アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

【A24で要注目の大ヒット新作】映画『Backrooms(バックルーム)』の鑑賞前に観るべきか?伝説のYouTube短編レビューとリミナルスペースの考察

A24の新作映画『Backrooms』の日本公開が決定しました。公開日など具体的な詳細は、まだわかっていません。全米では大ヒットしているようです。

 

わずか20歳の監督ケイン・パーソンズは、以前に『Backrooms(バックルーム)』というyoutubeシリーズを手掛けています。これ、結構前に観たんですよね。面白い作品だなぁって思っていて…。とにかくオシャレなんです。あの動画を観て、ピンとこない人がいるだろうか、という感じでした。

 

今回の記事は、youtube版『Backrooms』の概要やバックルームを語る上で欠かせないリミナルスペースについて、そしてyoutube版&最新映画『Backrooms』の監督を務めたケイン・パーソンズについて書いていきたいと思います。

 

映画『Backrooms』の画像

画像引用:バックルームズ(原題) : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 

この記事は、ケイン・パーソンズのyoutubeシリーズ『Backrooms』に深く触れています。これから日本でも公開されるであろう新作『Backrooms』のネタバレになる可能性もありますので、まっさらな状態で新作映画を楽しみたい方はネタバレにご注意ください!またリミナルスペースの関連作品として、『シャイニング』、『ビバリウム』、『8番出口』、『ランゴリアーズ』の内容に触れる場合もございます。未見の方はご注意ください!

 

【Backrooms】の最初の元ネタはネットの都市伝説

きっかけになったのは、4chanに投稿された1枚の画像。2019年に匿名のユーザーがこの部屋を「The Backrooms」だと後述する投稿したことが、他のユーザーのインスピレーションとなって二次創作が生まれたようです。画像には、ぼんやりとした黄色い壁紙の部屋が写し出されていて、これが現実世界の境界の外にあるバックルームだという都市伝説となります。

 

この話を動画にしたのがケイン・パーソンズのyoutubeシリーズ『Backrooms(バックルーム)』。ケインは元々あった都市伝説をインスピレーションに動画を作り、バズらせたという感じでしょうか。

 

後に元ネタになった最初の画像が、たぶん家具屋であったということが判明。劇場版『Backrooms』の舞台となるのも、家具屋の地下らしいです。さらに物語の主人公は、家具屋のオーナーなんです。元々あったネット文化への、リスペクトが感じられます。

 

YouTubeシリーズ『Backrooms』のレビュー:なぜ世界は熱狂したのか?

まず本作ですが、こちらのyoutubeで観れます。1エピソード目の『Found Footage』が有名ですが、全部で24エピソードまであるんです。

追記:全部で25エピソードありました。すみません。

youtu.be

9分ぐらいの動画。短編映画を撮影していた男性が、バックルームに迷い込む話です。ファウンド・フッテージの手法で撮影されているため、本当にバックルームなる謎の空間があるんじゃないか?と思わせてくるような感じでした。ふとした瞬間に、自分もここに入って出られなくなったらどうしよう、みたいな恐怖に襲われる。1エピソードづつ見続けると、じわりじわりくる感じです。

 

24エピソードのうち、3エピソードが迷い込んでおそらく行方不明になった被害者の記録映像。タイトルに「Found Footage」と入っているので、すぐにわかります

 

Found Footage
Found Footage #2
Found Footage #3

 

動画を撮影している主人公は、歩いても歩いても人が見当たらないので「Hallo!」とか一生懸命呼び掛けて、仲間を探しているんです。で、ようやく壁の落書きを見て、なんだ人いるじゃん!って安心した矢先に...。という話です。

 

そして残りのエピソードは、このバックルームとの境界を貫通させてしまったAsync研究所にまつわる話です。ざっくり言ってしまえば、この『Found Footage』以前に研究員たちが数名で、ここに入っていたというね…。あの空間へ通じる門は、Async研究所に作られたものだったということがわかります。黄色い防護服とかを着た人が入っていって、迷子にならないように赤い紐(ライン)を引いていくんです。そういうエピソードが、時系列バラバラで、入っています。

 

私にとっては『Found Footage』よりも、この研究員たちのエピソードが面白く感じられました。なんというか、プライマーとかそういうノリですかね。現場感が凄い。ピカピカした輝かしいところがないのに、惹き付けられるような。ただ『Backrooms』はリミナルスペースなど、美的空間を意識した作りだと思います。

 

この「Found Footage」以外の21エピソードには、隠しエピソード(非公開動画)もあって、なかなかの凝った作りになっています。隠しエピソードは、1つ前の動画の概要欄にリンクが貼ってあり、そこから観ることができます。

 

無人の黄色い部屋の怖さ|現代ホラーを揺るがすリミナルスペースの美学

ここからは、誰もいな~いのになぜか気になる、あの空間について考えてみます。

建築分野でのリミナルスペース

「リミナルスペース」
この聞いただけでワクワクするような言葉は、なんでしょうか?元々建築分野では廊下、階段、エレベーター、待合室、ロビー、空港、駐車場、高速道路の休憩所など通過が本来の目的である場所を、こう呼んでいるようです。

 

皮肉にも、というか奇遇にも、学校の廊下や駅や空港、高速道路の休憩所というのは、通過するだけの場所のはずですが、人々が積極的に行きたがるある種のコミュニティ形成のきっかけとなる場所でもあってそこが不思議だなと思いました。

 

学校の廊下や駅のホームに、特別な思い出を持っている人は少なくないはずです。私はエレベーター前のちょっとした休憩スペースとか、空港やホテルのロビーとか、単なる通路とかが昔から異常に好きなんで、こういう話には敏感なんです。あの場所に何かがある、ってずっと思っていました。またこの話に共感できる人も、案外多いんじゃないかと思います。ただ飲食店やショップ、書店など目的を持って行く場所じゃないんで、いそいそとそこへ行くのは恥ずかしいような感じなんですよね。

 

シネコンで言えば、チケットをスキャンしてから各スクリーンに入る前の、あの通路の部分です。私はあの場所にいる時間が、いつもちょっと短い気がしてるんですよね。もっといたいけど、ずっと長くはいられないような。

 

まぁ本来はこういう場所を、リミナル・スペースと呼んでいたという話です。そして昨今のネットミームとしてのリミナルスペースは、これらの空間から一気に人が引いたような不気味な場所を指していることが多いです。

 

ネットミームとしてのリミナルスペース

昨今では、誰もいない廊下やホテル、ガソリンスタンドなど、不気味でありながら心を惹き付けられるような場所などがリミナルスペースと言われます。ごくごく日常的な場所が、非日常的に見える瞬間を捉えた画像なんかです。これらは以前からちょくちょく一部の人々から注目されていたんですね。

 

そしてちょうど4chan発祥で「The Backrooms」のミームが都市伝説として二次創作が流行った後、2020年3月にリミナルスペース的な画像の人気も上昇。新型コロナウイルスによるロックダウンが開始された時期です。インターネット上では既に人気を得ていたようですね。

 

そしてこの話を大きくしたのがケイン・パーソンズのyoutubeシリーズ『 Backrooms』。だからケインがはじめたわけではないってことらしい。ただより多くの人に拡散したのは、ケインだったという感じです。

 

Twitter上の「Liminal Space」というアカウントでは、誰もいない廊下やガソリンスタンド、駐車場などの不気味ながら美しい景色を見ることができます。

 

等間隔・同じ形・同じパターンが続く傾向

同じ形のイスだけが大量にずらりと並んでいたり、向き合わせた配置だったりするのですが、人が不在。こういう不気味な画像が、よくあります。

 

あと個人的に好きなのは、無機質な事務用品棚が、ダダダダダって並んでいるヤツ。色もグレーとかで地味めのものなんですけど。ケイン・パーソンズのyoutube『Backrooms』でもありました。こういうのを見るときの気分は、エイリアン・シリーズやSWとかのコンテナのデザインを見る時のワクワク感に近いです。

 

『Backrooms』では、だだっ広い部屋に柱だけが等間隔に配置されていたりします。廊下も、やたらと長い。この廊下の側面のドアが等間隔に並んでいて、ちょっと気持ちがいいんです。でも不気味だし、人間不在で虚しいという印象。

 

そして誰もいない廊下と言えば『シャイニング』です。

三輪車を走らせるダニーの画像

画像引用:スタンリー・キューブリック公式facebook

 

シャイニングは、リミナルスペースの関連作品として挙げられることも多いです。三輪車に乗ったダニーが廊下を徘徊するシーンには、不気味さと美しさが共存しています。このシーンが、ほんと好き。同じパターンのカーペットが印象的ですね。

 

8番出口やビバリウムなどリミナルスペースの関連作品

 8番出口

8番出口

リミナルスペースの関連作品と言えば、昨年話題になったばかりの映画『8番出口』です。

 

日本ではこっちのほうが人気かもしれない。元ネタのゲームが映画化されたものですが、これもネット都市伝説や「リミナルスペース」の影響を受けていることでしょう。映画『8番出口』はエンドロールも印象的です。

 

 ビバリウム

ビバリウム(字幕版)

『ビバリウム』は、あるカップルが同じ形の家が並ぶ住宅街から抜け出せなくなるという話です。

 

どこまで行っても延々と同じ家が並んでいて、そこ(ヨンダー)から出ることができない、という恐怖があります。一見パステルグリーンの家はきれいなんですが、規則的な配置がいき過ぎていて、ここまでくると気持ち悪いというレベルでした。

 

 ランゴリアーズ

スティーブン・キングのランゴリアーズ [DVD]

スティーブン・キングの小説が映画化された『ランゴリアーズ』は、飛行機の乗客が突発的に、数分前の過去の世界へ行ってしまったというもの。

 

生き残った10名は、誰もいない機内・空港で右往左往しながら脱出を試みるという内容。この10名の登場人物のキャラが、みんなそれぞれ濃いんですよ。この世界では、過去が次々消去されるという観念で描かれているのが面白いです。それにしても、ガランとした空港は観ていても本当に虚しい。そこに、突如ヤツが現れるのでね(笑)

 

誰もいない場所から抜け出せないという怖さ

youtubeシリーズ『Backrooms』には、エンティティも出現しますが、別にアイツがいなくても充分怖いと思います。どの方角に歩いても、延々と続く部屋、部屋、部屋。廊下もありますが、やたらと長くて気が遠くなります。合わせ鏡を見た時の、ゾッとする感覚に近い。

 

ようやく出口の標識を見つけ、扉を開けるとまたそこに部屋があって、途方に暮れるというね。いつまでたっても屋外に出ることができませんから。

 

こういうのをずっと見ていると、だんだん「もしも迷い込んだらどうしよう…」みたいな、本当にこういう空間がどこかにあるんじゃないか?って怖くなってしまいます。トイレから手が出る怪談物を見た後、トイレに行けないのと同じ心理が働くような。だからそこはやっぱりホラー。『8番出口』なんかもそうなんですが、もしも本当に起こったらどうしよう、という恐怖はこっちのほうが強い気がします。

 

まだ屋内...。まだ屋内...。そんな状況が続けば、インドア派の私だってさすがに息が詰まる。ケイン・パーソンズはバックルームに閉じ込められない方法について「どんな建物にも入らないで、ずっと外にいればいい」と言っているようですが、そんなの無理すぎるでしょ。

 

【Backrooms(バックルーム)】わずか20歳の映画監督!天才ケイン・パーソンズとは?

