アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

これはSF映画ですね【デジャヴ】映画感想完全ネタバレ(前編)

デジャヴ (吹替版)

原題:Déjà Vu/上映時間:127分/製作年:2006年

製作: ジェリー・ブラッカイマー

監督:トニー・スコット

脚本:テリー・ロッシオ、ビル・マーシリイ

出演:デンゼル・ワシントンポーラ・パットンヴァル・キルマー、アダム・ゴールドバーグ、ジム・カヴィーゼル

デジャヴ【あらすじ】ネタバレあり

543名もの犠牲者を出したフェリー爆破事件が起こった。捜査官ダグ(デンゼル・ワシントン)は、現場近くで、事件の一時間前に見つかった女性の死体が鍵を握っているのではないかと直感した。爆発の犠牲者に偽装されたその女性はクレア(ポーラ・パットン)といい、ダグはその顔を見た瞬間、何故か既視感を感じる。捜査は驚くべき監視システム「タイム・ウィンドウ」を使って行われた。これを使えば約四日前の過去を監視することが出来るのだった。

https://movie.walkerplus.com/mv36092/

デジャブ【感想】完全ネタバレ

念の為ご説明させて頂きますと、デジャブとは既視感の事です。「あっ待って!今デジャブ」とか言って、いちいち会話を中断する人いますよね。あれです。私も時々やります(笑)。

 

タイトルやポスターを見る限り、この映画がSF映画だと思う方は少ないでしょう。ミステリーかサスペンス、その様なジャンルを想像する人も多い筈です。

 

監督は故トニー・スコット。彼はリドリー・スコットの弟ですが、お亡くなりになられて残念です。お兄様が偉大なだけにトニー・スコットの評判は、賛否ある様ですが私は彼の作品が結構好きです。タランティーノの脚本を初めて世に送り出した、トゥルー・ロマンスの監督も彼ですし。また自分の場合、彼の名前を全く意識していない若造の内からトップガンビバリーヒルズ・コップ2、デイズ・オブ・サンダー、ラスト・ボーイスカウトと彼の作品を無意識に過剰摂取している訳です。だから今更、到底嫌いになんてなれません。

 

 

出演はデンゼル・ワシントントニー・スコット+デンゼル・ワシントンがタッグを組んだ作品では『サブウェイ123 激突』や『アンストッパブル』などもあります。ちなみに、この2作はいずれも列車が止まらなくなる話です。列車が止まらなくなる話を2本もたて続けに撮るなんて、とても正気とは思えない。で本作品はその2本の前に撮られたものになる訳です。

 

この作品はSF+サスペンス、あとは若干ラブストーリー要素もあったりして、そこが良いと思いました。

 

またお断りしておきますが、劇中には非常に不愉快になる場面があります。それはデンゼルが洗面所ではない所で、歯磨きをしているシーンです。ゆすいだ口の中の水を、空の紙コップにいちいちぺっと吐き捨てるという場面ですなのですが、汚いよ!

 

先日の朝コンビニで買い物をしている際に、よりにもよってふっとこのシ-ンが私の頭をよぎりました。そしてあの映画何だったっけ?と思ったのです。その後ちょっとしたデジャブ現象がありまして、この作品の存在を思い出し、レビューを書くに至ったという訳です。しかしこれプライマーレベルで解釈が難解。しまった(汗)。よってレビューが長くなる可能性があるので前編・後編に分けさせて頂きます。

 

 始まって5分ぐらいで大型フェリーが大爆破

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画像引用:https://blogs.yahoo.co.jp/unno1/31767336.html

 

さて冒頭から、エンディングかなと思う程のスローモーションの多様。トニスコ節炸裂です。更に海軍兵やその家族を乗せたフェリーが大爆破するという、これまたいきなりな展開。しかしこの事故で534名も犠牲者が出てしまいます。そこへ現れたのはATF(アルコール・タバコ・火器局)捜査官のダグ(デンゼル)。安置された死体の中からは、ダグと同じ携帯の着信音が聞こえます。ダグはこの事故をテロと判断、FBIはそれを世間に発表します。

 

同じ頃クレア(ポーラ・パットン)という若い女性の水死体が発見されます。見つかった時刻がテロの直前であった為、彼女がこの事件の謎を解くカギになるとダグは言いました。ダグがクレアの自宅を捜査すると、「U CaN SAVe heR (お前は彼女を救える)」と言うメッセージが残されています。更には休暇中であった彼の相棒のラリーもこのフェリー爆破事故で、命を落とした事が判明。FBIに見込まれたダグは、ラリーの事もありこの事件の捜査に協力する事になりました。そして彼はある場所に案内されます。

