アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

過去1年間で観たSF映画(マイナー作品を含むおすすめ)21選【後編】

こんにちは。更新が遅れ時期がずれてしまいましたが、去年1年(2021年)ぐらいに観たSF映画。いよいよ後編です。ってこれを更新してしばらくすると、もう2023年が始まるから2022年の分も急がないといけません。今となっては21作品という中途半端な数に絞ったのも謎ですね。おそらく1記事7作品ぐらいでないと、読む方も疲れるだろうなと思いざっくりそう決めたのでしょう。まだまだあって「入りきらないな...」と今更ながら思っております。惜しくも選考から外れた作品もありますが、またおいおい何かの機会にご紹介できればと思っています。

作品の前に番号をふっていますが、順位ではありませんのでご了承ください。

※以下、適度にネタバレしています。ご注意ください。

15.ヒーローキッズ

原題:We Can Be Heroes/上映時間:100分/製作年:2020年

画像引用:https://www.facebook.com/robertrodriguezofficial

監督:ロバート・ロドリゲス

脚本:ロバート・ロドリゲス

製作:ロバート・ロドリゲス

出演:ペドロ・パスカル、プリヤンカー・チョープラー、クリスチャン・スレーター、サン・カン、テイラー・ドゥーリー、ボイド・ホルブルックほか

  作品概要

スパイキッズ』のロバート・ロドリゲス監督によるアクションファンタジー。『シャークボーイ&マグマガール 3-D』の続編的意味合いを持つ、ヒーローチーム版スパイキッズとも言える。

  ざっくりあらすじ(序盤)

地球にオギマ星人というパープル色のエイリアンがやってきて、スーパーヒーローらを襲った。ヒーロー集団の名前は「ヒロイック」。その子供らは本部の指揮官たちに、保護という目的から要塞に閉じ込められるが、協力し合い何とか脱出する。子供らはそれぞれ親と類似した特殊な力を持っており、その力はアニータ・モレノにより鍛えられた。強くなったキッズらは、ヒロイックのメンバーの元へ向かうが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど(ややネタバレ)

首や手など体の部位を自在に伸縮させることが出来るヌードルズ、歌声で物を動かすことが出来るアカペラ、顔を自在に変えることができるフェイスメイカー、時間を巻き戻し出来るリワインド、時間を進めることができるフォワード、瞬間移動などあらゆる能力を持ち合わせたワイルドカード、スローモーションで動くスローモーなど個性的なキッズヒーローたちの活躍ぶりをみることができる。

 

中でもシャークボーイとマグマガールの子供、最年少のグッピーがメチャクチャ強い。グッピー役を演じるのは、最近ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』のレイア役で話題になったヴィヴィアン・ライラ・ブレアちゃん。

 

ヒーローキッズに関しては、個別にレビューを書いておりますので、こちらも併せてご覧ください。↓

analogchan.hatenablog.jp

 

16.CODE8/コード・エイト

原題:Code 8/上映時間:99分/製作年:2019年

CODE8/コード・エイト(字幕版)

監督:ジェフ・チャン

脚本:クリス・パレ

原案:ジェフ・チャン

出演:ロビー・アメル、スティーブン・アメル、サン・カンほか

作品概要

2016年に作られたショートムービーを元に、製作されたカナダのSF映画。日本での劇場公開はなし。今(2022年10月4日現在)アマプラの、見放題の対象に入っているので、アマプラ会員の方はぜひ。

  ざっくりあらすじ(序盤)

舞台はリンカーンシティ。この街ではおよそ4%の人達が超能力を持っている。かつてはさまざまな分野で活躍をしてきた超能力者たち。しかし企業がハイテクマシーンを導入したせいで、この街では定職を持たないエスパーが増えはじめた。主人公コナーは、指から電気を発することができる超能力者だ。コナーの母親は病気であり、治療費が必要だった。しかしなかなかまともな仕事にありつけない。そんなある日、テレキネシス系の力を持つギャレットから、よからぬ仕事を持ちかけられるが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど

個人的な感想としては、本作品にワイ・スピのハン役であるサン・カンさんが出演されているので、もうそれだけで充分です。SF映画好きな私としては、内容もとても楽しめるものでした。近未来ディストピアが舞台ですが、サーバーパンクな都市描写などはなく、現代と変わらない街並みの中に、ぽっこりと警察のドローンが浮いていて逆に不気味でしたよ。貧困やヘイトなどの社会問題に焦点が当てられているように感じました。ドローンとロボット警察の造形がとても美しいです。飛行中の大きなドローンの中から、2機の小型ドローンが出てきたりしてカッコイイ。やるな!と思いました。

 

この映画好き!細かいレビューはこちらです

↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓

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17.アイ・アム・マザー

原題:I Am Mother/上映時間:113分/製作年:2019年

I am Mother

監督:グラント・スピュートリ

脚本:マイケル・ロイド・グリーン

原案:グラント・スピュートリ、マイケル・ロイド・グリーン

出演:クララ・ルガアード、ヒラリー・スワンクローズ・バーン(AIの声)