この人はお父さんがビデオゲームの開発者なんですよね。だからかはわかりませんが、ゲームっぽい絵作りの作品が多いです。

 

まぁわずか20歳で、映画監督デビューできたというのは凄い。どんだけ若いのよ。この方が生まれたのが2005年ということで、あの頃かーと既に社会人だった自分を遠い目で思い出すのでした。

 

ケインがこれまでに作ってきた短編映画やWebシリーズはいろいろありますが、大抵はyoutubeで観ることができます。ケイン・ピクセルズ(kane pixels)という別名でアカウントがあるので、そちらを検索してみてください。以下のリンクがケイン・ピクセルズのアカウントです。

 

youtu.be

そして、私のお気に入りの短編映画

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youtu.be

 

この猿がね。キューブリックを意識してるんじゃないかな?と思う部分がありました。棒をもっていたりして『2001年宇宙の旅』っぽいです。『Backrooms』でAsync研究所の職員が着る装備も、防護服にヘルメット姿で、宇宙服を想起させられるんですよね。ホラーというよりは、SFですね。

他にもSFのショート作品がありました。

 

長編映画【Backrooms(バックルーム)】の予告編から期待できること

予告編を観る限り、Webシリーズとの繋がりを感じました。

公式予告はこちらです ↓ ↓ ↓

youtu.be

特に黄色い防護服を着た人と黄緑色の防護服を着た人が、揉めてるシーンが気になります。映るのはほんの一瞬ですが。黄色い防護服を着た人はAsync研究所の人なんじゃないかな、とか思ったり。ということは、研究施設のエピソードも、絡んでくるということ?とか、ついつい想像してしまいます。

 

黄緑の防護服を着た人は、Webシリーズのピーターという研究員じゃないか?という噂もありまして。ピーターはWebシリーズで、とんでもない目に合ってる人なんです(笑)。そうすると、謎解き要素も入ってくるんじゃないかと、勝手に期待しています。

 

まとめ

この記事では今後日本でも公開予定の最新映画『Backrooms(バックルーム)』の予習として、同監督が手掛けたyoutubeのWebシリーズ『Backrooms』をご紹介しました。また『Backrooms』のああいう空間は何?って疑問に思われた方のために「リミナルスペース」についても、言及しています。

 

『Backrooms』は単なる都市伝説から生まれたホラー(まぁそれでも充分面白い)ではなく、案外SF的な楽しみ方もできる作品ではあるまいか?というのが私の予想です。最新映画を観るのが楽しみですね。最後までお読みくださり、ありがとうございます!

 

 

【ミスト】ほか★映画の中の集団心理(リンチ・パニック・ヒステリー編)10選

人を叩ける大義名分があれば、たやすく人を叩く。人はパニック状態に陥ったとき、なぜこんな悲しい行動に走るのか?そのことを思ったとき、自分も同じようにならないように、映画を観て考察を深めておこうと思いました。昨今は、ごくごく普通の人々の弱者・マイノリティ叩きがエスカレートしていておそろしい。確実に悪意があってやってる人もいますが、ただ何となく流されちゃう輩の集団心理が気になるんですよね。

 

ですからそういうのを描いた映画ばかり、10作品集めてみました。うわぁぁぁぁ!うぉぉぉぉーってなる、超胸糞展開の作品ばっかですが、私の場合、恐怖が可視化されると腹の奥底がスッとするんです。皆さんもよかったら、観てみてくださいね!

 

※作品の前になんとなく番号をふっていますが、面白い順というわけではありませんのでご了承ください。また以下の各作品全て、適度にネタバレしています。ご注意ください!

1.ミスト

原題:The Mist/上映時間:125分/製作年:2007年

ミスト コレクターズ・エディション [DVD]

監督:フランク・ダラボン

脚本:フランク・ダラボン

制作:スティーヴン・キング

出演:トーマス・ジェーン、ローリー・ホールデン、ネイサン・ギャンブル、トビー・ジョーンズ、マーシャ・ゲイ・ハーデンほか

 映画【ミスト】の作品概要

スティーヴン・キングの中編小説(とあるが、ほぼ長編。長い)『霧』をフランク・ダラボンが映画化。フランク・ダラボンはミスト以前にも、映画『ショーシャンクの空に』や『グリーンマイル』で、キングの小説を映画化しています。ただしラストのオチだけは、ダラボンによって新たに付け加えられました

 ざっくりあらすじ(序盤)

平和な田舎町を激しい嵐が、襲った。翌朝、町の住民デヴィッドは、8歳の息子を連れて、買い出しのためスーパーマーケットへ向かう。しかし突如そのスーパーが、霧に包まれ、霧の中には謎の生き物がいて危険だという噂が立った。

外に出れなくなったスーパー内の人々はパニック状態に陥り、次第に正気を失っていくが...。

 感想、おすすめポイントや見どころなど(ややネタバレ)

田舎町のごく普通の住民が、恐怖によって極限のところまで追い詰められた結果、あれよあれよといううちに、宗教ばばぁの言いなりになっていく話です。洗脳されていく町の人を見ているのがとても辛い。

 

細かいレビューはこちらに書いています。

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analogchan.hatenablog.jp

 

2.逃亡地帯

原題:The Chase/上映時間:133分/製作年:1966年

逃亡地帯

監督:アーサー・ペン

原作:ホートン・フート

脚色:リリアン・ヘルマン

出演:マーロン・ブランド、ジェーン・フォンダ、ロバート・レッドフォードほか

 映画【逃亡地帯】の作品概要

アーサー・ペン監督が映画『俺たちに明日はない』の前に撮った作品です。アメリカン・ニューシネマの直前に生まれた、アメリカン・ニューシネマっぽい作風。隠れざる名作。

 ざっくりあらすじ(序盤)

舞台はテキサスの田舎町タール。石油でひと山当て億万長者になったヴァルが、その町を支配していた。タールが故郷で服役中だった若者ババーは、凶悪な男と一緒に脱獄してしまう。凶悪な男は逃亡中にセールスマンを殺害し、車を奪って逃走。残されたババーは、自分に殺人容疑がかけられるのを恐れた。

ヴァルの息子ジェイクは、ババーの妻であるアンナと内緒で付き合っている。

その日町では、ヴァルの誕生パーティーやら夫婦交換パーティやらをやっていた。ベロベロに酔った人たちが、ピストルを撃つフリをしてふざけている。そんな中ババーの脱獄&殺人容疑の噂が流れるが...。

 感想、おすすめポイントや見どころなど

この映画の序盤から中盤にかけては、やや冗長で退屈に感じられるかもしれません。町の人たちの乱痴気騒ぎが延々と続き、登場人物の置かれた立場や人間関係がわかるでしょう。この大人たちが不真面目で、ホントけしからんくて、ティーンエイジャーが向かいでパーティーをやっていても、注意すらしない。お、やってるねーみたいな感じでご機嫌なんです。

 

そして、こんなイカれた連中が、ババーのニュースを聞いた後どうなるか?という話です。

 

終盤にそこいくかー!!!みたいな意外な展開があって、めちゃくちゃ面白いです。起こっていることは超胸糞なんですが。調子こいた連中がいよいよぶっ壊れていき、映画自体はバッドエンド。そしてマーロン・ブランドが演じるカルダー保安官がかわいそうでした(泣)

でも昨今のような不安を抱えた時代に観ると、心の奥底にあるモヤモヤが具象化されるせいか、なぜかスカッとします。考えの足りないごく普通の人たちが、集団パニック状態になり豹変するまでの時間は、あっという間。ほらね、何かやらかすと思ったよ、みたいな感じです。

 

3.蝿の王

原題:Lord of The Flies/上映時間:90分/製作年:1989年

蝿の王

監督:ハリー・フック

脚本:サラ・シフ

原作:ウィリアム・ゴールディング

出演:バルサザール・ゲティ、クリス・フュール、ダニュエル・ピポリー、バジェット・デール、ゲイリー・ルール、マイケル・グリーンほか

 作品概要

後にノーベル賞作家となったウィリアム・ゴールディングの小説『蠅の王』を映画化。監督はハリー・フックです。ピーター・ブルック監督の1963年版もありますが、こちらは劇場未公開で、配信サービスでもなかなか観れません。蠅の王は今年(2026年)にドラマ版も出来て、配信が開始されました。

ドラマ版の感想は、以下の記事で書いております。

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analogchan.hatenablog.jp

 

 ざっくりあらすじ(序盤)

第二次世界大戦中、アメリカ陸軍幼年学校の生徒を乗せた飛行機が墜落し、24名の少年たちが無人島に漂流する。唯一の大人である機長は、重傷で意識不明だった。

秩序を重んじる優等生タイプのラルフが選ばれ、子供たちのリーダーとなる。ラルフと親しい知恵者のピギーが、リーダーを補佐した。

がしかし、一部の子供が島の洞窟で化け物と遭遇したと言い出す。恐怖心でいっぱいになった少年たちは、不良少年ジャックの言いなりになっていった。こうしてラルフとジャックのチームが対立し仲違いを起こす。次第にジャックたちの行動は、狂気じみたものへと変わっていった。

 感想、おすすめポイントや見どころなど

無人島で理性を失った少年たちが、本能剥き出しでいじめ、リンチに加担するまでを描いています。

最初は誰もがラルフを支持していたのに、状況が厳しくなるにつれ、根気よく頑張れない子供が増えていき、暴力的かつ快楽的なジャックのほうに着いて行く。そこが恐ろしいです。

ラルフはルーム委員タイプ。ジャックはカリスマ性があり、モテそうな不良少年。

ラルフの考えは、必ず大人が迎えに来るから、それまでは皆で協力しておとなしく生き延びようというもの。それに対してジャックは、途中から「救助なんて来ない」と傍若無人になり、目先の快楽を優先します。1人、また1人と脱落しジャックの仲間が増えていき、だんだん強気になっていく不良チーム

どんな時も悪いヤツは悪い。でもごくごく普通のおとなしそうな子供が、その場の空気に飲まれて弱い者いじめをはじめてしまう。そこが恐ろしいです。

 

4.クルーシブル

原題:The Crucible/上映時間:126分/製作年:1996年

クルーシブル (字幕版)

監督:ニコラス・ハイトナー

原作:アーサー・ミラー(戯曲)

出演:ダニエル・デイ=ルイス、ウィノナ・ライダー、ポール・スコフィールド、ジョアン・アレンほか

 作品概要

アーサー・ミラーの戯曲『るつぼ』の2度目の映画化。『るつぼ』は、イギリス植民地時代のアメリカで1692年に起こったセイラム魔女裁判を風刺的に描いたヒューマンドラマです。魔女認定された人が、次々と牢に繋がれていくのが理不尽すぎる。

監督はイギリスの映画監督や演出家、プロデューサーなどでしられるニコラス・ハイトナー。ウィノナ・ライダーの狂人めいた演技が見ものです。

 ざっくりあらすじ(ネタバレあり)

時は1692年。マサチューセッツ州セイラムのジョン・プロクターは、生真面目でそっけないエリザベスと冷え冷えした生活を送っていた。原因はジョンの方にある。ジョンはかつてメイドであったアビゲイルに手を出してしまったのだ。これを知ったエリザベスがアビゲイルを解雇したので、アビゲイルはエリザベスに恨みを持っていた。

 

アビゲイルは、牧師で叔父のパリスの元で暮らしていた。そんなある日、アビゲイルをはじめとする村の娘たちが恋の魔法をかける儀式のダンスを森で行う。アビゲイルはエリザベスに呪いをかけるため、鶏の血を飲んでトランス状態だった。それを通りがかりのパリスに目撃されてしまう。

 

この騒ぎでなんと幼い少女2名が気を失い、意識が戻らず眠り続ける事態へと発展した。そもそも踊りが禁止なので、パリスは激怒。そのうちに、これは悪魔の仕業だという話になった。アビゲイルは咄嗟に、儀式の中心人物だったティチュバのせいにしたが、次第にエリザベスや村の人々を巻き込んでいく。アビゲイルに扇動された他の娘たちは、集団ヒステリー状態となり...。

 

 感想、おすすめポイントや見どころなど(ネタバレあり)

いや、もうね、ホントわけわかんないですよ。医療が発達してないせいか、少女が目を覚まさないとかの理由で魔女の専門家を招いたり、判事たちが村にやって来たりして大騒ぎになっている。そしてアビゲイルが率いる少女たちが保身のために、罪のない村人たちを次々と「あいつは魔女だ!」みたいに言ってでっち上げていくというね。少女たちは、アビゲイルが煽動すると、馬鹿の1つ覚えみたいにギャーギャーと集団ヒステリーを繰り返すんです。

 

悪魔に対する恐怖で、村の大人たちもパニック状態に。実際に悪いことをしたかどうかなんか関係なく、悪者のレッテルを貼られてしまうとこうなるんだな、という怖さがありました。判事らも疑うことを知らず、何でそんなに頭悪いんか?という感じです。これが実話ベースというね。魔女狩りのターゲットって、女性だけではないんですよね。善良であるが、ストイックなモラルによって抑圧された人たちの恐ろしいことよ。むしろ適度にストレスを発散し、不真面目でいてほしいものです。

 

 

5.ファイナル・ゲーム

原題:Eden/上映時間:97分/製作年:2014年

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監督:シャム・マディラジュ

脚本:マーク・マヴロタラシティス

原案:ネイト・パーカー

出演:ネイト・パーカー、イーサン・ペック、サン・カン、ディエゴ・ボネータ、ユージン・サイモン、ジェシカ・ロウンズほか

 映画【ファイナル・ゲーム】の作品概要

ウィリアム・ゴールディングの『蝿の王』からインスピレーションを得て作られたであろうサバイバル・スリラー。ある意味では、大人版の『蝿の王』といえるでしょう。製作にはジャウマ・コレット=セラの名が!