 

 ハイテクマシンのタイムウィンドウ

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画像引用:https://movie.walkerplus.com/mv36092/

 

で1つ目の山場として、タイムウィンドウという監視システムを見せられます。これは7機もの監視衛星が地球の周りをぐるぐると回り、監視するシステムだと説明を受ける。別名はスノー・ホワイト(白雪姫)。これが非常に上手く出来ているなと思ったのは、便利なのですが過去のデータから作りだしている為、4日と6時間前の映像しか見る事が出来ない。よって事件が起きた時間に何処を監視しておけば良いのか、ダグに推測して欲しいという依頼なのです。

 

ざっくり言えばGoogle Earthの人や車が動く版と言うか、進化版の様なイメージですかね。でもこれはあくまで再現映像だから、データの処理に時間が掛かって、4日と6時間前の映像しか監視する事が出来ないと、という説明を受けるダグ。でもダグは何か疑っているのです・・・。

 

※そしてここから更に重要なネタバレをします。

( 圧倒的なネタバレですので、くれぐれもご注意下さい。)

 

 タイムウィンドウの正体は? 

何かが引っ掛かるダグは、タイムウィンドウの中のクレアを眺めていた。そして赤いペンライトを画面の方に向けると、クレアがそれに反応したのです。ダグは気付きます。これは過去の衛星管理システムのデータではない。彼女は今赤い光を見たじゃないか!!と言います。

 

そこでアレクサンダー博士達は、しぶしぶ本当の事情を話します。専門的用語を多用し、長々と説明する研究者達。そうこうしている内に「普通の言葉で説明しろ」、とダグがキレはじめます。私はいいぞもっとキレろ!と腹の中で思いました。そして遂に彼は、モニターの内の1つに椅子を投げつけて破壊(笑)。100億ドルを1秒で無駄にしました。SF映画で主人公が理系の頭脳や理屈について行けず、キレるシーンってなかなかないです。ダグはクレアは生きているのか?死んでいるのか?と、半ば脅し気味に問います。そこで要はタイムウィンドウは、過去に起こっている事をリアルタイムで見れるタイムマシンであったと判る。なんとこれが偶然の産物だそうです(笑)。

 

ダグがキレたのは、もうクレアにゾッコンになってしまっていたから。眺めている内に、死んだ人を好きになってしまった。クレアを救いたい。彼は1度でいいから、犯行前にホシを挙げたいのだと言います。

 

人間がそのタイムマシンを使用して過去に戻るのは危険だと注意されたダグは、過去の自分にメモを1枚送り、テロを事前に防げないかと考え実行します。しかしメモがダグのデスクに届いたのは、過去の彼がデスクを離れた5秒後。それを相棒のラリーが見付け、犯人の犯行現場へ。しかしラリーはあっさり撃たれてしまう。しまった!ラリーを危険な場所に誘導してしまった!と一同落胆します。犯人はまだ息があるラリーを、車に乗せます。

 

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画像引用:https://margot2005.exblog.jp/5342794/

 

 ダグ、過去の次元の敵を追い一人相撲運転を披露

ここでまたいきなりな展開。ラリーを乗せた犯人の車が監視外区域に突入。領域外?なにそれ、そんなのありですか。犯人を追う唯一の方法は、車を運転し過去が見えるゴーグルをつけて追うというもの。一見無茶苦茶な対処法ですが、ダグは車に乗り込みます。 更には自動フォーカスで、ゴーグルを装着したダグの視点を研究者らと共有。

 

しかし犯人とダグは異なった次元に各々存在する為、交わる事はありません。ダグが居る世界はテロ後の世界犯人が居るのは、テロが起こる以前の世界です。ダグの世界の道路は結構混んでいる。その上ちょいちょいゴーグルを見ながら運転しているので、周囲の車にぶつかりまくります。そしてぶつかった車は、お約束のスローモーショーーンでひっくり返る。うーんダグは過去を見る事に集中し過ぎている。周囲から見たら完全にイカレ野郎の運転ですよ。これは。

 

しかしこんな描写はなかなか無くて、良いなと思いました。同じ場所なのだけど、タイムラグがあるカーアクション。そしてアジトらしき所へ辿り着く犯人。ダグも同じ場所へ行きます。そしてここからストーリーはクライマックスへと向かっていきます。

 

 

さて本作品はタイムトラベルものですが、並行世界が描かれるカーアクションシーン辺りから、徐々にパラレルワールドものなのだなと気付いてきます。

 

パラレルワールドを題材にした映画は、タイムトラベルものなどに比べると比較的少ないと思うのですが、スライディング・ドアザ・ドア 交差する世界などが面白かったです。

 

