プレステージ【映画感想】完全ネタバレ
プレステージ
原題:The Prestige/上映時間:130分/製作年:2006年
- 監督:クリストファー・ノーラン
- 原作:クリストファー・プリースト
- 脚本:クリストファー・ノーラン、ジョナサン・ノーラン
- 出演:ヒュー・ジャックマン、クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、スカーレット・ヨハンソン、レベッカ・ホール、デヴィッド・ボウイ他
【あらすじ】一部ネタバレ
舞台は19世紀末のロンドン。アンジャー(ヒュー・ジャックマン)とボーデン(クリスチャン・ベール)という若き手品師達がいました。2人はマジックの助手をやりながら、互いの腕を競い合っていました。そんなある日、水槽脱出マジックのミスでアンジャーの妻が溺死します。紐を結んだのはボーデンでした。この悲劇的な出来事を境目に、アンジャーはボーデンを憎む様に。アンジャーはボーデンのマジックショーを邪魔したりして、徹底的に嫌がらせをし過去の恨みを晴らそうとします。
https://www.youtube.com/watch?v=WhAXMC6ZiU4
【感想】完全ネタバレ
マジックを題材にした映画作品になかなか興味が持てなかったのですが、想像していたよりもはるかに面白く鑑賞する事が出来ました。マジシャンのトリックなども明かされるので、マジックに興味がある方にはお薦めです。私は子供の頃からテレビなどでマジックショーを見ると、何故か物悲しくなったりしていたのですが、この作品を観る事でその理由が解った気がしました。しかし後で冷静に考えると19世紀が舞台ですから、現代とはトリックなど随分やり方も違っているのかも知れないです。
この作品は1度観終わった後、またすぐに見返したくなる映画です。この手のマジック・超常現象ものと同様に、最後に大きなどんでん返しがあります。『グランド・イリュージョン』の様な高揚感はないですが、表面的には拍手喝さい浴びていながら、裏では涙ぐましい努力や隠し事をしているマジシャン達の姿が描かれています。
本作を未見の方は、ここから先は鑑賞後お読みになる事をお薦めします。
ここから先完全ネタバレ
大どんでん返しのボーデンが二人いる件ですが(いきなり結論)、この二人は性格が全く違うので、コピーじゃなく双子ではないかと思います。サラを愛していたボーデンは優しく、マジックのトリックに固執したボーデン(ファロン)はアンジャーの助手であったオリヴィアを愛していました。もしもコピーなら、こんなに性格が違うって事はあり得無いのでは?と解釈したのです。ただコピーであっても育った環境によって、性格が変わる事はあり得ますね。謎です。
私は一度目の鑑賞の時からボーデンが二人いるのではないかと、内心密かに疑っていました。それはボーデンの奥さんサラ(レベッカ・ホール)が言う「今日はウソ」って言うセリフからです。それが妙に気になり「まさか二人いるのでは?まさかね・・」って思って鑑賞していました。しかしこれが本当に二人いたとは。マジックの最中だけでなく、人生に於いて、周囲の全ての人をだまし続けなければならない苦悩は半端ないと思います。
しかしそれよりも私が驚いたのは、アンジャーがテスラの装置でマジックの度に毎回自身のクローンを作っては、自分は死んでいた事。恐ろしい。人気を維持する為にここまでやるとは。いくら科学の技術があったって、並大抵の精神力じゃこれは出来ませんよ。
この二人、本当にどうかしてる(正確に言えば3人)。 よってアンジャーにもボーデンにも、感情移入出来ませんでした。
不気味だけど印象深くて好きなシーンは、天才科学者ニコラ・テスラ(デヴィッド・ボウイ)の転送装置が複製装置だと分かった瞬間。庭にシルクハットが大量に落ちているシーンは絵的にかなり不気味です。ミステリーにSFっぽい要素が加わり、本来なら興ざめする所ですが、他のシーンとイマイチ馴染まないアンバランスな感じが良いと思いました。この唐突な感じは、何処かリンチっぽいです。テスラの屋敷の室内も、19世紀の雰囲気が感じられません(笑)。
とは言えやはり本作最大の謎は、本当にボーデンは双子なのか?テスラの装置を使ったのではないかと言う事。多くの人がボーデン双子説とボーデンコピー説を唱え意見が分かれているみたいですが、考えるとややこしくなったので考えるのを止めました(笑)。一度原作を読んでみたいと思います。