 ざっくりあらすじ(ネタバレあり)

ワールドカップで優勝したアメリカのサッカーチームが、ワイワイ・ウキウキしながら帰国していると、途中で飛行機が墜落

 

サッカーチーム一同は無人島に漂流したが、怪我人も出てしまった。そんな中懸命に怪我人の看病をするコニー。がしかし、コニーが頑張る傍らで、メンバーが食料の話などで揉めはじめる。弱っている怪我人に、水を与えるかどうかで意見が対立した。

 

そんなメンバーの様子を見て絶望したコニーは、海に身投げしてしまうが...。

 感想、おすすめポイントや見どころなど(ネタバレあり)

蠅の王からインスピレーションを得つつ蠅の王と違うのは、大人の男女が島に漂流しちゃってること。女性は、2人しかいないんですよね。

本作は今時点では、配信では観れません。まぁ、私はサン・カンさんが出演しているので、DVD買いましたが...。

 

ファイナル・ゲームのDVDパッケージの画像

 

サン・カンさんが演じるコニーは、コーチじゃなくてチームドクターみたいな役職なんです。日頃は選手の体調を管理したり、捻挫した人とかのケアをしてる方ですかね。だからこういう状況でも、専門知識があって幾分怪我人の手当てとかができる。優しい性格で『蠅の王』で言えば、サイモンみたいなキャラクターかもしれません。周囲がガヤガヤ揉めている間も、辛抱強く自分の使命を果たしていくんですがね...。

 

一方相変わらず浜辺でサッカーして遊んでる連中もいて、試合はもう終わったんだぞ!って思いました。いやいや俺たちはサッカーするのが仕事だから、という感じで危機感ゼロ。

 

誠実なキャプテンのスリムと利己的な副キャプテンとの対立がみどころで、そこが『蠅の王』っぽい。助けを待つ派のスリムは、ラルフを連想させられますね。『ファイナル・ゲーム』に関しては、いつかまた記事を書いていきたいです。

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6.ヴォイジャー

原題:Voyagers/上映時間:107分/製作年:2021年

ヴォイジャー(字幕版)

監督:ニール・バーガー

脚本:ニール・バーガー

出演:タイ・シェリダン、リリー=ローズ・デップ、フィン・ホワイトヘッド、コリン・ファレルほか

 映画【ヴォイジャー】の作品概要

蠅の王、蠅の王、うるせえよ、と思われるかもしれませんが、こちらは宇宙版『蝿の王』のような印象の作品。蝿の王を観ている方なら、あっ似てるなと思うはずです。監督は、映画『ダイバージェント』や最強のふたりのリメイク版である『THE UPSIDE/最強のふたり』を手掛けたニール・バーガー。

 ざっくりあらすじ(序盤)

自然破壊で、人類が滅亡の危機まで追いやられた近未来。移住可能な惑星を見つけた科学者たちは、人工授精で生まれた出来の良い子どもたちを教育し、宇宙船ヒューマニタス号に乗せて目的地へ送った。

惑星に行くには86年もかかるため、その子供たち30名の孫たちの世代が、見つけた星に入植できる予定である。宇宙船に乗る大人はリチャードだけ。リチャードは子供たちが幼い頃から教育を担当した人物で、地球の暮らしを捨てて同乗した。

しかし子供たちはティーンなった時、なんと船外作業をしていたリチャードが死亡してしまう。そこでリーダーを決めなきゃ!となり、真面目でしっかり者のクリストファーが選ばれた。しかしあるきっかけから、これまでの秩序が壊れていき...。

 感想、おすすめポイントや見どころなど

子どもたちは快楽や性欲を抑える薬の入った「ブルー」といわれる青いの水を飲まされていて、そこはTHX-1138っぽいです。序盤に知恵のあるクリストファーとザックは、薬の作用に気づき飲むのを止めていました。

リチャードの死後は、皆がブルーを飲まなくなり、本能むき出しになって性行為を楽しんだり、暴飲暴食に走ります。あっちでいちゃいちゃ。こっちでいちゃいちゃ。喧嘩もはじまります。

 

THX-1138似の部分以外は、かなり蝿の王をなぞったようなイメージ。最初はクリストファー・サイドにいた人々が、エイリアンに怯えザックの方へ流れていく。こいつにエイリアンが憑いている、などと言って皆を扇動していくのが恐ろしいです。

『ヴォイジャー』の詳しい感想・考察は以下のリンク先からお読みいただけます!

↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓

analogchan.hatenablog.jp

 

7.サクラメント 死の楽園

原題:The Sacrament/上映時間:99分/製作年:2013年

「サクラメント 死の楽園」のポスター画像

画像引用:サクラメント 死の楽園 : ポスター画像 - 映画.com

監督:タイ・ウェスト
脚本:タイ・ウェスト
製作:イーライ・ロス

出演:ジョー・スワンバーグ、AJ・ボーウェン、ケンタッカー・オードリー、エイミー・サイメッツ、ジーン・ジョーンズほか

 

 映画【サクラメント 死の楽園】の作品概要

1978年、人民寺院のジョーンズタウンで起こった集団自殺事件を基に作られた、モキュメンタリー作品。監督はX エックス、Pearl パール、MaXXXine マキシーンの監督・脚本・製作・編集でしられるタイ・ウェスト。製作にはイーライ・ロスの名が入っています。

 ざっくりあらすじ(序盤)

フリーカメラマンのパトリックは、更生サークルに入った妹から妙な手紙を受けとる。妹は以前ドラッグ中毒だったが、今は国外の「エデン教区」という所で、静かに暮らしているようなのだ。そこで突撃潜入取材という独自のスタイルで取材を続けるNYの国際的なメディア会社VICEに相談し、VICEのサムやジェイクと共に「エデン教区」なる共同体へ向かった。

その共同体では、様々な人種の人が笑顔で暮らしていた。インターネットなどの情報を拒絶し、質素な暮らしを楽しんでいる。パトリックの妹キャロラインは、兄から見れば以前より調子が良さそうに見えた。が、サムやジェイクはインタビューで会った「エデン教区」のリーダーに違和感を覚える。彼は皆から「お父様」と呼ばれていた。口のきけない少女から、あるメモを受け取ったサムは顔色を変えるが...。

 感想、おすすめポイントや見どころなど(ややネタバレ)

序盤から中盤まではやや冗長に感じられました。そこはグッと堪えて観ていただきたいです。口のきけない少女が、メモ書きで助けを求めてくるあたりからがヤバい。

エデン教区に住む人々は大抵洗脳されていて、ここが一番いいと思っているのですが、中には逃げたい人たちもいてパニック状態になっていきます。サムたちが乗って来たヘリに乗せろ!とか大勢でめちゃくちゃなことを言い出したりして、うぁヤバいってなる。そしてサムたちが来たことで、お父様が警戒してある行動に出てしまいます...。

これと類似した事件が、実際に起こっていたらしいです。心底恐ろしい。モキュメンタリー形式の表現なので、なおさらリアルに感じられました。

 

8.ソフト/クワイエット

原題:Soft & Quiet/上映時間:92分/製作年:2022年

ソフト/クワイエット

監督:ベス・デ・アラウージョ
脚本:ベス・デ・アラウージョ
出演:ステファニー・エステス、オリヴィア・ルッカルディ、エレノア・ピエンタ、ダナ・ミリキャン、メリッサ・パウロ、シシー・リーほか

 映画【ソフト/クワイエット】の作品概要

『ゲット・アウト』などで著名なブラムハウスが手がけた、スリラー映画です。メガホンを取ったベス・デ・アラウージョ監督は、南アメリカとアジアにルーツを持つ女性

ヘイトクライムを題材に、狂った白人至上主義者たちの精神が崩壊し、取り返しのつかないところまでいってしまう様が、ほぼワンショットで描かれます。俳優さんたちの演技、大変だっただろうなと思いました。これは凄いですよ。

 ざっくりあらすじ(序盤)

いきなり、差別主義者のエミリーが主人公。冒頭に有色人種の清掃係にいちゃもんをつけるので、そこですぐにわかります。

エミリーは幼稚園教師なのですが、仕事が終わると女子会のため教会ヘ行きました。そこに集まったのは白人ばかり。「アーリア人団結をめざす娘たち」という団体を結成し、日頃の不満をぶちまけます。神父が2階に上がってきてブチキレ、帰ってくれと言いました。

そこでしぶしぶ退散し、エミリーの家で二次会をすることになりました。その前にメンバーの1人であるキムの店で、お酒買っていこうよ、という話になります。キムの店でお酒を選んでいると、アジア人の姉妹であるアンとリリーがやってきて、エミリーたちと揉めました。

そこへエミリーの夫がやってきます。怒りが収まらないエミリーたちは、アンの家に行きパスポートを盗んで嫌がらせしようと企みますが...。

 感想、おすすめポイントや見どころなど

主人公のエミリーがごく普通の幼稚園教師でありながら、わりと早い段階でめっちゃヤバい奴だとわかります。パイにハーケンクロイツのマークを入れたり、ノリでナチス式敬礼をやったり。こういう人たちとは、日頃から距離を置いたほうがいいなと心底思いました。極力関わりたくない部類の人たちです。

 

服役中のエミリーの兄がレイプ犯で、そこが姉妹と絡んできます。またエミリーは子供が出来なくて、悩んでいるんです。だからさえない、鬱々とした日々を過ごしていることが分かる。

 

自分が日本人(アジア人)なので、めっちゃ怖くて不快でした。が、同時に日本に住んでいる以上加害者視点の恐怖も感じずにはいられない。また本作は、あらかじめ加害者側の怖さが伝わるように、作られてているんじゃないかなとも思いました

 

「アーリア人団結をめざす娘たち」のメンバーがアン姉妹の家に着いてからが、いよいよヤバい。他人の家に入っていっちゃうあたり、何か勘違いしているんですよね。フツーに考えればこれって(自分は)犯罪者じゃんって気付けるのに、思い上がりが凄くて、いくとこまでいって失敗しないとわからない。それ以降は、ごく少人数での集団パニックという感じでした。極限の状態まで追い詰められると、こういう人たちはやはりギャーギャーわめき、仲間割れ。喧嘩して、責任を擦り付け合います。同胞への愛情もないし、基本、無責任なんですよね。俳優さんたちの演技が素晴らしかったです。

 

9.エクスペリメント

原題:The Experiment/上映時間:96分/製作年:2010年

エクスペリメント

監督:ポール・T・シュアリング
脚本:ポール・T・シュアリング

原作:マリオ・ジョルダーノ
出演:エイドリアン・ブロディ、フォレスト・ウィテカー、キャム・ギガンデット、クリフトン・コリンズ・Jrほか

 映画【エクスペリメント】の作品概要

2001年のドイツ映画『es[エス]』のリメイク版。原作は、マリオ・ジョルダーノの『Black Box』という小説で「スタンフォード監獄実験」という心理学の実験が、元になっています。最近、当ブログで2回も記事にしたんです。

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analogchan.hatenablog.jp

 

 ざっくりあらすじ(序盤)