スライディング・ドア(字幕版)
 

 

前編のレビューはここまでです。実はこんなのがあります、とか実はこうでしたみたいな展開が多いのですが、むしろそれが新鮮で良いと思いました。

 

ではまた後編で、お会いしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リアルじゃなかった!【13F】映画感想◆完全ネタバレ

13F(字幕版)

原題:The Thirteenth Floor/上映時間:100分/製作年:1999年

監督:ジョセフ・ラスナック

原作:ダニエル・F.・ガロイ

出演:クレイグ・ビアーコ、グレッチェン・モルアーミン・ミューラー=スタールヴィンセント・ドノフリオデニス・ヘイスバート

13F【あらすじ】完全ネタバレ

1937年のロス。フラーという初老の男が、ダグラス宛に手紙を書いている。その重要な事実が書かれた手紙は、ホテルのバーテンダーに預けられた。フラーはホテルから自宅に戻り、妻の寝ているベッドに潜り込む。そのままフラーの目がピカッーと光って、現代と思われる場所に戻る。

 

装置から起き上がった彼は、研究所らしき建物から出て、バーへ向かう。彼はこの会社の社長なのだ。フラーはバーからダグラスに電話を入れるが、留守電だった為メッセージを入れる。しかし話の途中でダグラスらしき人物が現れたと見え、フラーはフラフラとバーから出ていく。しかし話の途中でその男に殺害されてしまう。バーテンダーは預かった手紙を開封したが為、知らなくても良い事を知ってしまった。

 

翌日主人公のダグラスが、目覚めると血まみれのシャツがあった。その後フラーが何者かに殺害された事を知る。ダグラスは刑事のマクベインにフラーの殺害容疑をかけられるが 、全く身に覚えが無い。続いてフラーの娘だと名乗る美女ジェインが現れる。フラーに娘なんかいたっけ?と疑問に思うダグラス。彼と親しい間柄であったのに初耳である事を、ジェインに伝える。

 

内心俺何をやったんだ?と思っているダグラスは、事実を確かめる為ジェイソンの協力を得て仮想世界に入り込んでいく。仮想空間の人物は個体と呼ばれていた。仮想空間でのダグラスは、ジョン・ファーガソンという銀行員の男の個体に入り込む。要は仮想空間の中には自分とそっくりな人物がいて、その人物に入り込む格好なのである。入り込まれた個体は、その時間だけ記憶を無くす。

 

13F【感想】完全ネタバレ

ずっと観たかったのに、なかなか観る事が出来なかった作品です。原作はダニエル・F・ガロイの『模造世界』。こちらと同じ原作で1973年に、ドイツで制作された『あやつり糸の世界』と言う映画もある様です。これも随分前から観たいのですが、なかなか見る事が出来ない。面白そうなので予告を貼っておきます。

 


ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督 『あやつり糸の世界』予告編

 

さて『13F』の特徴は、仮想現実が2層ありその上に現実の世界があるという、入れ子構造になっている所です。よって観客が現実として観ていた世界も仮想空間であった為、裏切られたような気持になり主人公ダグラスと共にショックを受ける。と同時に自分たちの住んでいる世界だって、実の所分からないじゃないか!!と思わせて来るスタイルの作品です。そこで冒頭になぜデカルトの引用『我思う故我在り』が出てくるのかが、ようやく理解出来ると言った流れです。 

 

長々あらすじを書かせて頂きましたが、早い話がバーチャルな世界を作って、中をのぞきにやにやしていた人達が、実は自分の住んでいる世界もバーチャルであったと気付きショックを受ける。といった内容の話になります。これらの事実を鑑賞者に少しずつ情報開示していき、なるほどそうだったのか!と思わせる仕組み。

 

オープニングからテンポ良く話が進むので、すぐに作品の中に引き込まれました。

お話がややこしくなく、スッキリしているのも良いです。

 

仮想現実の中に入っていく映画としては、マトリックス以外にもバーチャル・レボリューションやトロン、インセプションなどたくさんあります。13Fは公開した時期がマトリックスと近かった為、あまり話題になりませんでした。

 

トロン:オリジナル(字幕版)
 

 

しかし一般的にマトリックスよりは地味だけど、良作という評価を得ている様です。この作品を観るとむしろ派手なアクションシーンが無い分、仮想現実の仕組みやルールをゆっくり見る事が出来、かなり満足しました。

 

また創られた仮想現実が1937年のロスというリアリティのある描写である為、タイムトラベルものに近い感覚で鑑賞出来るのではと思います。

 

