アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

【ヒーローキッズ】映画感想★完全ネタバレ

ヒーローキッズ

原題:We Can Be Heroes/上映時間:100分/製作年:2020年

画像引用:https://www.facebook.com/robertrodriguezofficial

監督:ロバート・ロドリゲス

脚本:ロバート・ロドリゲス

製作:ロバート・ロドリゲス

出演:ペドロ・パスカル 、ヤヤ・ゴセリン、クリスチャン・スレーター、サン・カン、ボイド・ホルブルック、プリヤンカー・チョープラーほか

 

こんにちは。今回は昨年ネトフリを引いてから、すぐに鑑賞した『ヒーローキッズ』の感想です。ワイスピシリーズのハン役サン・カンが出演しているのと、ロドちゃん映画が個人的に好きなので鑑賞しました。結婚してないので、子供と観た訳ではありません。

 

キッズ向け映画の良い所は、まず残酷描写が全くないところですね。なんだかんだ言って、極端に血生臭いのは苦手なアナログちゃんです。だからロドちゃん映画は好きなのですが、『デスペラード』とか『プラネット・テラー in グラインドハウス』とかは、結構きつかった(汗)その点『ヒーローキッズ』は、安心してロドリゲスワールドを楽しむことができますね。

 

  映画【ヒーローキッズ】の概要

監督はロバート・ロドリゲス。古くは『デスペラード』や『フォー・ルームス 』の第3話、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』などB級感溢れる作風の監督として、知られていました。タランティーノ監督の盟友とも言われていますよね。

 

そんな彼が2001年にこれらとは異なるテイストの子供向け映画『スパイキッズ』を製作。何とこっちの方が興行収入が良かったという...。トホホ。そして本作品『ヒーローキッズ』もロドリゲス監督のそっち系統の子供向け映画という事になります。また本作は、一般的には『シャークボーイ&マグマガール』の続編的作品とも言われてますね。でも物語自体は全く別の話なので、いきなり『ヒーローキッズ』から観ても大丈夫です。まぁ、単に大人になったシャークボーイとマグマガールが登場するということだけなので。『シャークボーイとマグマガール』も面白いので、興味がある方はぜひ!

 

  ヒーローキッズの主な登場人物【ネタバレあり】

たくさんのヒーローがいらっしゃって、一気に登場するので、誰が誰だかちょっと分かりにくい。アメコミ映画のヒーロー達みたいに、映画毎に小出しに出てきて覚える...みたいな余裕がないんです。だから、一応ここに全ヒーローをご紹介しておきます。

※ここでは便宜的にヒロイックのメンバーを大人ヒーローチーム、その子供らを子供ヒーローチームと分けておきます。

子供ヒーローチーム

画像引用:https://www.facebook.com/robertrodriguezofficial

ミッシー・モレノ(演:ヤヤ・ゴセリン)上の画像の中央

この物語の主人公。自分自身にはこれといった超能力がないというコンプレックスを持っているが、チームのリーダー的役割を任される。父親はリーダーのマーカス・モレノ。可愛いヒーローですが、ちょっと人遣いが荒いです。

 

ワイルドカード(演:ネイサン・ブレア)上の画像の左から2番目

瞬間移動などあらゆる能力を持ち合わせているが、序盤ではなかなか力を発揮できない。最初の内は、ミッシーがリーダーであることを認めなくて、嫌味を言ったりもする。しかしミッシーのおかげで、他人の間違いより、自分の正しさを証明すべきだと気付き、大きな力を発揮できるようになった。

 

スローモー(演:ディラン・ヘンリー・ラウ)上の画像の右から2番目

高速で動いているのに、時間のゆがみから抜け出せない。だからスローモーションで動いているように見える。そしてスローモーの父ジェットスピードは、逆に最速で動くことができる。

 

イールズ(演:アンディー・ウォーケン)上の画像の左下

筋肉が強すぎて骨折する恐れがあるため、車いすを使用している。物知りで頭脳明晰、天才。

 

グッピー(演:ヴィヴィアン・ライラ・ブレア)上の画像の右下

チームの中で最年少の女の子。父親はシャークボーイ、母親はマグマガール。水を操りさまざまな形にすることが可能。またこの力を発揮した時、怪力を持てる。演じているヴィヴィアン・ライラ・ブレアは、ネトフリで話題になった『バード・ボックス』にも出演しています。

 

アカペラ(演:ロータス・ブロッサム)上の画像の左から4番目

歌声で物を動かすことが出来る。劇中では、非常に活躍の場が多かった。母親はミセス・ヴォイス。

 

ヌードルズ(演:ライオン・ダニエルズ)上の画像の右端

首や手など体の部位を、ゴムのように自在に伸縮させることが出来る。ミッシーに頼られまくりで、出番がとても多かった。

 

フェイスメーカー(演:アンドリュー・ディアス)上の画像の右から3番目

顔を自在に変えることができる。よって自分以外の誰かになりすますことも可能。そのような意味ではX-メンのミスティークにも似ているが、顔自体を変えることができるので、目を極端に大きくしたりも出来る。ユニークなヒーロー。

 