介護職のパート労働者だったトラヴィスは、州の方針から一時解雇を言い渡された。暇になったので反戦デモに参加し、そこでタイプの女性ベイに出会い恋に落ちる。しかし恋仲になったベイは私インドへ行くの、と言う。一緒に行こうよと誘われるも、トラヴィスは失業中で旅費も出せない。

そんな折、トラヴィスは新聞の求人欄である行動実験の被験者募集を見つける。日給1000ドルで、2週間の求人。これが悪夢の始まりだった。

被験者として採用となったトラヴィスらが連れて行かれたのは、模擬刑務所。実験内容は、被験者がここで看守と囚人に分かれ、2週間の生活を送るというものだが...。

 感想、おすすめポイントや見どころなど

いやもう、フォレスト・ウィテカーの演じるバリスってヤツが、ヤバすぎて終始釘付けでした。看守役を割り当てられたバリスは、40代ぐらいの信仰深い黒人男性。日頃は高齢の母と同居してて、ほとんど彼女の言いなりみたいな感じなんですが。

ところが看守に割り当てられてからというもの、じわりじわりと高圧的、支配的になっていきます。母から抑圧されてきた反動なのか?看守という役割にしっくり馴染み、性的な興奮を覚えたりするんです。ここが恐ろしい。

糖尿病を隠していたベンジーという囚人もいて、看守らの彼への対応がひどかったことが引き金となり、主人公トラヴィスと対立していきます。たまたま看守側に選ばれただけなのに、バリスらのつけ上がり方が酷く、役割によってこうも変わるのかと驚かされました。でも現実社会でも案外こういうことってあるよねと思います。超胸くそ展開の連続なので最後まで観ないと、気が済まないような作品でした。

 

10.コンクリート・ユートピア

原題:콘크리트 유토피아(Concrete Utopia)/上映時間:130分/製作年:2023年

(字幕版)コンクリート・ユートピア

監督:オム・テファ
脚本:オム・テファ、イ・シンジ
原作:キム・スンニュン
出演:イ・ビョンホン、パク・ソジュン、パク・ボヨン、キム・ソニョン、パク・ジフほか

 映画【コンクリート・ユートピア】の作品概要

 

 ざっくりあらすじ(序盤)

舞台は韓国のソウル。未曾有の大災害が世界を襲うが、ソウルのあるマンション(ファングンアパート)だけが、唯一崩壊しなかった。周辺に住んでいた生存者たちが、そのマンションに押し寄せたので住民たちは動揺する。

不法侵入や放火が相次いだことをきっかけに、住民たちは火災のときに活躍したたくましい男ヨンタクを住民代表にした。住民たちは「ファングンアパートの住民以外は立ち入り禁止」というルールを多数決で決め、ヨンタクを筆頭に他から来た生存者を追い出そうとするが...。

 

 感想、おすすめポイントや見どころなど

ヨンタクが、伝統的な男らしさを体現したような人物で、非常時にはこういう人が嬉々として活躍するから、絶対に戦争になってほしくないなと思いました。

愛国者とかも、きっとこんな感じだよね。ただしヨンタクは、最後の最後までマンションに部外者を入れまいと戦っていて、そこはまぁネトウヨよりは筋が通っています。でも、部外者を普通に受け入れていたら、こんなことにはならなかったんじゃないの?と思いました。

かなり早い段階から大きな見せ場があって、そこからも注意を引くようなシーンがテンポよく入ります。韓国の映画は、こういうのが上手いですね。わぁぁぁってパニックになっていくときの躍動感みたいなのが凄くて、心を掴まれました

 

まとめ

そして映画を観る限り、こういうのは大体恐怖心とセット。人は怖いと思った時に集団パニックを起こして、誰かを攻撃&リンチしてしまうのかな?とも思いました。

 

『福田村事件』や『ドント・ルック・アップ』が入っていないじゃないか?と思われた方もいらっしゃるでしょう。これらは本記事の姉妹記事となる「デマ・陰謀論編」に入れております。次回以降(次の次かそれぐらい)の記事で、アップする予定です。最後までお読みくださり、ありがとうございます!

映画『エクスペリメント』の実話との違いをちまちまと検証!スタンフォード監獄実験の真実

なぜゴールデンウィークの浮かれたムードが終わった今、50年以上前の胸糞実験について書かなければならないのか?読者様とこの間、約束したからです。

 

映画『エクスペリメント』は、スタンフォード監獄実験からインスピレーションを得て作られた『es[エス]』をさらにリメイクしたもの。『エクスペリメント』のあらすじやキャスト、個人的にツボった点については、前回こちらの記事に書きました。↓

 

analogchan.hatenablog.jp

 

そしてこの記事では、いよいよスタンフォード監獄実験の実際と映画『エクスペリメント』のストーリーの違いを比較して検証していきます。さらには、映画のようなことが本当にあったのか?実験のねつ造説や盛ってある部分についても、考察していきます。

 

本記事は映画『エクスペリメント』やナショナル ジオグラフィックTVのドキュメンタリー番組『解析!スタンフォード監獄実験の真実』に触れております。映画や番組のネタバレが気になる方はご注意ください!

 

 

映画【エクスペリメント】の作品概要

原題:The Experiment/上映時間:96分/製作年:2010年

エクスペリメント

監督:ポール・シェアリング
脚本:ポール・シェアリング

原作:マリオ・ジョルダーノ
出演:エイドリアン・ブロディ、フォレスト・ウィテカー、キャム・ギガンデット、クリフトン・コリンズ・Jr

 

スタンフォード監獄実験とは?

前回の記事で書いておりますが、スタンフォード監獄実験とは、1971年にフィリップ・ジンバルドーの責任下行われた行動実験です。ジンバルドーはこの実験で「善良な青年でも看守になれば邪悪になり、囚人を虐待する」ということを証明しようとしていました。

 

実験内容は、大学の中に刑務所と同じ環境を作り、20名程度の被験者を募ってそこで生活をしてもらうというものです。この実験の結果、看守側だった若者たちが自主的に囚人側の学生を、虐めたり精神的な屈辱を与えたりしたというのが、ジンバルドーの主張。

 

スタンフォード監獄実験は、心理学の教科書に必ず載っていると言ってもいいほど、有名な実験です。映画『es[エス]』や『エクスペリメント』などの題材にもなっています。

 

映画『エクスペリメント』と実際のスタンフォード監獄実験はここが違う!

ナショジオのスタンフォード監獄実験の番組の画像

画像引用:解析!スタンフォード監獄実験の真実を配信で見る | Disney+(ディズニープラス)

映画『エクスペリメント』は『es[エス]』のリメイクですが、元ネタとなっているのは、1971年の夏に実施されたスタンフォード監獄実験です。この章では、実際に行われたスタンフォード監獄実験と『エクスペリメント』の細部を比較していきます。

 

※スタンフォード監獄実験の情報については、主にナショナル ジオグラフィックTVのドキュメンタリー番組を参考にしています。

 被験者の人数

映画のほうが、実際の実験よりも被験者の人数は多めです。

映画:26名

被験者に選ばれたのは男性26名。6名が看守グループ、20名が囚人グループに振り分けられました。実話と比較すると、囚人グループの人数が異様に多いですね。これは終盤の見せ場である逆襲シーンを派手に演出するためか?などと勘ぐりました。また映画では成人した社会人の男性が被験者に選ばれています。

実話:20名前後

実話の方で被験者になったのは大学生です。実験の被験者になりたいと応募した学生は、70人。その中の学生(男)21人が選ばれました。看守グループは11名、囚人グループは10名といわれていますが、看守グループが10名で、囚人グループが11名という情報もあり、諸説あります。ナショジオからの情報では看守役12名、囚人役10名が被験者になったらしい。いずれも被験者の数は、全部で20名前後で映画よりは少ないです。

 

 実験の期間と中止

実は期間は、映画と実話で同じなんです。いずれも6日間で終了。でもその理由や細部が映画と実話では違います

映画:14日間の予定が6日目で崩壊

映画では5日目ぐらいから囚人グループが反逆を起こし、6日目には全員で看守をボコりました。よって赤いランプが点灯。「囚人はいかなる状況でも看守に触れてはならない」というルールに触れたからか、看守役による囚人グループへの暴力も禁じられているにも関わらずこれらが過激化したことで、ブザーが鳴って実験終了となったのだと考えられます。

実話:2週間の予定が6日間で中止に!

実際には、1971年の8月14日から8月20日まで実験が行われました。実験が中止になった理由は、ジンバルドーの当時の彼女クリスティーナが、実験の映像を見てドン引きしたからです。恋人がその残酷さに涙を流し、ちょ、何コレ、やめなさいよと注意したので、ジンバルドーはようやく実験を終わりにしようと決意したのです。

 

Wikipediaによれば、被験者の家族らが弁護士を介入し実験の中止を訴えたからだという説もあるようです。その話では、ジンバルドーが実際の刑務所で囚人にカウンセリングをしている牧師に、囚人グループの様子を検証してもらっていました。

 

この牧師が囚人グループの危険な精神状態を把握し、やりすぎだと非難。しかしジンバルドー博士が実験に夢中で強引に続行したため、牧師が大学や家族へ連絡したということになっています。

 

うーん、どっちが本当なのか?また看守グループは、「DAY0」という訓練日が用意され、ここでアレコレ言われているんです。囚人に厳しくしろなどの方向づけがされていました。

 

 模擬監獄への囚人役の移動手段

映画:バス

囚人グループも看守グループも同じバスに乗り込み、模擬監獄へ向かいます。この時被験者は、囚人役か看守役かなど、詳細を聞かされていない様子でした。

実話:パトカー

1971年のスタンフォード監獄実験では、囚人役の被験者の家に行きパトカーに乗せ警察へ連行するなど、凝った演出がなされています。

 被験者の日給

映画:1000ドル

日給1000ドルなので、相当高めの金額設定となります。映画『エクスペリメント』の中で、トラヴィスは報酬を受け取り、その後インドに渡っています。まぁ、それぐらい稼げたということでしょう。登場人物たちがムキになるのも、無理ないですね。

実話:15ドル

実際の被験者のインタビューで、日当は15ドルだったと被験者が話しています。1971年当時ですが3食と宿泊付きで15ドル。最低賃金だったと言っていますが、今で言うと2万円ぐらいでしょうか?被験者になった人たちは、皆バイトにしては悪くない金額だと思っていたようです。ただ囚人役からすれば、リタイアしたくても、なかなかさせてもらえないことを考えれば、馬鹿馬鹿しくてやってられない金額だったことでしょう。

 

 囚人グループの服装

映画:囚人服

映画『エクスペリメント』では、模擬刑務所の中で、看守グループと囚人グループそれぞれに衣類が配られました。囚人グループは、ベージュか生成色のような囚人服を着ていました。終盤に、囚人グループが囚人服を脱ぎ捨てるシーンは印象深いです。

実話:スモッグ

ベージュか生成色のスモッグみたいなのを着せられていました。下着も履いておらず、頭にはストッキングみたいなのを被らされていたので、とんだ羞恥プレイですね。さらに囚人役の足には鎖のようなものまで付けられていました。スモッグには、それぞれ番号が貼られていて、その番号で呼ばれます。人間性を奪うような行為で、見ていてムカついてきますね。

 

囚人役の被験者は、刑務所に入る前に警察に、指紋まで取られています。また被験者は、自宅までパトカーが来て連行されるところを、近隣の住人に見られたらしいです。ジンバルドーはこの様子まで、記録映像を撮っていました。模擬刑務所に入る際も、人を穢れ者みたいに扱って、劣等感を抱かせています。

 

 看守グループの服装

映画:紺色の制服

映画『エクスペリメント』の看守の服装

画像引用:エクスペリメント : フォトギャラリー 画像(2) - 映画.com

映画『エクスペリメント』で看守グループが着ていたのは紺色です。警備員や警察官みたいに見えますね。映画なので、見栄えや囚人役との対比が考慮されたのかもしれません。

実話:カーキ色の制服

カーキ色の制服を古着屋で渡されたと、被験者が語っています。警棒とサングラスも、支給されました。

 

 死者は出たか?