劇中の仮想空間のルールも極めてシンプル

思いつくところで言えば

1.仮想空間に入る時、本人は寝ている

2.入り込まれた側の仮想空間の人物は、その間記憶が無くなる

3.タイマーのセット時間になると元いた世界に戻る

などが挙げられます。

 

仮想空間に入る時の装置は、こんな感じです。

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 画像引用:http://blog.livedoor.jp/katchan29/archives/51205161.html

 

 ドノフリオが1人2役

あとはジェイソンというダグラスの同僚役で、怪優ヴィンセント・ドノフリオが出演しています。メン・イン・ブラックで、悪い宇宙人に体を乗っ取られ、散々な目に遭った人でした。

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画像引用:https://renote.jp/articles/9468

 

今回の役は結構イケメンです。またこの劇中のキャストの人達は皆1人2役ないしは3役演じていて、大変そうでした。

 

果ての描写がショボい・・・

これはちょっとなと思った部分としては、世界の果ての描写ですかね。小説の表紙なら良いのですが、劇中でこれをされると何だか安っぽい。確かに世界の果てなんて見た事ないから、表現は自由だと思うのですがこれはないなと。この描写を見せられた時の気持ちは、リュック・ベッソンの『ルーシー』で「これが次世代のコンピューターだ!!」とか言って、ひじきみたいなもずくみたいなのを見せられた時の気持ちに近い。絵的には全然違うのですが、気持ちが、です。

 

 

しかしフラーも仮想現実の中で女遊びをしていた事が、部下であるダグラスにバレるのは相当に痛い所だと思います。前代未聞の重要な研究をしていると言うのに、それを使って若い女性といちゃいちゃしていた。

 

本作品に於いては仮想空間の中の人々が「えっ、オレってリアルじゃない訳?」と知り傷付くという情緒あるSF作品。私はこの様な文系SF作品を、こよなく愛しています。だからディック原作モノなどが好み。バリバリ理系の人に好まれる様なSFも好きなのですが何か説明が難しくて、言葉に出来ない。でも2004年のプライマーは、とても面白かったです。

 

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13F [Blu-ray]

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13F(字幕版)

13F(字幕版)

 

 

雑記-映画鑑賞以外の事を少々-

昨年劇場で『ブレードランナー2049』を鑑賞した際に、映画に集中し過ぎていたせいか立ち上がった時足が痺れていて、よろけてくじいてしまいました(笑)。幸い大した事はなく、普通に歩いて帰れる程度だったのですが・・・。当分は足が痛くて。自分は何てドンくさいのかと(笑)。

 

そもそも昔から体育の成績は5段階評価で2だったし、その事もさほど気にせず生きてきました。もちろんスポーツとは無縁だし、美術系の学校に行ったせいか、周囲にもインドア派の人が多い。当然キャンプやスポーツのイベントに誘ってくる友達もいないです。

 

趣味は映画鑑賞など、完璧インドアなものばかり。たくさん歩くのは仏像を観る時や博物館、本屋、後はバーゲンぐらいです。

 

しかし歳をとっていくにつれ体力が衰えるのは、よろしくないなと。なんか昔より機敏な動きが、出来なくなった。今以上に動作がのろくなったり、体力が衰えていく事を思うとゾッとします。また矛盾している様ですが、ブログを書いたりその為の情報を集めたりするのって、思いの外体力を消耗するんですよね。

 

以前カタログの編集の仕事に就いていた事があるのですが、その時も体力の消耗が著しくて焦りました。

 

文章を書くのに結構な労力が必要というのは、WOWOWぷらすとで西寺郷太さんも話されていた様な気がします。確かその時西寺さんは草野球の大切さを、語っておられました。

 

また最近俳優のサン・カン(SungKang)さんが、インスタグラムで連日自身のランニングの投稿をされていて。彼は俳優ですがその投稿が興味深いし、超面白くて。いいなぁ、こんなカッコイイ人に遠隔でもナビゲートされながら走る事が出来たら、などと思います。

 

でもそれはある程度、身体能力がある人の話。自分が今走ったら倒れるかも知れないし、またくじくかも知れない(笑)。倒れたりくじいたりしたら、体力もへったくれもありませんからね。

 

でインスタグラムとかで声援を送ったりしてる訳です。自分はホントダメなヤツだなと(笑)。でもこんな風にスポーツが出来る人に、憧れを抱く感情が何となく良い。彼は1972年生まれだから冷静に考えると、自分より1歳年上なんですが本当にタフですね。走りながら動画を撮ったりされているのですが、その時の走るペースも結構速い。

 

 

ダイエットや健康管理と言う観点から申し上げるならば、敬愛するみうらじゅんさんの名言が心に響きます。

 