リワインド(演:アイザイア・ラッセル=ベイリー)上の画像の左から3番目

時間を巻き戻すことができる。男女双子のきょうだいで男の子の方。褒められると嬉しくて何度も巻き戻し、フォワードからウザがられる。

 

フォワード(演:アキラ・アクバル)上の画像の右から4番目

時間を早送りすることができる。男女双子のきょうだいで女の子の方。リワインドが巻き戻した時間を、早送りする場面もあり。

 

オホ(演:ハラ・フィンリー)上の画像の左端

5分後の未来を予知し、絵で表現することができる女の子。親がいるかどうかは不明。実は○○○○○だったことが、物語の終盤で明かされる。何となく、エスターっぽい雰囲気。

 

大人ヒーローチーム

マーカス・モレノ(演:ペドロ・パスカル)ミッシー・モレノの父

ヒーローチーム「ヒロイック」のリーダー。現場での戦闘を引退しヒロイック本部に勤務していたが、エイリアンの侵略を受け急遽出動する。演じているのは、マンダロリアンペドロ・パスカル

 

アニータ・モレノ(演:アドリアナ・バラッザ)マーカス・モレノの母

マーカスの母で、ミッシー・モレノの祖母。いがみ合ってばかりいるヒロイックのメンバーに呆れ、次世代の子供達に期待をかける。演じているアドリアナ・バラッザは、バベルの家政婦役でも有名。今回は子供達のためにしたことが、ちゃんと実って良かったですね。

 

テクノ(演:クリスチャン・スレーターワイルドカードの父

劇中で彼が主にした事は、セキュリティモニターの修理ですかね。得意技、超能力の種類分からず。でも、おそらく自分自身の小道具などを作ってそうです。

 

ジェットスピード(演:サン・カン)スローモーの父

身動きの速さは、世界最速。一瞬で色々なことを試すことができる。冒頭ではテープカットの真っ最中に飛び込んでいき、テープを切った。演じているのは『ワイルド・スピード』シリーズハン役で有名なサン・カンさん。最近、彼の活躍の場が多くて嬉しいです。5/27からディズニー+で配信の『オビ=ワン・ケノービ』のドラマにも出演予定。

 

ラクル・ガイ(演:ボイド・ホルブルック)ホイールズの父

劇中彼は、大統領に面と向かって「あなたには投票してない」と言っておられました。そこがちょっと、面白かったです。『ザ・プレデター』で有名なボイド・ホルブルックが好演。

 

シャークボーイ(演:ジェフリー・J・ダシュノー)グッピーの父

子供の頃竜巻のせいで父親とはぐれて以来、サメに育てられた。おかげで背びれや強靭な歯を持つ(『シャークボーイとマグマガール』より)。シャークボーイだけが劇中ずっとマスクを着けているのは、テイラー・ロートナーが出演できなかったから。演じているジェフリー・J・ダシュノーはスタントマンとしても活躍しているようですね。よくは知りませんが。

 

マグマガール(演:テイラー・ドゥーリー)グッピーの母

指先から火山のマグマを出し、鉄などを溶かすことができる。子供の頃は自分のことを破壊者だと思っていたがマックスのおかげで、自分は光のような存在なのだと知る(『シャークボーイとマグマガール』より)。大人になったテイラー・ドゥーリー本人が出演。髪の毛がピンク色で素敵です。

 

ミセス・ヴォイス(演:ヘイリー・ラインハート)アカペラの母

娘のアカペラと同じく、声が何らかの力を発揮するよう。おそらく超音波を出すことができるのでしょう。歌声がとても美しいです。

 

インビジ・ガール(演:ジェイミー・ペリッツ)ヌードルズの母

インビジというぐらいだから、透明人間系なのでしょう。この方はちょっと出番が少なくて、黒っぽいコスチュームを着ています。劇中ではレッド・ライトニング・フューリーから「消えて!インビジ・ガール」と言われていた。序盤にほんの一瞬だけ姿を消すシーンがあります。

 

クラッシング・ロー(演:ブレントリー・ハイルブロン)フェイスメーカーの父

このヒーローもどんな性質の能力を持っているのか、ハッキリとは分かりませんでした。冒頭に市庁舎に突っ込むシーンがありまして...。だから、何かを壊すのが得意なのかなと思いました。名前からしてもそんな感じです。

 

レッド・ライトニング・フューリー(演:ブリタニー・ペリー・ラッセル)リワインド、フォワードの母

双子きょうだいの親。夫はクリムゾン・レジェンドで、敵から襲撃されている時も軽く夫婦喧嘩を披露。得意技分からず。

 

クリムゾン・レジェンド(演:J・クイントン・ジョンソン)リワインド、フォワードの父

双子きょうだいの父親。得意技分からず。妻はレッド・ライトニング・フューリー。

それ以外の登場人物

ミス・グラナダ(演:プリヤンカー・チョープラー)

かなりクセの強いキャラクターですね。ヒロイック本部の指揮官だと思われていたが、実は○○○○○だった。

 

ニール・アナミ大統領(演:クリストファー・マクドナルド)

また、大統領かよ!この方は『スパイキッズ2 失われた夢の島』でも大統領役でした。出番は少ないものの、インパクトはありますね。

 