映画:1名

映画『エクスペリメント』では、糖尿病患者のベンジーという囚人役が、死亡しました。死因はハッキリしませんが、おそらく病状が悪化し弱っている時に、バリスに警棒で殴り倒されたからだと考えられます。ここは看守グループが囚人役に対してひどいことをした、という実話部分を盛って、大げさな表現になっていますね。

実話:なし

1971年に行われた実際の実験で死者が出たという話は、出ていません。当時被験者だった人たちの誰も、そんな話はしていないようでした。

精神的にヤバくなった囚人役が、リタイアしたという情報もありますが、これは多分ダグ・コルピという人なんです。ダグは、独房に入れられたから大げさに発狂したふりをしたと後に語っています。ただね、実際の映像と再現映像を見ると心底デイヴに腹が立ちますよ。デイヴはインタビューで、ダグに対して「あいつは弱虫」とか言ってるんです。ホント、あいつはクズ野郎で嫌い。ダグは実際、精神的に相当まいっていたのではないかと考えられます。

 

 看守役の態度

映画:バリスの豹変ぶりがヤバい

主にはバリスと他2名が横暴で、他3名はまぁまぁ良識あるとかめっちゃいい人とかでした。全部の看守役が狂ってたわけではないです。そこはまぁ、実話と同じです。

最初はいい人そうに見えたバリスが、日が経つにつれ権力に溺れていく姿を誇張して描いています。

実話:最初から比較的威圧的な人がいた

通称ジョン・ウェインが笛を持っていて、ことあるごとにピーピー吹くんです。自分のことを「刑務官殿」と呼ばせたり、腕立て伏せをさせたり、子供扱いして歌を歌わせたりしています。わりと最初から、こんな感じでひどい。

退屈した囚人グループが遊び半分に反逆を起こしてからは、ジョン・ウェインらもより囚人役に厳しくなっていきます。罰として囚人服を脱がし全裸にして、囚人役同士の足を鎖で繋ぐなど、めちゃくちゃでした。

深夜2時とか4時に、不必要な点呼を行うなどのいじめをしていました。この部分は映画『エクスペリメント』にもあります。ただ次の章で触れますが、実話では看守が演技をしているような部分もあって、ビミョーなんです。

 

 食事を拒否

映画:主人公が食事の一部を拒否

『エクスペリメント』では、主人公のトラヴィスが出された食事に文句を言い、食べるOR食べないで揉めたあげく、トラブルに発展しました。この映画の中では、囚人グループは出された食事を全て食べなければならないという決まりになっているので。トラヴィスは、見た目に問題のあるソースを拒否しただけなのですが、この事件がきっかけとなりバリスが頭角を表すようになりました。

実話:クレイ・ラムジーがハンスト

ダグと交代で入ったクレイ・ラムジーという知的で大人しい囚人役が、看守の態度にNOを突きつけるため、ハンガー・ストライキをやりました。デイヴはムカつき、クレイを独房に入れましたが、本人はプライバシーが確保されたと語っています。この後の話が本当に超胸糞展開なので、よかったら番組を見てみてください。ディズニープラスで、配信されています。

 

被験者本人が出演しているナショジオの【解析!スタンフォード監獄実験の真実】

youtu.be

 

前述しましたとおり、本記事ではスタンフォード監獄実験の実話について、ディズニープラスで配信されている、ナショナル ジオグラフィックTVの『解析!スタンフォード監獄実験の真実』という番組を参考にしています。この番組は3つのエピソードに分かれていて…

 

【シーズン1 】1.廊下
【シーズン1】 2.解明
【シーズン1】 3.美しいウソ

 

という構成なんですが、とにかく「1.廊下」のパートがヤバい。1971年当時の実験で、看守役をやっていたデイヴ・エシュルマンという男が出てくるんですが、このインタビューがまぁひどいです(笑)この人は50年以上経っても、看守目線で偉そうに当時のことをどや顔で話すヤツで。もう、聞いててムカついてくるぐらいでした。バリスともちょっと違った感じのタイプの人で、ジョン・ウェインというあだ名がついていたみたいです。何というか、全然すまなさそうにしてない。ところが「2.解明」まで観ると、その理由がわかってきます。

 

尚デイヴは大学1年の時に社交クラブで苛められるなど、様々な屈辱を経験した過去があったらしく、残忍な方法を思いつくことができたと語っています。

「2.解明」は、フランスのティボー・ル・テクシエによって、この実験がイカサマだと言及されるパートです。若い学生が権力を与えられただけで、無情な看守のようになる。私たちの誰もがナチスのようになる可能性がある。これがジンバルドー博士が導きたかった結論でした。

 

しかしスタンフォード監獄実験の記録映画を作ろうとしていたテクシエは、「記録を精査すると、公式発表は嘘だとわかった」と語っています。記録と公式発表の間に大きなくい違いがあったのです。テクシエは、約6時間の映像と15時間の音声資料をはじめ、看守の日誌など膨大な記録を読み漁っています。そして彼は、保管庫の中に衝撃的な資料を発見。それによれば、看守グループには、DAY0となる訓練日があったらしいのです。この日に看守役の全員が呼ばれ、実験の説明がされていました。ケント・コッターという男性は、自分は説明を聞いて実験への参加を断ったと語ります。ケントの話では、看守による虐待が仕組まれていると感じた、実験の方向づけに見えたと。

 

これによれば、看守グループが積極的に刑務所のルールを作ったというジンバルドーの発言も、嘘だということになります。ジンバルドーは、看守グループに対して「脱獄したら実験中止」や「暴力は禁止」など簡単なガイドラインしか与えていない&看守の訓練はしていないと言っていますが、実際は訓練してるじゃんか、ということなんです。

 

ここで例のデイヴ・エシュルマンがシャシャリ出てきて「刑務所の悪い環境を証明するのが目的だという共通認識があった」みたいなことを言い出し、自分は大義のために役割を演じたんだと言い出すんです。自分は正義の側だとでも言いたげでした。いやいや、あんたは間違いなくイジメを楽しんだ側やろ!て思いましたね。ジンバルドーが世間から責められ立場が悪くなったから、寝返った可能性もあります。

 

囚人役だったダグは、最悪の看守役も何人かはいたが、ぬるいヤツもいたと言います。

一方俳優を目指し演劇にのめり込んでいたデイヴは、実験に入ってから嫌な看守になったのではなく、あらかじめ悪役を演じるという認識だったそう。『暴力脱獄』の刑務所長を真似ようとしたそうです。ただ、ケント・コッターのように良識があれば、実験に参加などできないはずですがね。デイヴは、囚人に対してぬるい看守役がいると、注意までしてたんです。

 

ただ実は看守グループは、囚人グループのみが実験対象だと思っていました。自分たちも被験者だとは知らされていなかったらしいのです。スタンフォード監獄実験が行われたのは1971年の8月。同じ1971年の9月にアッティカ刑務所暴動が起こった際、ジンバルドーはここぞとばかりに自身の研究の結果を発表します。善良な人も冷酷な看守になると。複数名の看守役をした人たちが、自分も実験対象だったと知りショックを受けていたようです。彼らは自身が、実験の手伝いをしていると思ってやっていたのですから。

 

ジンバルドーの実験に興味を持ったテレビ局が、看守の倫理観の悪化を大げさにアピールし番組にします。

看守グループは、事前にジンバルドー博士から囚人グループの反応を見るためだと聞かされており、意識的に看守らしくしていた可能性もあります。まぁこれは、看守グループを思い通りに動かしたいというジンバルドーの意を皆が汲んだからかもしれません。

 

通常の科学実験では、求めている結果を得るために、介入なんかしないとテクシエは、語ります。

 

「3.美しいウソ」ではジンバルドーの生い立ちについても触れられています。メディアの寵児になるとは思っていなかったと話すジンバルドー。

 

また美しいウソのパートでは、実験の演劇的な作為の要素について触れられています。なんと1971年の実験を理解するために、同じセットを作り若者に演じてもらうという試みがなされていました。そこへ当時の被験者たちが招かれ記憶を辿りながら「あそこはこうだった」とかあーだこーだアドバイスするという企画。ほんと、どうかしてますね。こうやってこの番組の再現映像が作られたのだと思います。

 

映画と実話の共通点・大きな違い

 共通点

看守役から囚人役への暴力が禁止されていること。また消火器の放射や深夜のいやがらせ的な点呼は、実話からの引用と言えるでしょう。抗った囚人役を、独房に入れる点も同じです。

 

あとは全ての看守役が嗜虐的だったわけではないという部分も、実話と映画で共通していまっす。

 

 大きな違い

一方映画『エクスペリメント』では糖尿病患者が亡くなりますが、実際の実験では死者は出ていないようです。そこが映画と実話で大きく違っていますね。

またそもそも実話では、看守役の人たちは自分たちが被験者だと知らなかったわけですから、看守グループと囚人グループの全員が被験者だと最初からわかっていた映画『エクスペリメント』とは違います。また映画のほうは、看守グループに対して具体的な指示が出されていないので、看守がより自発的に環境の力に飲まれ権力を振りかざしたような印象でした。

 

スタンフォード監獄実験には倫理的な問題も

番組「解析!スタンフォード監獄実験の真実」の画像

画像引用:解析!スタンフォード監獄実験の真実 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト

 

「暴力は禁止」と言えど、相手が歯向かえないような状況で、大声で怒鳴りつけ恥をかかせるなど精神的な虐待を数日行った罪は大きいと思います。特に、囚人グループの方たちのトラウマは大きいでしょう。

 

またジンバルドーは、実験のリタイアを許しませんでした。ダグという囚人役の話では、ここから出たいと申し出たため、独房へ入れられてしまったようです。ダグは、ギャーギャー喚き、心理的に自分は限界だというような発狂した演技をすることで、ようやくこの実験のリタイアが許されました。まぁ、このエピソードを聞く限り、妙な行動実験に参加するもんじゃないな、という感想ですね。しかしこのような環境下でもハンガーストライキを起こした人がいたことには、ある種の希望が感じられます。

 

まとめ

比較してみると、案外さまざまな気付きがありました。例えば映画では何の実験かを知らされていないのに対し、実話では刑務所での実験だと新聞で見たと皆が語っています。これだと攻撃性や社会的支配指向を持った人ほど、実験に参加したがる可能性もあっただろうな、などいろいろ考えさせられました。

 

とはいえ、私のこれまでの人生経験から言えば、社会的に強い立場を得るとチョークズになる人もいるので、ジンバルドーの言いたいこともあながち分からなくもないです。権威主義の人などは危険ですね。最後までお読みくださりありがとうございます!

映画『エクスペリメント』不完全ガイド:あらすじ・キャスト・個人的ツボをゆるっと紹介

最近集団ヒステリーとかパニックとか、そういう映画ばかりをまとめていましてね。『ミスト』やら『コンクリート・ユートピア』やらそういう部類の作品です。その流れで映画『エクスペリメント』も観てみたんですよ。

 

なんか今、世の中がおかしいから、こういう胸くそ系が、めっちゃ観たくなる。映画の中で「わぁぁぁぁ」ってパニックになった時、なぜか腹の奥底がスッとするんです。なぜか?不安が可視化されるからかもしれないです。

 

で『エクスペリメント』も、わりと良かったので、今回はそのあらすじや感想を書いてみました。

 

この記事は完全ネタバレ記事となります。映画『エクスペリメント』の結末、ネタバレ部分にも触れておりますので、未見の方はどうかご注意ください!

 

 

映画【エクスペリメント】の作品概要

原題:The Experiment/上映時間:96分/製作年:2010年

エクスペリメント

監督:ポール・シェアリング
脚本:ポール・シェアリング

原作:マリオ・ジョルダーノ
出演:エイドリアン・ブロディ、フォレスト・ウィテカー、キャム・ギガンデット、クリフトン・コリンズ・Jr

 

2001年のドイツ映画『es[エス]』のリメイク版。原作は、マリオ・ジョルダーノの『Black Box』という小説で「スタンフォード監獄実験」という心理学の実験が、元ネタになっています。監督は、大人気のドラマシリーズ『プリズン・ブレイク』の発案者で製作総指揮を務めたポール・シェアリング。刑務所が好きだねぇ!