体型とは趣味です。痩せたきゃ痩せろ、太りたければ太れ、です。

文科系が焦って腹筋を始めるのはまちがっています。ヘルシア緑茶を飲んでいればそれでいいのです。体質は変えられても性格は変わりません。

出典元:『正しい保健体育』みうらじゅん [株式会社 理論社]

 

この言葉は、購入後時が経った今でも色褪せません。とかく歳を取ってくると、何か運動を始めなきゃとか言いがちですが、我を見失うのはもっと良くない。もうこの本はホント爆笑なので、機会があればぜひお読み頂きたいです。

 

 

30歳前後の頃は、1ヶ月に購入する書籍代が2~3万程になり、活字中毒で手に追えなくなった時期がありました。買って読んで売って買って読んで売ってもう自分は一体何をしているのかと(汗)。その上市内で一番大きな図書館にも通っていたので、交通費も1回に1200円以上かかる。しかしある時期を境に、ほとんどみうらじゅんさんの本しか読まなくなりました。理由は分からないけど、何かこれで良かったんじゃないかと。救われた。みうらさんの本だけは、絶対売らないです。しかしこの話は長くなるのでまた別の機会に、お話させて頂きます。

 

 

そんな事をあれこれ考えていたら、横尾忠則さんがツイッターで興味深い事を言っておられました。

 

 

 

 

なるほど!大きい絵を描かなきゃだめなんだ!と。よっていざとなったら、キャンバスサイズを大きくするのも1つの手だなと思いました。そう言えば昔、親しい友人にも「大きいモノを作るといいと思うよ」と、アドバイスをもらったのを思い出しました。

 

ランニングは超一流の人も、ただ単に自分の趣味で走っている人もいます。だから私の様にへたくそでも、絵を描く人がいたって良い訳です(多分)。絵を描くと良いのは、やはり頭や心をからっぽにする事が出来るから。絵を描く時は次にどうしようかなどあれこれ考えたり、悩んだりしなくて良いのが、凄く楽なんです。黙って手を動かせば良い。

 

そんな風にして極力運動をせず如何に映画館でよろけないか、これは今後の生きていく上でのテーマになってくるなと思いました。

 

 

 

映画感想【スターシップ9】完全ネタバレ

スターシップ9(字幕版)

原題:Orbiter 9/上映時間:95分/製作年:2016年

製作国:スペイン・コロンビア合作

監督:アテム・クライチェ

脚本:アテム・クライチェ

出演:クララ・ラゴ、アレックス・ゴンザレスベレン・ルエダアンドレス・パラ他

 


『スターシップ9』予告

 

 

スターシップ9【あらすじ】一部ネタバレ

エレナはまだ見ぬ未知の星を目指して、一人恒星間飛行を続けていた。一緒に飛び立った両親は既にいない。
近未来、過度の公害に汚染された地球には未来はなく、人類は新しい星への移住を必要としていた。
ある日、スペースシップの給気系統が故障し、エレナは近隣のスペースシップに救援信号を送る。
その呼びかけに応えて姿を現したのが、エンジニアの青年アレックスだった。
一目見て、互いに恋に陥る二人。
しかし、エレナはこの飛行に隠された秘密を知らなかった。それは、人類の未来を賭けた高度な実験だった。
二人はなぜ出会ったのか―?!

映画「スターシップ9」公式サイト

 

スターシップ9【感想】完全ネタバレ

宇宙船でひとりぼっち、とか宇宙のどこかの星で一人ぼっちなどの映画作品を観るのが好きです。パッセンジャーを観た時は「おおっー」と思いましたが、こちらを鑑賞するとパッセンジャーと同等か、それ以上に面白く感じられました。

 

パッセンジャー (字幕版)
 

 

エレナは役を演じるのはクララ・ラゴ。技術士のアレックス役はアレックス・ゴンザレスです。パッセンジャーに比べると、メジャーな俳優が出ている訳ではありませんが、充分に楽しめました。アレックスはやけにそっけないと言うか、冷たいと言うかちょっと感じが悪いぐらいなのですが、その後の展開を観ていくとなるほどこの対応にも説明が付き、この男性が如何に誠実であるかが伺えます。

 

完全にネタバレします。◆400デイズやルームも一部ネタバレします。

 

最近は何でもかんでもディスプレイで確認出来る時代ですが、エレナの様な境遇の場合、自分の目や足を使って現状を確認する事は、極めて重要になってくるなと改めて思いました。

 

