はそれを知らずに飲んでいました。快楽を低下させる薬を与えるなんてひどい!
ある時、クリストファーとザックがこのことに気づき、ブルーを飲むのをやめます。もちろんリチャードには内緒です。2人は以前より生き生きと、毎日を楽しむようになりました。ある日ザックがセラという女性に欲情し、いきなりセラの胸を触りました。「何するんだ、こらぁ!」とブチキレるリチャード。
ブルーを飲まなくなったザックは、親密な関係に見えるリチャードとセラに嫉妬。リチャードが死んだのも、実はザックのせいでした。リチャードの死後は、ブルーの効能について噂が広まり、皆がブルーを飲まなくなってしまう展開に。ここは、ちょっとジョージ・ルーカスの初監督映画『THX 1138』を想起させられました。
『THX 1138』でも、主人公のTHX-1138とルームメイトのLUH-3417が支給される精神安定剤をこっそりとやめてしまい、どえらい展開になっていきます。『THX 1138』の世界では恋愛が禁止されています。映画『ヴォイジャー』でも、ティーンたちは異性との接触が禁止されていました。
若者がブルーを飲まなくなったら?
先述したとおり、ブルーには性欲を抑える薬が入っています。だから宇宙船の中に年頃の男女がわちゃわちゃいても、カップルはできず、誰も恋愛関係になってはいませんでした。食事のシーンなんかも、何が楽しいのか全くわかりませんでしたね。こんなこと、酷いじゃないですか?地球上では自然出産で生まれたティーンが好き放題やっているというのに!
ところがブルーを飲むのを止めからというもの、宇宙船は大パニックに。あっちでイチャイチャ、こっちでイチャイチャと皆がふしだらになり、宇宙船内の秩序が保たれなくなりました。
また男子勢は狂暴になり、あちこちで喧嘩が始まります。そんな仲間とワイワイやるクリストファー。しかしやがてクリストファーも、手に負えない状況になっていきます。この辺のシーンが結構おもしろい。
セラの決意と希望ある着地
『ヴォイジャー』の着地は映画『蝿の王』とはちょっと違い、希望溢れる結末になっています。『蝿の王』は、ある意味スカッとするような、でも考えさせられるようなラストシーンでしたが。
『ヴォイジャー』の終盤がいいのは、セラが「ブルーを飲まない」という方針を決める部分です。もしかしたら、また暴走するかもしれない。でもブルーを飲まなくても、人間の本質は善であり、理性的でいられるという希望を持っています。
これにより人工受精ではなく、ティーンたちが愛し合った人との子を持つことになりました。身勝手な大人達が決めた当初のシナリオに反し、ティーンたちが自然妊娠で子を産むようになってよかったです。もしかしたら、人工授精だった人もいるかもしれませんが、ブルーを飲まなくなった人たちが自然に恋愛関係になってそれぞれ子供を産むカップルが増えたんじゃないか?と思っています。
映画【ヴォイジャー】と蝿の王の類似点
映画『ヴォイジャー』が、蝿の王と似ているなと思った箇所を、いくつか挙げていきます。
隔離された場所で起こる出来事
『蠅の王』の舞台となるのは島。誰もいない無人島という、外部から隔絶された場所で、人生経験の少ない子供たちがサバイバルしていくうちに、本能がむき出しになっていくという話でした。一方、映画『ヴォイジャー』の舞台になっているのは宇宙船。他の人類のいない宇宙で、未熟なティーンたちが暴れまくります。
いずれにしても、客観的視点を持つ第三者がいない場所で繰り広げられる分断やリンチは恐ろしいです。人間が持つ本質的な悪の部分に焦点当てられており、かなりの胸糞展開が続きました。
唯一の大人が死亡または行方不明
映画『蝿の王』では、機長が重傷を負っていました。その後機長は姿を消します。一方でヴォイジャーでは、ザックの計らいによってリチャードが死亡してしまいました。大人が不在となることで、コミュニティ内の不良が暴れ、秩序が崩壊していきます。
リーダーを投票で決める
大人不在となったとき、この中でリーダーを決めようという話になります。映画『蝿の王』ではラルフ、『ヴォイジャー』ではクリストファーが選ばれました。いずれも理性的で真面目な性格。ところが両作品とも、イキリ系不良リーダーみたいなジャックやザックに権力を奪われていきます。
映画『ヴォイジャー』では、挙手ではなく網膜認証のようなハイテク技術を使って、投票していくのも面白いなと思いました。
化け物が出たという噂(デマ)
『蠅の王』のラルフや『ヴォイジャー』のクリストファーが支持されなくなっていく理由として、ケモノやエイリアンという恐怖の生き物に関するデマが流れるあたりが非常によく似ています。
映画やドラマの『蝿の王』では、洞窟の中や岩山の上でケモノを見たという少年が出てきて、その噂が子供たちを脅かします。子供らは恐怖心から、不良少年ジャックの言いなりになっていきました。ヴォイジャーでも、エイリアンがいるという話になります。言い出したのはザック。ザックは自分の罪を隠すために、エイリアンをでっち上げて、クリストファーを悪者に仕立て上げました。
理性的チームと本能むき出しチームの分断
『蝿の王』ではラルフが率いる知的な子供集団と、ジャックが率いる野生的な子供集団が対立します。『ヴォイジャー』ではクリストファーが率いる聡明な若者と、ザックが率いる野蛮な連中に分離。
いずれも通常の常識が崩れていく過程が、段階的に綿密に描かれています。どんどん不良が増えていくので怖いです。
食べ物をふるまうジャックとザック
『蝿の王』ではジャックが狩猟隊を作って、豚を捕獲し皆にふるまいました。『ヴォイジャー』では、ザックが食糧室の食料を決められた量以上に出し、さも自分が食事をふるまったようなそぶりを見せます。これ明らかに蠅の王を意識してるでしょ。ジャックもザックも、食べ物を押さえることで、周囲からの人気を獲得しました。
船の修理を重要視するクリストファーと、食料を重要視するザックの対立も、まんま蠅の王と同じ構図ですです。
まとめ
この記事では、ヴォイジャーのあらすじやキャスト、『蠅の王』との類似点について、考察していきました。実は、私の好きなサン・カンさんも出演する映画『ファイナル・ゲーム』も蠅の王っぽいんです。こっちは大人版『蠅の王』という感じです。またいつか、これもご紹介したい。最後までお読みくださり、ありがとうございます!