映画【エクスペリメント】の登場人物(キャスト)

『エクスペリメント』に登場するのは心理学実験に参加する被験者たち。被験者は囚人グループと看守グループに分けられます。

 トラヴィス(演:エイドリアン・ブロディ)

本作の主人公。介護施設でパート労働だったものの、州の都合で急に一時解雇を言い渡された。良識があり誠実な人柄。新聞の求人広告で、ある行動実験の被験者の募集を見つけ応募する。実験では囚人グループに振り分けられた。

 バリス(演:フォレスト・ウィテカー)

高齢の母親と2人暮らしの黒人男性。42歳で教会信徒。子供時代は、ボーイスカウトやドリルチームにも所属していた。母親の病気の治療費を稼ぐため、行動実験に参加する。実験では看守グループに振り分けられた。

 チェイス(演:キャム・ギガンデット)

看守グループ。不真面目で不良っぽいしぐさが目立つ。看守グループになれたことで威張り散らし、囚人グループの人たちを嫌な気持ちにさせた。ドラッグ・女好きをやたらアピール。

 ベンジー(イーサン・コーン)

囚人グループ。グラフィック・ノベルの作家だと名乗るが、実は違っていた。バリスタの彼女がいる。糖尿病患者。インシュリンが必要なことを隠して応募した。

 ニックス(演:クリフトン・コリンズ・Jr)

トラヴィスと同室の囚人グループ。17番。まっとうな金が欲しくて応募。おそらく以前に服役経験がある。刑務所暮らしに慣れているせいか、冷静。刑務所の中では正義を捨てろと、トラヴィスにアドバイスする。

 ボッシュ(演:デヴィッド・バナー)

看守グループに割り当てられた若い黒人男性。良識があり、穏やかな性格。ベンジーにインシュリンを渡す手助けをするなど利他的で、トラヴィスからの個人的な謝礼も断った。

 ベイ(演:マギー・グレイス)

トラヴィスと反戦活動で出会い、恋仲になる。トラヴィスが実験に参加するのとほぼ同時期に、インドへ旅立った。

映画【エクスペリメント】のあらすじ

映画『エクスペリメント』の模擬刑務所での実験の様子

画像引用:エクスペリメント : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

 ①謎の行動実験の募集

主人公のトラヴィスは、介護施設で働く優しい中年。だが州の方針とやらで、いきなり一時解雇になってしまい暇を持て余す。反戦デモに参加した際、ベイという名の感じの良い女性と出会い恋に落ちた。ベイはあてもなくインドに行く予定で、一緒にどうか?と誘われるが、職を失ったばかりのトラヴィスには資金がなかった。

 

そんな折りトラヴィスは、新聞の求人広告である行動実験の被験者を募集していると知った日給はなんと1000ドル。2週間あるので行けばかなりの額が稼げるぞ!そう思ったトラヴィスは早速面接に向かう。

 

 ②疑似刑務所での心理学実験

面接は合格。当日、トラヴィスを含む被験者たちは、1台のバスに乗り込んだ。その中には、面接時、律儀にスーツを着ていたバリスもいる。一同の乗ったバスは監視カメラの設置された実験会場に到着した。疑似刑務所である。

 

会場では博士から「人権を侵す可能性がある」と伝えられるが、誰も辞退しない。被験者たちは、囚人グループと看守グループに振り分けられた。刑務所と同じ環境であるここで、2週間生活するという実験である。

 

実験のルールのイメージ画像

※画像はイメージです
①囚人は1日3食残さず食べること
②娯楽時間は1日30分
③囚人の移動は指定範囲内のみ
④囚人は勝手に話してはならない
⑤囚人はいかなる状況でも看守に触れてはならない

 

やめる人が出れば、実験は即中断される。ルール違反の囚人が出た場合、看守は30分で懲罰を考えなければならない。さもなくば、模擬刑務所のランプが点灯し、実験は中断。報酬は支払われないこととなる。

 ③1日目

博士は去り、実験が始まった。最初に看守役を楽しんだのはチェイスである。自分が看守グループであることをいいことに、偉そうな振る舞いをして囚人グループのメンバーに不快感を与えた。

 

囚人グループは名前ではなく、番号で呼ばれる。トラヴィスは77番、17番のニックス、51番のベンジーと同室になった。

 

バスケの時間、囚人グループの1人が、看守グループのボッシュに誤ってボールをぶつけた。ボッシュは鼻血を流したが幸いにもいい人で、わざとじゃないから大丈夫だと言う。だが他の看守役が許さず、囚人グループは全員腕立て伏せを10回させられることになった。

 ④2日目

出された食事が不味いという理由から、トラヴィスを筆頭にちょっとした暴動があった。看守グループは舐められてたまるか、と作戦を立てる。体罰は許されていないので、精神的に屈辱を与えようという話になった。提案したのは、バリスである。

 

看守グループは寝ている囚人グループに消火器をぶちまけびっくりさせた挙句、手錠で柵に手を繋いだ。「これ以降、今日のような出来事は絶対に許さない」バリスの大演説がはじまり、最終的には囚人グループに「はい分かりました」とまで言わせた

 

演説後バリスは、トイレで自身が性的に興奮していると知る。鏡に映るバリスの表情は、これまでにないほど生き生きとしていた。この出来事を境目に、バリスの言動は日毎にエスカレートしていく。

 

 ⑤3日目

朝礼時、糖尿病患者のベンジーが低血糖を起こして寝たままだった。しかし
バリスは「起き上がるにはチョコバーが必要」というベンジーを無視して、無理矢理立ち上がらせた。ベンジーの体調を心配したトラヴィスがこれに反論。少し冷静になれ、と極めて全うなことを言ったが、看守気取りのバリスはカッとなった。

 

その晩バリスは看守グループを引き連れ、トラヴィスを拘束し、彼のトレードマークのロングヘアを丸刈りにした。暴力は振るえないが、髪を切るのはOKと判断したのだろう。自分の与えられた看守という役割の権力に溺れ、自分に酔いしれるバリス

 

それでも自分に敬意を払わないトラヴィスに腹を立て、皆の前で自身の尿をかけた。これにはさすがに、何名かの看守役もドン引き。特に良識のある看守役ボッシュなどは、露骨に嫌な顔をした。ボッシュは、もしまた同じようなことがあれば、自分はリタイアすると言ってバリスを脅す。1人でもリタイアした場合、全員の報酬が出なくなるからだ。

 

 ⑥4日目

ベンジーが、インシュリンなしでは持たない体だと判明する。ベンジーはバッグの中にインシュリンを持ち込んでいたが、囚人グループの荷物は没収されていた。トラヴィスはまともな看守のボッシュに、ベンジーのカバンからインシュリンを持ってきてくれと頼む。だが、バリスに見つかり、彼がベンジーにインシュリンを渡す形となった。

 

バリスはトラヴィスの目の前で、自分の頭を丸刈りにする。俺は筋を通すと...。トラヴィスは、バリスに心療内科の受診を勧めた。苛立ったバリスはトラヴィスの顔を便器に沈めさせる。

 

 ⑦5日目

看守グループは、ボッシュを夜中に呼び出し暴行を加えリンチした。信じられないことだが、ボッシュはバリスの勝手な判断で、囚人グループに移ることになった。

 

朝礼時、我慢がならなくなったトラヴィスは囚人服を脱ぎ捨てる。すると他の囚人役も皆、トラヴィスに続いた。トラヴィスは監視カメラに向かい「扉を開けろ」と要求。制圧しようとしたバリスを、ベンジーが後方から殴る。するとバリスはベンジーを警棒で、力一杯殴り倒した。

 

看守グループはトラヴィスをドラム缶のようなせまい独房に閉じ込めた。看守グループの1人が、イカれてるとバリスを責め始めた。カメラはドラム缶型独房の中にも仕掛けられていた。「なぜ実験を中止しないのか」と、カメラに向かってブチキレるトラヴィス。

 

 ⑧6日目

1人の囚人役が、チェイスに侵されそうになる。閉じ込められたままのトラヴィスは、ベイからもらったお守りのブレスレットを使い、独房から脱出した。そして侵されそうな囚人役を助け、拘束されている他の囚人グループのメンバーを解放する。そこで死亡したベンジーを見て、トラヴィスは涙を流した。

 

囚人グループの復讐がはじまる。囚人役が全員で看守室のガラスを叩き割りはじめたので、バリス以外の看守グループは怯えた。しかしバリスは「俺たちが支配者だ」の一点張り。囚人グループは看守グループを追い詰め、徹底的にボコった。

 

赤いランプが点滅しブザーが鳴る。シャッターが開いたので、囚人グループも看守グループも皆、芝生の生えた日だまりに出た。まぶしい程の太陽の光を浴びながら、誰とも話さずしゃがみこむ被験者たち。迎えのバスがやって来た。

 

バスの中では、全員が1万4000ドルの小切手を受け取る。バリスは気まずい表情で、トラヴィスを見た。

 

 ⑨その後

後日、この心理学の実験がニュースで報道される。ボッシュは、ベンジーが死んだとインタビューで答えた。報道によれば、主任研究員が殺人罪で起訴されたようだ。

インドへ向かったトラヴィスは、ベイと無事再会を果たす。

 

【エクスペリメント】はスタンフォード監獄実験からインスピレーションを得た映画

ここからは、映画『エクスペリメント』の本家の映画や、元ネタになった実験についてみていきましょう。

 エクスペリメントの意味は?es[エス]のリメイク版として有名

es[エス]【日本語吹替版】 [VHS]

エクスペリメントは、実験という意味です。原題は『The Experiment』。スタンフォード監獄実験を元に製作された『es[エス]』のリメイク版として知られています。

 

『es[エス]』のほうは、2001年にドイツで公開された作品です。日本では2002年(だから『マトリックス』の3年後ぐらい)に公開されたっぽい。2010年の『エクスペリメント』は、そのアメリカリメイク版。って実は私も『es[エス]』のほう、観てないんですよね。今、配信とかでもなかなか観ることができず、やってるのは多分TSUTAYA DISCASぐらい。

 

観た人の感想によれば、ハリウッドリメイク版のほうが、エンタメ色が強いらしいです。なんだ、じゃあこっちでよかったじゃん!ってなって、そのままなんです。

 スタンフォード監獄実験とは?

1971年の夏、メリカのスタンフォード大学で行われた心理学の有名な実験です。フィリップ・ジンバルドーという博士の責任下、実験監獄の中で行われました。

 

当初の予定では2週間の実験が行われる予定でしたが、6日間で中止となっています。内容はごくごく普通の大学生などが被験者となり、与えられた肩書きや地位によって被験者がどう行動するかを実験したもの。悪名高いこの実験では、人が役割に合わせて行動してしまうことを証明しようとしました。要は看守役の人が制服を着て立場を得ることで、囚人役の人に精神的な虐待をするか?などを実験したものです。

 

21人の被験者を看守役と受刑者役に分け、それぞれの役割を演じさせたらしく、まぁここは映画とほぼ同じですね。実話との比較についての記事は、今書いていますので少々お待ちください。

追記:2026年5月23日

実話との比較記事書きました!以下のリンクからお読みいただけます。

↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓

analogchan.hatenablog.jp

 

 スタンフォード監獄実験はイカサマか?