これはダイハード4.0を観た時も思ったのですが、テレビやモニターに映し出されるものを100%信じたらダメですね。ただ劇場公開時鑑賞した時には、まだそんなに危機感を感じなかった。最近になって観返すと、あーって思いました。確かブルース・ウィリス演じるジョン・マクレーンが店から飛び出してひたすら走って、現場の状況を確認しに行くのですが、その極めて原始的なやり方が良い。もうあのシーンだけでも、大満足です。

 

でもその為には体力が必要です。その点エレナは毎日欠かさず筋トレをしているのですが、あまり役に立っているとは思えない。

 

主人公エレナは生まれた時から、ずっと宇宙船の中にいます。彼女には両親がいたのですが、酸素の量が足りなくなった事から彼女を生かす為宇宙船から去った。そんなメッセージの記録映像が残っています。

 

宇宙船から出ると生命の危機に遭遇するので、空かない窓やモニターで現状を確認するしかありません。とても考えられない。もしも自分の部屋の外側の状況をモニターでしか確認出来ないとなると、もうそれだけで相当なストレスですよ。きっと。通常夜中でも雨の音がしたら、何気に窓を開けてべランダから様子を見たりしている訳で。宇宙船だと窓があっても開かないので、外の景色が本物かどうか確認出来ない。

 

更に彼女は、ずっと一人でいる事にも慣れきっている様子。でもやっぱりエレナにとっては技術屋が修理に来るなんて事が、超ビッグイベントなのです。これが何とも切ない。

 

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画像引用:https://movie.jorudan.co.jp/cinema/33475/

 

そうしてイケメンエンジニアが乗ったカプセルが、エレナの宇宙船に連結する時の様子が、モニターに映し出されます。それを黙って見つめるエレナ。

 

しかしこのエンジニアアレックスは、綺麗な若い女性を目の前にしているのに、憂鬱そうでぶっきらぼうなんです。一方エレナの方は、両親がいなくなってからずっと孤独を抱えたまま。その上次に誰かと会えたとしても、20年後ぐらいと思っている訳です。

 

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画像引用:https://movie.jorudan.co.jp/cinema/33475/

 

と言う理由から、彼のベッドに忍び込んで誘惑します。すると彼も彼女を受け入れ、一線を越えた関係になります。しかしアレックスは業務が終了すると、またも無愛想にあっさり帰ってしまう。この男ツンデレ?でも違いました。

 

ここから彼が憂鬱な本当の理由が、明かされる。彼は宇宙服を着てエレナの宇宙船から出ますが、それは単なる格好に過ぎない。エレナの宇宙船を出ると、そこは通路になっていてエレベーターに乗ります。扉を開けると、見慣れた地球上の景色が・・・。彼は林の中をすたすたと歩き、車に乗って帰ります。えええっつーー。

 

後々この映画の他の方のレビューなんかを読んでいると、皆さんの反応が実にクールで驚きました。確かにこの手の話は割とありますが、ここで素直にビビった自分は、ホントバカなんじゃないかと。

 

という訳でそこは地球でした。エレナはオービター計画の、悪く言えばモルモットだった。人類は地球を離れ、新しい星セレステへの移住を計画していた。エレナは15年後に宇宙船がデビューした時の、飛行シュミレーションの実験台なのです。

 

この様な境遇の人があと9人いて、それぞれ番号の付いたシュミレーターに閉じ込められています。彼らは自分を宇宙への移民だと思い込んでいるが、セレステへ到着する事はない。彼らは本当の事を知らないまま、死ぬまで孤独に地下で過ごすのです。

 

アレックスはこのプロジェクトに参加する科学者でした。彼はこの飛行シュミレーションにより、数百万人の命が救えるというメリットしか見ていなかった。しかしエレナと一夜を過ごしたおかげで、すっかり情が移ってしまいます。どんなに科学が進歩しても人の気持ちは不確か・・・

 

と言う訳で彼は組織のルールを破り、再びエレナの所に行きます。エレナはきっと「えっ、そんなに簡単に来れるの?」と驚いた筈です。そして彼は彼女の置かれている状況を、パパッと手短に話しました。

 

そんな訳でエレナはエンジニアの彼と外の世界、即ち地上に逃亡します。初めて彼女が宇宙船(と思っていた)の世界から抜け出し、地球の景色を観るシーンがあります。この感じは『ルーム』で、ジャックが初めて外の世界と触れるシーンと似ていると思いました。

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また彼と同じ様に、太陽の光とかに目や体がちゃんと適応するのかなと不安にもなりました。

 

 

スターシップ9の監督インタビューで、アテム・クライチェはこの様に話しています。

この映画のコンセプトは、閉鎖されている場所から初めて表へ出ていくのが最初のイメーシで、そこから、そのイメージを元に起こるストーリーの中で「人間としての葛藤」をコンセプトにしようと考えました。

http://cinema.u-cs.jp/interview/orbita9-hatem-khraiche/

 