スパイキッズシリーズの2作品目『スパイキッズ2 失われた夢の島』。これ、マジで面白いので、もしも未見でしたらおすすめです。↓ ↓ ↓ ↓ ↓

 

  ヒーローキッズのざっくりあらすじ【ネタバレあり】

地球にオギマ星人というエイリアンがやってきて、「ヒロイック」と呼ばれるスーパーヒーロー集団を襲った。ヒロイックは、政府公認のヒーローが集まった組織なのだ。その子供らは、保護という目的でヒロイック本部の要塞に閉じ込められる。主人公のミッシーも、急遽ミス・グラナダに連れられこの部屋に入り込んだ。他の子供らは皆、親から受け継いだ超能力を持っており、それぞれの能力や得意技をミッシーに披露。一方彼らの親であるヒロイックのメンバーは、エイリアンに捕えられてしまった。子供らは、協力し合い親たちの救出に向かうが...。

  ヒーローキッズの感想【完全ネタバレ】

サン・カンが出てるから、もうそれだけで嬉しい

画像引用元: https://www.facebook.com/SungKangOfficial

改めて見返してみて、いやサン・カンかっこいいなぁ...と。イエローとブラックのスーツは、ブルース・リーのトラックスーツを連想させられました。でも能力的にはフラッシュみたいな感じ。最速で走ることができるの、非常に羨ましいですね。私は走るのが遅く(特に短距離走)、小学生の頃男子から「お前のタイムで、カールルイスなら2倍走れるよ!」と言われたことを思い出しました(泣)

 

ジェットスピードって役名は、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』に似てますね。序盤では皆が空を飛んでいるのに、エアーランを披露されていました。ラスト、息子であるスローモーくんが自分の元に走って来るのを辛抱強く待ち続ける姿からは、父親役としての貫録も感じさせられます。スローモーくん(上記画像の下の少年)は、謎の存在ですね。なぜ彼はゆっくりなのか?でも心優しく、マイペース、好感度も高めです。スローモーくんの名場面を集めた動画はこちら ↓ ↓ ↓

 


 

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「ゴー~~ダァ~~ド」(笑)また、サン・カンが出演する『オビ=ワン・ケノービ』のドラマも楽しみです。こちらは5/27からディズニー+で配信される予定。

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子供達に伝えたいメッセージが明確

画像引用元: https://twitter.com/Rodriguez

最近はアメコミ映画なども話が複雑になっていて、純粋に子供のために作られたヒーローものは意外と少ない。大人も楽しめる子供向けヒーロー映画ではなく、子供も楽しめる大人向けヒーロー映画が増えてきたなと。そんな中この『ヒーローキッズ』は、伝えたいメッセージがストレートに入り込んでくるので、非常に分かりやすくて良いと思います。

 

元々、ヒーローものというのは子供のためのものだったはずなのに、最近はレイティングもかかりまくりで、それを喜んで観ている私も随分大人げないですね(笑)その点『ヒーローキッズ』は伝えたいメッセージがはっきりしすぎていて、大人の私が観れば「何か説教くさいな」と感じる部分もあるのですが、多分、子供は素直なので、そんなこと思わないのでしょう。

 

ロドリゲス監督のスパイキッズ系統からの観点で見ると、今回はちょっと乗り物とかが洗練されてて、引き算のデザインになったような気がします。ある意味、玩具っぽい乗り物や小道具が減った。

 

一方でヒロイックの大人ヒーローたちのコスチュームや活動内容には、未だちょっとだけB級感が漂っていて、とても良いなと思いました。政府公認ヒーローのはずなのですが、何となく自警団っぽいムードを持ってますよね。そもそも子供版アベンジャーズだという先入観で鑑賞するから、何らかの違和感を感じる訳で、ロドリゲス映画だと思って観れば、ノープロブレムですよ。私は、そう思います。

 

大人ヒーローたちは、人間関係も若干複雑で、軽くいがみ合っている。その子供らが協力し合ってヒロイックのメンバーを助けるため四苦八苦するのですが、子供が親を助けるというシナリオは、スパイキッズの世界観をまんま受け継いでいると思います。

 

ラストのどんでん返しに関しては、別にいらなかったんじゃないか?とも思いますね。悪を完全に倒すというよりは、悪い方へ向かうキャラクターたちも改心するみたいな平和的なオチが『スパイキッズ』や『シャークボーイとマグマガール』にはあって、よく考えられたシナリオだなと思っていたのですが、今回のはちょっと強引すぎるのではないかと...(笑)。

 

いずれにしても、これはあくまで個人的な解釈ですが、ロドちゃんキッズ系映画からは「悪者を徹底的に叩きのめすのではなく、なるべく悪者を増やさない様に努力しようね!」的なメッセージが伝わってきます。そこが好きなんだな、きっと。

 

本作品は2020年12月25日に配信が開始されて以来、驚異的な試聴数(わずか配信4週間で4,400万世帯ぐらいが視聴)だったため、すぐさま続編が出るような話になったようです。楽しみですね。俳優さんたちがとても豪華だった。ありがとう。