映画『es[エス]』や『エクスペリメント』は、スタンフォード監獄実験からインスピレーションを得た実話ベースの作品と言われてきました。がしかし、最近になってこのスタンフォード監獄実験自体にねつ造疑惑が出ています。実はやらせだった、とかイカサマだったとかいろんな情報が上がってきているんです。

 

なんと!ジンバルドー博士が、あらかじめ実験の目的を伝え、看守係の人に「囚人に厳しくするよう」指示していたという説もあり、あんた何が調べたかったん?てなりました。博士が看守役の被験者たちに、事細かく指示している音声記録も残っているという噂。

 

これらについても次回の記事で、触れていきたいと思います。

映画【エクスペリメント】のネタバレ感想

ここからは、『エクスペリメント』の個人的にツボったシーンをご紹介します。

 ほとんどバリスを観る作品

看守グループに割り当てられたバリスの画像

画像引用:エクスペリメント : フォトギャラリー 画像(2) - 映画.com

フォレスト・ウィテカーの演じるバリスという男がめっちゃヤバいヤツで、一気に惹き付けられました。教会信徒であるバリスは、序盤では物腰も柔らかく一見まともに見えます。でも看守グループに振り分けられてから、みるみる変わっていくんですよね。

 

バリスみたいな人は、これまで自分のサディスト的側面に気づいておらず、いきなり覚醒するタイプだと思います。例えば同じ看守グループに振り分けられたワルのチェイスとかは「俺こういうの好き」っていう自分の邪悪な部分を認めていて、だからまぁ最初のうちは手加減したりしながらテキトーにするんです。

 

でもバリスは、久々に勃起したりしてびっくりしてるから、容赦なし。目とかがギラギラしてきて、囚人グループにとことん屈辱を与えたりしてしまいます。これまで人から認められたこととかがなかったんだろうな、とか観ていていろいろ想像力が膨らむ人物でした。

 

看守役というだけで、よくもここまで残酷になれるもんだ、と。それこそがこの実験の目的なんですがね。無事実験を終え、報酬を貰うのだけが目的なら、別に囚人役に尿をかけたりする必要はないです。ただトラヴィスの言うとおり、彼のメンタルが相当にヤバいので、制御が効かなくなっていくっていうね。

 

「トイレット」、「トイレット」とメロディアスに威嚇するシーンとか、ちょっともう爆笑ですよ。でもめっちゃムカつくヤツなんです。フォレスト・ウィテカー、名演技だと思いました。さすがオスカー俳優!

 囚人グループの復讐シーン

まず、ボッシュが勝手に囚人グループに変更された件について。トラヴィスはバリスの権力の暴走があまりにもひどく危険を感じたので、囚人服を脱ぎ捨てたんだと思います。カメラに向かって話かけたのも、金はいらん、中止しろということでしょう。すると囚人グループの皆が服を脱ぎ捨てた。そうだ!行動を起こせと思いましたよ。実験が中止になると金が入らず、困るのはバリスも一緒なんでね。バリスの怯む表情が観たかった私は、このシーンで一旦スカッとさせられました。

 

さらにトラヴィスが独房から脱出した後の復讐劇。囚人グループの人数は看守グループの倍以上いるのに、バリスはまだ権力の力を信じているんですよね。他の看守役からもコケにされはじめてて、ざまあってなりました。大体この時点でもヤバさに気づけないのって、相当危ないヤツでしょ。

 

そしてついに囚人役が看守グループを追い詰め、フルボッコ。トラヴィスが暴力を振るってしまったのは、ちょっと悲しいです。

 シャッターが開くシーンは通快

もう限界というところまで来て、ようやく実験が中断。シャッターがガーって開いて、皆外に出れました。誰もが、囚人でなく看守でもないデフォルトの設定に戻ったんです。まぁ、蠅の王現象とでも言いましょうか。

 

奇妙です。これまで囚人と看守だった関係性が一気に崩壊し、全員がただの被験者だっただけという気まずさが伝わってくる。バリスがどんな言い訳をするのかと思っていましたが、何も言いませんでしたね。できれば、バリスを逮捕してほしかった。糖尿病患者だと知りながら、ベンジーを殴り倒し殺害したのはバリスでしょ?

まとめ

非個人化がテーマとか言うけどさ...。この映画のバリスについては、あの人が本領を発揮しただけじゃないの?とつい思ってしまう。映画を観る限り、看守という役割がバリス個人の性格を上回ったという風には思えないですね。あれこそが、バリスでしょ。覚醒!

 

ただ周囲の看守役で、バリスに歯向かえない感じになってる人が出てきていて、そこがやっぱり怖いなと思いました。やはり、置かれた状況と立場の影響を受けているんでしょう。

 

実話との違いや、スタンフォード監獄実験のイカサマ疑惑については、次回の記事に書いていく予定です!最後までお読みくださり、ありがとうございます!

2026年5月23日:追記

実話との比較・スタンフォード監獄実験のイカサマ疑惑についての記事を以下に書きました。こちらもどうぞ!  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓

 

analogchan.hatenablog.jp

 

サバイバルファミリー 映画感想★水1本のために悪戦苦闘★備蓄のモチベUPにも!

ついに、備蓄が何かと話題になりはじめました。昨今の中東情勢に不安を感じている方も多いかと思います。そして比較的邦画には疎い私がなんと『サバイバルファミリー』だけは観ているという事実。こりゃ『サバイバルファミリー』書くしかないやろ、と思い記事にした次第です。まぁ確かに、地震とかも怖いから、本当に備蓄とかしといたほうがいいんじゃないかと今は思っています。そして映画『サバイバルファミリー』は備蓄する気満々にさせてくれる映画です。

 

この記事では、映画『サバイバルファミリー』の怖かったところや、備蓄について思ったことをあれこれ書いていきます。

 

本記事は映画『サバイバルファミリー』の完全ネタバレ記事となります。映画の結末、ネタバレ部分にも容赦なく触れておりますので、未見の方はご注意ください!

 

目次

映画【サバイバルファミリー】の作品概要

原題:サバイバルファミリー/上映時間:116分/製作年:2017年

サバイバルファミリー Blu-ray

監督:矢口史靖
脚本:矢口史靖
出演:小日向文世、深津絵里、泉澤祐希、葵わかな、藤原紀香、柄本明、大地康雄、時任三郎ほか。

映画『サバイバルファミリー』は2017年に公開された映画ですが、今観るとこの作品の中で起こっていることが、生々しく感じられました。

監督は『ウォーターボーイズ』や『ハッピーフライト』、『ロボジー』などでしられる矢口史靖。小日向文世が一家を率いる父親を、深津絵里が可愛らしいお母さんを演じました。

藤原紀香、時任三郎、柄本明、大地康雄など脇役も豪華です。

 

映画【サバイバルファミリー】のキャストの紹介

鈴木一家が並んだ画像

画像引用:サバイバルファミリー : フォトギャラリー 画像(2) - 映画.com

路頭に迷う鈴木一家のメンバーをご紹介します。

 鈴木 義之(演:小日向文世)

ごくごく平凡で仕事熱心な会社員。まぁ飛行機に乗るつもりだったんだろうけど、自転車しか移動手段がないというときに、上下スーツ(中ポロシャツ)はおかしいでしょ。一家の大黒柱として、家族を導くが失敗ばかり。

 鈴木 光恵(演:深津絵里)

義之の妻であどけなさの残る専業主婦。魚を捌くのが苦手。突然の停電にあたふたするも、臨機応変に対応した。ふわふわしたところもあるけど、インフラが停止しても状況に合わせ、洗濯や食事の準備を器用にこなす。結構できる人。東名高速を見つけたのも、光恵。水を買うとき値引き交渉をしたのも光恵。陽気でありながら、ほとんど、この人が重要な決断をしている。

 鈴木 賢司(演:泉澤祐希)

鈴木家の長男で、大学生。スマホ、PCへの依存度の高い今どきの若者。盗まれた水を取り返しに行ったものの、赤ん坊にミルクを飲ませるためだったと知り躊躇するなど、案外優しいところもある。サバイバルスキルはわりと高く、案外しっかり者だったとわかる。

 鈴木 結衣(演:葵わかな)

賢司の妹。高校生。田舎へ行くのを嫌がっていた。何かあるとギャーギャー喚く。喜怒哀楽が激しいが、ごくごく普通のティーンエイジャー。サバイバル生活の中で、家族や他者との絆を深めていく。

映画【サバイバルファミリー】のあらすじ

停電の中で、食卓を囲む鈴木一家の画像

画像引用:サバイバルファミリー : フォトギャラリー 画像(9) - 映画.com

ある日突然東京都内で、大規模な停電が起こる。何日も続く停電に、鈴木家の父が勤める会社も、自宅待機となった。

 

都内の人々は徒歩で、地方の田舎や大阪を目指しているようだ。中にはアウトドアグッズを抱え、キャンプ場へ向かう家族もいた。出遅れた鈴木一家。ネオンの消えた東京の空は綺麗だ、とか言って家族4人で星空をアホづらして眺めていたからだ。

 

母 光恵の実家が鹿児島なのでそこへ行こうという話になり、旅支度をした一家は、自転車で空港へ向かう。だが当然ながら飛行機も飛んでいなかった。こんなとき飛ぶわけがないじゃんと、そこで気づく。

皆、どうすんのよ!これ、となった。一家は大阪には電気が通っているという噂だけを頼りに、チャリで高速に乗る。すると大勢の人々が、高速道路を歩いて大阪へ向かっていた

 

ドライブ・インで休憩するも水を盗まれた。水・米・食料の値段が爆上がりし、道端で売られている。道中で鈴木一家はサバイバル生活をエンジョイしている、アウトドア好きの家族に出会いアドバイスをもらった。

 

そんな中なんとか大阪に着いた。がしかし、大阪の街も機能していないようで、ゴミが散乱し荒れ果てていた。父親が頼りないと感じた娘の結衣が、このタイミングで遂にブチキレる。兄の賢司も全力で父親を責めた。すると母の光恵が「お父さんは、そういう人なんだからしょうがない」と、妙なフォローを入れる。

 

水族館では、これまで観賞用だった魚介類を調理し、炊き出しをやっていた。しかし列に並んでいた鈴木一家の番になる直前で、料理がなくなってしまう。なんとか子供たちの分だけでも、と係員に土下座して頼む父。しかし、ないものはないのである。

 

サバイバル生活67日目。岡山の田舎の田んぼ道の中をふらふらしながら進む鈴木一家。歩いている豚を仕留めたことがきっかけで、しばらくは養豚農家の田中善一の世話になる。鈴木一家はようやくまともな食事にありつけた。豚肉の薫製を頬張りながら、涙を流す結衣。住み込みで働きながら、食事や風呂、寝床が用意された。

 

養豚農家の田中の家で食事する鈴木一家

画像引用:サバイバルファミリー : フォトギャラリー 画像(12) - 映画.com

 

田中はずっといてくれたら助かると言うが、鹿児島に住む光恵の父が心配なので、一家は出発した。

 

その後一家は橋のない川にブチ当たった。筏を作り自転車を乗せて運ぼうとしたが、雨がひどくなり父が溺れて見当たらなくなった。賢司が父のカツラを見つける。そのカツラが全てを物語っていた。声を上げて泣く光恵と結衣。

 

94日目。残された3人は、とぼとぼと線路沿いを歩く。光恵は放心状態だった。SLが懐かしい汽笛を上げ3人の前に止まる。3人はSLに乗せてもらい、ひとまず一安心となった。

 

川岸で目を覚ました父は、とぼとぼと田んぼ道を歩く。SLを見かけた父は、いつか賢司が見つけてくれた発煙筒をここぞとばかりに使った。

 

SLの中から夫を見かけた光恵は「止まって!」と叫ぶ。家族に無事救助され、父もSLに乗り込んだ

 

108日目。鈴木一家はとうとう鹿児島に到着。浜辺で釣りをしている光恵の父親と再会した。

 

2年と126日後。光恵の実家で過ごすようになった一家は、地元の人たちと馴染み、協力しながら自給自足の暮らしをして楽しんでいた。

 

翌朝早朝、町内放送の音楽が流れる。外に出た人々は街灯が点くのを見た。インフラが復活したのである。

 

ニュースから、このおよそ2年半続いた停電が、世界規模のものだったとわかる。原因は、大規模な太陽フレアか、彗星の異常接近によるものではないかと語られた。

 

東京に戻った鈴木一家の元に、いつか高速道路で出会ったアウトドア一家から、写真が届いた。4人並んだ写真。一家はあの頃のことを、懐かしむように写真を眺めた。

 

映画【サバイバルファミリー】視聴後中東情勢が一気に怖くなった

画像引用:サバイバルファミリー : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

映画『サバイバルファミリー』では「当たり前の日常がいかに薄氷の上に成り立っているか」を思い知らされます。中東情勢や日本のエネルギー事情を考えると、これは「いつか起こる未来」なのかもしれないと思い、怖くなりました。以下は個人的に気になったポイントです。

 

 インフラが止まるだけでこんなに怖いとわかる

正直、エネルギーの枯渇とか言われてもイマイチ、ピンと来てなかったんですよね。いや、私もそこまでバカじゃないので、相当にヤバいことぐらいは一応頭ではわかっていたつもりです。

 

でもインフラが止まっただけで、今住んでいるところを出ていかなければならないなんて、想定外じゃないですか。私なんて、ちょっと住んでる建物の断水があっただけで、ヘロヘロ。通達(お知らせ)をよく読んでなくて、いきなり止まっている時があるんですよね。そうなると、もうその間ずっと落ち着かないです。そんなメンタルなんで、水道が1日とか2日とか止まるだけで、きっともう無理でしょう。インフラ嘗めたらあかん。

 

映画『サバイバルファミリー』では、皆が旅の準備をして東京から出ていきました。鈴木一家はアウトドアにも弱いし、危機感がなくてちょっと出遅れるんですよね。あー自分もきっとこうなるわー、みたいな恐怖がありました。

日頃は災害や戦争の方がずっと怖いから、インフラが止まることへの恐怖が、その影に隠れていたように思います。

 

 ペットボトルの水が1本2500円する世界

水を買うために交渉する母光恵の画像

画像引用:サバイバルファミリー : フォトギャラリー 画像(13) - 映画.com

2Lではないです。500MLの水が、2000円とか2500円になる世界を私はしりません。劇中では深津絵里演じる母が「さっきの店は500円だったわよ?」とハッタリをかまし、1本600円で購入していました。それにしても通常のおよそ5倍の値段。ミネラルウォーターですよ!