  作品概要

オーストラリアのSF映画。日本での劇場公開はなし。人工知能に育てられた女性が年頃になり、徐々に育ての母である人工知能ロボットを疑い始めるストーリー。

  ざっくりあらすじ(序盤)

隔離された施設の中で、1人の女の子がAIによって育てられる。女の子はやがて成長し、若い娘となった。施設の外は大気汚染されているから、外出は許されていない。ある晩、娘は施設内で小さなねずみを見つけた。彼女にとっては、生まれて初めて出会った生き物である。しかしそれを見つけた母親AIは、無残にもそのネズミを焼却炉に入れてしまった。菌を持っていると危険だからという理由であったが、あんまりのことに娘は言葉を失う。その日以降娘は、この母親を疑い始めた。もしも外が大気汚染などされていなかったら?迷い込んできたネズミは生きていたのだ。そんなある日、銃で撃たれた女性が助けを求めてやってくるが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど(ややネタバレ)

自分がはじめて、この作品の存在を知ったのは、確か2019年。サンダンス映画祭でプレミア上映されているという情報をツイッターで得たからだと思います。その後、昨年ネトフリで見つけて、即鑑賞しました。登場人物はほとんど3人。序盤から終盤にさしかかるまでの物語は、ほぼ施設の中で進行します。いわゆる密室劇なのですが、物静かで淡々とした中にもヒヤッとする、身震いするような仕掛けが処々盛り込んでありました。選民思想のある母親AIに対し、人間の女の子はどんな人も生きる権利があることを本能的に知っている。

 

本作品に登場する母親AIは、嫌な部分も含めて人間オマージュがよくできているといった印象です。しかし、やはりAIだから、いくらたくさんの情報や知識を得ても人間の母親と少しズレてる時があって面白いです。例えば、娘の誕生日に渡すパジャマが、以前使用していたのと全く同じデザインだったり...。ハイジのおんじかよ!って思いましたね。とにかく、かなりおすすめです。

 

18.明日への地図を探して

原題:The Map of Tiny Perfect Things/上映時間:99分/製作年:2021年

明日への地図を探して

監督:イアン・サミュエルズ

脚本:レヴ・グロスマン

原作:レヴ・グロスマン

出演:カイル・アレン、キャスリン・ニュートンほか

  作品概要

劇場未公開作品。レヴ・グロスマンの短編小説をイアン・サミュエルズ監督が映画化。タイムループに囚われた男女の精神的成長が描かれている。劇中の会話では映画『恋はデジャ・ブ』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』に触れられている他、主人公らが『バンデットQ』を観るシーンもある。

  ざっくりあらすじ(ネタバレあり)

主人公マークは、ひたすら同じ毎日を送っている。プールに落ちそうな女の子を助けたり、風邪を引いている老人に「お大事に」と言ったり。彼は、その日起こることを知り尽くしていた。そんなある日プールサイドで、同じ境遇にある女の子マーガレットを見つける。

 

マークとマーガレットはその1日に関してだけは、とても詳しかった。互いにお気に入りの瞬間をシェアしながら過ごす2人。しかしマークがループする毎日から意義を見出そうとするのに対し、マーガレットは「私はただやり過ごしているだけ」と言う。次第にいつまでたっても恋の進展がないことにマークは焦りを感じ始めるが、マーガレットはループから抜け出せないことをさほど不満に思っているようすもなく、むしろそこにとどまろうとする。また、マーガレットの携帯はいつも夕方6時に鳴り、急いでマークの元を去った。マークはマーガレットが自分以外の男性と会っているのではないか?と疑うが...。

 

  感想、おすすめポイントや見どころなど(ネタバレあり)

昨年アマプラで配信されてから、わりとすぐに観ました。有名どころでは『恋はデジャ・ブ』などのタイムループものと近い感じの作品です。劇中には「それってビル・マーレイが上司と寝るまで同じ日を繰り返す映画?」ってセリフもありました。本作は、毎日同じ日が続いている主人公のマークが同じ境遇の女の子を見つけるというストーリー。設定が設定だけに、ティーンに好まれそうなテイストであることは否めません。また若干演出に特徴があり(小洒落た感じ)、好みは分かれるところだと思います。

 

後半では、このマーガレットがループする毎日を受け入れて生きている理由が明かされます。そして、これはマークではなく、マーガレットの物語だったのだと分かる。ちょっとしたサプライズです。案外深いテーマで驚かされました。

 

 

19トランス・ワールド

原題:Enter Nowhere/上映時間:89分/製作年:2011年

トランス・ワールド(字幕版)

監督:ジャック・ヘラー

脚本:ショーン・クリステンセン、ジェイソン・ドラン

出演:スコット・イーストウッドキャサリン・ウォーターストンサラ・パクストン

  作品概要

クリント・イーストウッドの息子、スコット・イーストウッドの初めての主演作品。謎の森に迷い込んだ男女が、困惑する姿がよく描かれている。アクションシーンは終盤に少しあるだけだが、終始程良い緊張感が続く。よく考えられたシナリオだと思うし、地味~に良作。

  ざっくりあらすじ(ネタバレあり)

