アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

映画感想【バベル】ネタバレあり

バベル

原題:BABEL/上映時間:143分/製作年:2006年

バベル (字幕版)

 【あらすじ】一部ネタバレ

モッロコ住んでいる山羊飼いのアブドゥラは、知人から銃を買った。アブドゥラは子供達に銃の使い方を教える。山羊に近づくジャッカルを追い払う為だ。息子であるアフメットとユセフは互いに銃の腕を競い合うが、弟の方が銃の腕ははるかに上だった。兄が弟に遠くを走っている観光バスを指さして、「あのバス撃てるか?」と言う。まさか当たるとは思っていなかったが、これが見事に命中してしまう。一瞬ポカンとする兄弟2人。しかしこれが悲劇の始まりだった・・・。

 
Babel - Trailer

【感想】ネタバレあり

本作『バベル』はモロッコ・アメリカ・日本・メキシコを舞台に、様々な人々にスポットライトがあたる群像劇。意外な所からトラブルが発生し、そこか!と観ているこちらまで、意表をつかれたような気分になる映画です。内容的にはダークで暗い気分にさせられますが、映画としてはとても面白い。でも娯楽作品という感じではないですね。

カンヌ国際映画祭コンペティション部門」監督賞受賞。

また本作は第79回アカデミー賞で、作曲賞を受賞しています。

監督は『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『レヴェナント: 蘇えりし者』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥブラッド・ピットケイト・ブランシェット、日本からは役所広司、菊池凜子らが出演しています。

 

【モロッコ 】旅行中のリチャードとスーザン

夫婦であるリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)は3児を失くしてしまった悲しみから、互いの仲を修復させるべくモロッコへ旅行に来ています。そんな時何故モロッコへ?と思いましたがそれを聞くのは野暮というものでしょう。アメリカへ残してきた二人の子供は、ベビーシッターに任せています。

 

【モロッコ】アブドゥラとその子供達

山羊を追い払う為の銃で、うっかり観光バスを射撃してしまった兄弟は暗い気持ちで帰宅します。ところが街に買い付けに行った父親は、いつもより帰宅が遅い。ようやく帰ってきた父親アブドゥラは、「どうやらテロリストの仕業で、観光バスに乗っているアメリカ人が撃たれた」から遅くなったと言います。それを聞いて更に暗い気持ちになる兄弟。

 【日本】チエコとヤスジロー

親子二人暮らしで、高級そうなマンションに住んでいるチエコとヤスジロー。母親の自殺以来寂しい毎日を強いられるチエコ。チエコは聾亜である疎外感を感じながらも、めげる事無く、街へ出掛けていきます。

 

【アメリカ】アメリアとリチャードの子供達

代わりのベビーシッターが見つからなかったという内容の電話をリチャードから受け、困惑するアメリア。その日は息子の結婚式だったので、幼い子供二人を連れてメキシコへ向かう。

 

 この様な具合に場面が次々と切り替わり、ストーリーが展開していきます。

繋がっていない様で繋がっている、モロッコ、アメリカ、日本、メキシコのそれぞれの物語。ショックだったのは、特に途中まで順調そうに見えたメキシコのベビーシッターアメリアのストーリーが、一転二転と転がる様に悪化していく事です。こんな事ってあるのか!と砂漠の恐ろしさを知りました。

 

バベルと言う言葉を調べてみると【神の門】や【混乱】などの意味がある様です。またあの【バベルの塔】の逸話を連想させられます。

 

だから要はディスコミュニケーションの話かなと思った訳です。日本用に作られたポスターのキャッチコピーも「届け、心」でした。

 

確かにこの作品を観ていると、言葉が伝わる者同士のコミュニケーションが取れていないです。異国人同士で言葉が伝わらなくてもどかしいシーンもいくつかありますが、果たして共通言語さえあればこの問題は解決するのかなと思いました。

 

例えば登場人物達は、毎日顔を合わせ共に生活をしている人とのコミュニケーションが取れていない様に見えます。モロッコの山羊飼いの兄弟は常に行動を共にしながら、何処かいがみ合っている雰囲気。またリチャードとスーザンの旅行は、リチャードが一方的に計画した様に見えます(冒頭の二人の会話がギクシャクした感じ)。また日本でのヤスジローとチエコの日常的なやりとりも、何処かギスギスしています。更にチエコが本当に大切な事をメモで伝えたのは、手話が通じない警察官の男。優しい彼はチエコの気持ちを理解していたのだと思いました。

 

映画の終盤あたりでハッとしたのは、スーザンがようやく病院に入ることが出来た後に、ブラピがベビーシッターであるアメリアに電話を掛けていた事。てっきり同じ時間軸で場面が切り替わっていたと思い込んでいたのですが、そうではなかったのですね。同じシーンを別の角度から時間差で見せられる事によって、一瞬動揺しました。こういうクラクラする感覚、堪らないです。

 

二度か三度字幕版で鑑賞したのですが、出来れば日本語吹き替え版でも観てみたいです。新たな発見がありそうなので。感想を一言で言ってしまえば「良く分からないけど凄い映画」(笑)。でも一度見たら絶対に忘れられない作品だと思いました。