 

何でもそうですが、今の値段で買えると思わない方がいいようです。中東情勢を考えると、先が見えない。もしも物が作られなかったり、物流が止まったりすれば物価はいま以上に高くなるでしょうね。

 

 映画サバイバルファミリーでは現金を引き出すのも一苦労

非常時にはお金が必要。でも電気が止まるとキャッシュコーナーが使えないので、大混乱になります。映画『サバイバルファミリー』では、引き出せるのは1人10万円までで、通帳や印鑑が必要でした。私が初めて1人暮らしを始めた時は、もう既にキャッシュコーナーで引き出すのが主流でしたからね。そりゃもう、大パニックになるだろうなと。

 

さらに昨今はクレカやPayPayなどの電子マネーに依存しているので、映画の中よりももっとひどい状況になるかもしれません。

 お金という共同幻想の崩壊

お金があれば大丈夫、お金があれば何でもできる、という共同幻想を大胆にブチ壊してくれるのが、映画『サバイバルファミリー』です。

 

昨今は正月ですら、ちょっとコンビニに行けば、大抵の生活必需品が何でも手に入るのがデフォルトです。昔は商業施設でも元旦休みの所が多かったから、年末に大人たちが一生懸命買いだめしているのを見ました。長崎の祖母の家の廊下には、おせちやごちそうとは別に、カップラーメンとかソーダとかがが大量に買い置きされていましたね。近所のスーパーとか、店が閉まるからです。

 

昨今はお金さえあれば、物が買えないことはない。だから物がないということを、感覚的にイメージしにくいように思います。

 

映画『サバイバルファミリー』では、ローレックスの時計や札束を見せても、お米を売ってもらえない、というシーンがありました。

 

お金って、社会がちゃんと機能しているからこそ使えるものだと思います。社会が正常に動いている時だけ通用するチケットのようなもので、その枠から出てしまえばただの紙切れ。水や食べ物は無人島でも水や食べ物として機能しますが、お金はそうはいきません。厳密に言えば、お金も実は虚構なんだと思います。この世のほとんどのものが虚構で、「食べて飲んで糞して寝る」という生活こそが現実なのかもしれません。

 

どんなに喉がカラカラになっても、お金で喉の渇きを潤すことができない。そんな世界は、心底恐ろしいなと思いました。

 「水族館の炊き出し」のグロテスクさ

水族館での炊き出しの光景

画像引用:サバイバルファミリー : フォトギャラリー 画像(10) - 映画.com

昨日までエサを与えられ鑑賞用として育てられていた魚が、あっさり食用に切り替えられるグロテスクさ。魚の種類を覚え学習したり、鑑賞を楽しんだりするという文化が、生きるための資源に切り替わってしまうというね。

 

客観的に観れば、めっちゃ悲しいことなんですが、あそこにいる当人たちは、食べ物にありつけてよかったぐらいにしか思っていないかもしれない。残念ながら、人間は食べなきゃ生きていけないのでね。生き物としての悲しみを感じました。

映画【サバイバルファミリー】は備蓄のモチベUPに最適!

私の場合、備蓄がイヤなのは、今欲しい物を我慢してまで、なぜ2Lの水を大量に買わなければならないのか?ということを、つい思ってしまうからです。

 

しかし映画『サバイバルファミリー』で、500MLの水の値段が2500円になってるのを見てからは、コンビニに売ってある2Lの水が安く見えて「買いだ!今買っとけ!」って思うようになったんです。まぁ、今いくらか買えるだけでもありがたいこと。そもそも政府は今の状況で備蓄できない人のこととか、考えてくれてるんですかね。

 

劇中では水がなくて、盗みを働く人までいました。あんなのを観たら、もう水を買わずにはいられないです。転売ヤーみたいな人を儲けさせたいですか?って話でもあります。

 

個人的に準備したい備蓄のリスト

火を起こそうとする父義之の画像

画像引用:サバイバルファミリー : フォトギャラリー 画像(4) - 映画.com

ここからは、私自身が個人的に準備したほうがいいな、と思っている備蓄を挙げていきます。

 ポータブル浄水器(最優先)

まだ買ってないですが、できればこれを最優先にしたい。でもカセットコンロのガスから購入するかもしれません。

 

私はそういうところ、超神経質なので、水が汚ないとかマジで耐えられないです。まぁ今後も大丈夫だと思いたい。もしものときの為ですが、汚ない雨水のこととか考えるとゾッとするので、使うかどうかは別として、精神を健全に保つためにもポータブル浄水器を購入しようかなと思っています。

 

映画『サバイバルファミリー』の中では、父 義之が安易に川の水を飲んでしまい、お腹を壊してしまいました。アウトドア好きファミリーの父(時任三郎)が「山奥を通ったときなんか、水が染みだしている岩場とかあるでしょう。苔とかが生えてれば、毒素がない証拠だからそういう水をペットボトルに溜めて。まぁ心配なら火にかけて殺菌すれば、大丈夫だから」と言っていました。

 

私は子供の頃、山水をそのまま飲んだことがあり大丈夫でしたが、基本的には自己責任。そのまま飲むのは危険な場合もあり、浄水器や煮沸消毒をして飲むのが安全なようです。まぁ、わざわざ山に行くようなことはないと思いますがね。だんだん何が目的かわからなくなってきますね、これ。

 

とにかく万が一のとき「バッテリー補充液」を飲んだりはしたくないです。

 カセットコンロ&ガス缶

とりあえずガス缶は、多めに購入しておきたいです。若い頃に住んでいるアパートのガスを止められたことがあり、しばらくカセットコンロで耐えしのいでいたのですが、サバイバルモードになると、ガス缶が減るペースがめっちゃ早くなった記憶があります。

 

日頃は鍋パーティーとかそういうときしか使ってなかったので、なかなか減らない印象でした。でもガス缶は日常的に使うとなると、思ったより減るなぁ、という感想です。だからボンベ12本(政府広報オンライン公式ツイッターによれば)って、多いように見えますが、それぐらいは必要かなと思っています。大人2人分で12本となっているので計算上は1人だと6本になりそうなもんですが、私は心配なので12本用意すると思います。大人2人分と1人分で使うガスの量がそんなに違うとは思えないので。

 

 現金(小銭を含む)

まぁ、これは小銭とかも含め、何かあったときのため、既に今用意していますね。そもそも私は現金を扱うのが好きなので、今でも現金派です。電子マネーより、現金で買い物する方が楽しい

 

小銭は使い勝手がいいので、今以上に必要かもと考えています。自販機などが使える状況なのに、釣り銭切れで買えないなんてことになったら悲しいので。

 

 食べ物

これは言わずもがなです。おやつを買うといいらしいですね。能登半島地震のときに、怖くなって正月早々おやつ類をたくさん買う癖がついてしまいました。若い頃の私は基本的にお菓子を全然食べなかったので、周囲から珍しがられたりしていたのですが、今はつい買ってしまう。それまでの間食は、せいぜいたこ焼きとか調理パン、少量のスイーツを食べるぐらいだったのに。

 

でもあの時の正月から、怖くなって菓子類をまとめて買う→全部食べるを繰り返していて、全然備蓄できてないです。逆にお菓子を食べる習慣ができてしまったという...。

 

あとはコーヒーなどの嗜好品も忘れないようにしたい。まぁ何もなければ、平常時に飲めばいいだけの話だし。最近どんどん値上がりしているので、今のうちに買っておいたほうがいいかなと思っています。

 虫眼鏡

これも個人的に精神安定剤みたいな感じで、持っておこうかなと思っています。蠅の王の影響ですかね。

 自転車

自転車で移動する鈴木一家の画像

画像引用:サバイバルファミリー : フォトギャラリー 画像(8) - 映画.com

まぁこれは考え中です。高校時代は通学に使っていましたが。私はどんくさい(身体能力が低い)ので、あんまり乗りたくない。自転車買ったからと言って日頃から調子こいて乗って、転んで怪我をしたりしたくないからですね。

 ソーラーチャージャー

これはいつか買おうとずっと思っていて、なかなか購入にいたらないアイテムです。時々ちょっとした停電が起こったときに、あれを買っとかなきゃって、思う感じ。

 

映画【サバイバルファミリー】は矛盾してるか?疑問点3つ

 バッテリー補充液は本当に飲めるのか?

劇中には賢司がバッテリー補充液(たぶん)を見つけ「精製水だから飲める」と言うシーンがありました。しかしAIさんによる概要によれば、

バッテリー補充液(主に精製水)は飲料用ではないため、絶対に飲んではいけません。成分は純水に近いですが、飲料用としての衛生管理がされていないため雑菌が繁殖しやすいです。

とありました。映画で観たからという理由だけで、安易に飲まないほうがいいかもしれません。ペットボトルの水を買い置きするなど、万全な準備をしておいたほうがよさそうです。

 

 結局停電の原因はなんだったのか?

田舎道を自転車で進む鈴木一家の画像

画像引用:サバイバルファミリー : フォトギャラリー 画像(14) - 映画.com

映画の終盤に「2年半前に突如起こった同時停電について、専門家は、大規模な太陽フレアか、彗星の異常接近が原因ではないかと...」というニュースが流れました。これが原因ではないかということですが、はっきりしたことはわからないままです。サイバーテロなどではなかったようでした。

 

電池で動く目覚まし時計や充電したはずのスマホが使えなくなったのは何で?と疑問に思われた方も多いでしょう。よくわかりませんが、これも太陽フレアの影響というところでしょうか。

 

 猫缶や犬缶は食べても大丈夫?

基本的には自己責任ということになるでしょうね。そもそも「食品」として作られていない。

 

少量味見するくらいなら、大丈夫という噂もありますが、どうなんでしょうか。まぁ、個人的には食べたくないな。食べなきゃ◯ぬほどのピンチになったら、食べてみるかもしれません。

 

まとめ

ピクニックに行くわけでもあるまいし、こんなことウキウキして準備できるわけがない。そもそもイランと交渉すればいいはずなのに、腹立たしい限りです。

 

私は2~3年前ぐらいから、朝蛇口を捻るとあたり前に水が出る、ということに大きな感謝の気持ちを持つようになっていました。そしてこんな暮らし、いつまで続くんだろうとか、不安になってみたり…。

 

私だって何事もなく、平和で安心できる日常を愛しています。暗いことを想像するのは、悲しいし嫌です。でも、ここまで来たら、一応備蓄だけはしっかりしておいたほうがいいかなと思うようになりました。

 

いつか昨今の中東危機を想定した備蓄が、無駄だったねと笑える日が来ることを切に願います。早く世界が平和になってほしい。最後までお読みくださり、ありがとうございます!