ジョディは、恋人とガソリンスタンドで強盗した際、店主を殺害してしまった。森の中を彷徨っていたサマンサは、小さな小屋を見つける。小屋の主はトムという名の若い男性で、彼も少し前に森の中に迷い込んだのだった。その後、不良娘ジョディも合流。サマンサ、トム、ジョディの主張する現在位置は各々違っており、今どこの森にいるのかすら分からない。小屋を後に新たな場所を探そうとする3人だが、随分歩いたあげくたどり着いたのは、先程までいた小屋であった。どうなってるの???完全パニックの3人の前にハンスという名のドイツ兵が現れる。実はハンスはサマンサの父で、戦死する運命にあったのだが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど(ネタバレあり)

気になっていたのにずっと観ていなかった作品です。昨年夏ごろにようやく視聴しました。異なる時代、場所からトランスポートしてきた男女3人が森の中で出会うという設定は、わりと新鮮ですね。3人の会話がどこか話が噛み合わないことで、徐々にそのことに気付かされました。3人はそれぞれ死ぬ運命だったのですが、ハンスが現れることで、自分らの運命を変えることができると気付く。そこからは、「あいつを生かしておけ!」ともう必死ですね(笑)それぞれが生きていた時代が違うことが、小道具などでさりげなく表わされていて、丁寧な作りだと思いました。

 

20.Mute/ミュート

原題:Mute/上映時間:126分/製作年:2018年

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画像引用元:https://www.facebook.com/Mute

監督:ダンカン・ジョーンズ

脚本:ダンカン・ジョーンズ、マイケル・ロバート・ジョンソン

出演:アレクサンダー・スカルスガルド、セイネブ・サレー、ポール・ラッドほか

  作品概要

デヴィッド・ボウイの息子で、『月に囚われた男』や『ミッション: 8ミニッツ』で知られるダンカン・ジョーンズ監督の作品。監督は月に囚われた男を3部作にしようと構想を練っており、本作品『Mute/ミュート』はその2作品目にあたる。

  ざっくりあらすじ(序盤)

主人公レオは、声が出ない。母親の宗教信仰上の理由から、幼少時適切な手術を受けることができなかったのだ。大人になったレオは、ナイトクラブでバーテンダーをしていた。レオは同じ店で働くナディーラに恋をしていた。しかし、ある晩ナディーラに絡む客にキレたことをきっかけに、レオの人生は狂い始める...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど

細かいことは言いませんが、何かぶっ飛んでるな、という印象。珍風景の連続とも言えるでしょう。サイバーパンクな都市の描写などは、ブレランっぽいですが、こういうのはいくつあってもいいと思います。奇抜なグロ描写も多いので、そっち系が苦手な人は注意が必要ですね。ラストはさりげなくハッピーエンドで、少しほっこりしました。

 

21.トランセンデンス

原題:Transcendence/上映時間:119分/製作年:2014年

トランセンデンス(字幕版)

監督:ウォーリー・フィスター

脚本:ジャック・パグレン

出演:ジョニー・デップレベッカ・ホールポール・ベタニーキリアン・マーフィー、モーガン・フリーマンケイト・マーラほか

  作品概要

製作総指揮にクリストファー・ノーランが入っている。そして監督は『インセプション』やダークナイト3部作など数多くのノーラン作品の撮影監督を務めた、ウォーリー・フィスター。しかし、評価は賛否に分かれた。タイトルは『トランセンデンス』=超越。しかしSF作品としてこれといって超越した所もなく、評判が悪かった理由の一つはそこかも知れないと思います。

  ざっくりあらすじ(序盤)

主人公の科学者ウィルはその妻エヴリンは、日々人工知能PINNの開発を進めていた。しかし、ある日ウィルはリフトと呼ばれるテロ組織からの銃撃をくらってしまう。リフトの人々は、人工知能の開発に激しく反対していた。ウィルは何とか一命をとりとめるが、寿命はそう長くないと知る。エヴリンは、夫の意識を残しておきたい、という一心で、ウィルの意識をPINNにアップロード。ウィルの死後2人(エヴリンと人工知能のウィル)は廃れた町を見つけ、その地下に研究施設をじわじわと作っていった。そして2年後...研究ははかどり驚異的な治癒能力を持つナノマシンを開発したが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど(ややネタバレ)

これ何年か前にケーブルテレビで観たつもりでいたのですが、実は見さしてましたよ(汗)。で昨年動画配信で改めて観てみたら、最後まで観ていなかったことに気付きまして...。しかも私の頭の中では、キアヌの『レプリカズ』と話が若干混ざっていましたね。結構前の作品ですが、英・中・米の合作で主演はジョニー・デップ。だから、わりと大作感もあります。個人的に、後半以降の展開は案外好みでした。すっげぇ廃れた町に行き、そこを開発していく展開とかにはめっぽう弱いですね。

 

以上となります。入りきらなかったのですが『シー・ユー・イエスタデイ』や『隔たる世界の2人』なども良かったですよ。また何かの機会にご紹介できればと思います。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます。では、また!

 

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