 

そして着いた先は彼の家。アレックスは、ここで彼女を匿うつもりです。

 

その後彼はセラピストシルビアに、その事を話すのですが。未来ではセラピストも顔を見せず、狼のポリゴンに向かって話すスタイルになっていました。しかしその女性が、ホントにいい感じの人です。 

 

ここからも中だるみせず短い尺の中で、次々とテンポよくお話が展開します。以下ポイントを、ご紹介します。

 

エレナにとって更にショッキングな事実が!彼の部屋の資料から判明

エレナは実はクローンだった。アレックスはその事を黙っていたのですが、彼の留守中に彼女は自分自身の資料を見つけてしまいます。そんな大事なもん、鍵をかけるなり隠すなりセキュリティしっかりしなさいよアレックス。

 

犠牲を払ったと思っていた、エレナの両親が生きていた

エレナの両親はエレナを生かす為に宇宙船を去ったという話でしたが、これも当然嘘でした。エレナが両親を訪ねると、2人はびっくり。こんな気まずい事は、そうそうありません。両親と思っていた人達は、軍の科学者だったのです。

 

逃げ出したは良いが、エレナは地上で生き延びられない体

クローンであるエレナの肌は地球上の日常生活に適応せず、生存する為にはあの地下の偽宇宙船に戻るしかない。これじゃ、逃げて来た意味ないじゃん。衝動的に動いたアレックス、予習不足。

 

エレナとアレックスを匿おうとしたセラピストが、射殺される

セラピストは、エレナの目の前で射殺されます。私は最初このシーンに、不満を持ちました。ラストがあの着地なら、彼女が殺される必要はなかった。しかしエレナの心理的葛藤と成長を描くには、多分このシーンが必要なのです。このショッキングな出来事により、エレナはアレックスが同様に殺される事を恐れ、自ら科学者達に捕まる様に仕向けます。更に言えば彼女はクローンであっても人と同じ心を持っていると、観客に証明されるという見方も出来ると思います。

 

天気は予報でなく、気象計画に変わっています

来月は水曜の夜に雨を降らせます。とかラジオで言っています。またアレックスは、やたらとヌードルを食していました。ブレードランナーっぽいです。

 

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桁外れにスケールが違うだけで中身スカスカのSF映画よりも、むしろリアリティがあって良かったです。この映画の良い所は多分、目新しい設定や斬新なSFのルールだけではない所。入口はジャンル映画であっても、着地は予想外の方向へ導かれている様な気がします。

 

ストーリー後半でセラピストを殺した残忍な科学者達が、エレナとアレックスを保護したのは、おそらくエレナが妊娠していたからに過ぎません。彼らを黙らせたのは、人とクローンのハーフという目新しい研究。よって実験対象になるのなら、彼らを生かしエレナに新しい境遇を与えた。結局エレナは元のさやに戻り、アレックスも地上にはもう住めない。

 

そしてラストのワンカット。

 

決してハッピーエンドだとは言い切れないですが、それにしてもアレックスはやれる事はした。彼は何とかエレナを守れるギリギリラインの折衷案を出し、この件に決着をつけたから素晴らしい。よって温かい気持ちになれるエンディングに、仕上がっていると思います。

 

 

 (余談)

結局宇宙船でひとりぼっち映画かと思っていたら、宇宙に行かないSF映画の方でした。宇宙に行かないSF映画では、迷作ですが400デイズなどもありました。こちらは宇宙飛行士の適性を測る為、地下にあるモロ宇宙船そっくりな施設の中へ潜り込むといった内容です。途中までは本当面白いのですが、彼らが地上に出てからの話がぽかん・・・です。惜しい。製作途中で、予算が尽きたのではという噂もありました。

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個人情報ダダ漏れ映画【トゥルーマン・ショー】映画感想

トゥルーマン・ショー (字幕版)

 

原題:The Truman Show/上映時間:103分/製作年:1998年

監督:ピーター・ウィアー

脚本:アンドリュー・ニコル

出演:ジム・キャリーエド・ハリスローラ・リニーノア・エメリッヒナターシャ・マケルホーン

1998年公開の作品です。本作品を未見の方は、このレビューを読む前に鑑賞される事をおすすめします。また大体どの様なあらすじの映画かも知らないという、そんなラッキーな方は前情報を全く入れずに鑑賞された方が良いのではと思います。

 

 

 

トゥルーマン・ショー【あらすじ】完全ネタバレ

 主人公のトゥルーマンは、保険会社に勤めるサラリーマン。美人の妻を持ち、周囲との人間関係も良好。よって彼は一見、平凡だが幸せそうな生活を送っている。

 

しかしこの町の人達は、不自然な程笑顔が絶えず常に何かに気を取られている様だ。その日の朝トゥルーマンが出勤しようとすると、空からライトが降ってきた。ライトにはシリウスと、星の名前が書いてある。なんだこれは・・・トゥルーマンは一瞬そのライトを見つめる。

 

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 画像引用:https://blogs.yahoo.co.jp/p65_3_fairy/46179643.html

 

トゥルーマンには幼い頃大嵐で父親を失った経験があった。引き返すと言った父親に、ボートを進める様にせがんだ事を今も後悔している。よってトゥルーマンは、極度の水恐怖症でありそれが故にこの島(シーヘヴン)から一度も出た事が無い。

 

ところがある日トゥルーマンは出勤中に、父親そっくりのホームレスの男に出会う。しかしその男はすぐさま突然現れた何者かによって、バスに連れ込まれた。彼もバスに乗り込もうとしたが、まるで悪意があるかの様に乗せてくれない。

 

そこでトゥルーマンは初めて、自分の身の回りの環境を疑い始める。何かが変だ・・・。そんな折妻のメリルと口論になってしまうが、妻はいきなりココアの話をし始める。「正気か?俺がこんなに怒っているのに!」トゥルーマンがキレ始めると、そこに絶妙なタイミングで親友のマーロンがビールを持ってやって来た。

 

やっぱり、何かが変だ。実の所トゥルーマンアメリカのとある島に住んでいると思っていたが、それすら嘘だった。トゥルーマンや周囲の人々は、巨大なドーム型のセットの中に住んでいる。彼は生まれた時から、現在までの私生活が世界中のテレビで生中継されており、それを知らないのはトゥルーマンだけ。個人情報はダダ漏れ、鏡に向かって話しかけているのも全てカメラに収められていた。

 

彼は島からの脱出を図ろうと決心する。しかしこの番組のプロデューサー・クリストフは、それを許さない。

 

トゥルーマン・ショー【感想】完全ネタバレ

子供の頃に、この世の中は本当に存在するのだろうか?などその手の事に疑問を持ち、夜眠れなくなった人は特に共感を得やすい作品なのではと思います。

 

脚本は、『ガタカ』の監督のアンドリュー・ニコル。また本作品はフィリップ・K・ディックの『時は乱れて』からも、インスピレーションを得ている様です。ディック原作で映画化されたものと言えばブレードランナートータル・リコールなどが有名ですが、アジャストメントという珍作があり(笑)、その映画をちょうど思い出した所でした。あれはあれで、嫌いではないです。ドラえもんどこでもドアの様なものが、劇中にたくさん出てきます。

 

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トゥルーマン・ショーの主演は『マスク』などで人気のコメディ俳優ジム・キャリー。監督は『いまを生きる』などのピーター・ウィアーです。

 

不自然な程、笑顔が絶えない町

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画像引用:http://wallpapers.brothersoft.com/the-truman-show-66761.html

最初の内はこの町の雰囲気どころか、トゥルーマンにすら好感が持てませんでした。一見ご機嫌で、いい調子の町の人気者。しかし何処か観ていて不愉快になる。しかし彼の父親の出現シーンで、初めてトゥルーマンは生き生きとした表情を見せました。彼は真実を知る手がかりを見つけたのです。さすがジム・キャリー、演技上手いなと思いました。この番組の中で真顔を見せる人物は少なく(本人、トゥルーマンの父親、シルビア)、皆どんな時もヘラヘラと営業スマイルをキープしているのが印象的です。そして物も町も何もかもが、おもちゃの様。ゴミ1つなくとても綺麗な町なのに、好きになれないのはなぜだろう。この疑問に対しての答えが後半になって徐々に判明していきます。またこの町自体がまるで、プラスティックの様に安っぽいです。

 

与えられる娯楽のみを、安易に受け入れる事の危うさ

テレビなどの娯楽が全て良くないと言っている訳でなく、安易に手に入る楽しさというのは、それ相応の価値しかないのではないかと。本当に楽しい事というのは、いつもかつも楽ではないと思うのです。何となく流行の物だけを追いかけて、与えられたおもちゃでしか遊ばないとなると、そのおもちゃを与える者にすっかりコントロールされる様になってしまう。他人の生活をテレビでだらだらと覗き見するのが、本当に楽しい事なのか?この映画の中の視聴者全員が、己の心に問うべきだった。視聴者はクリストフが如何に極悪であろうと、彼の作りだしたエンターテイメントなしでは生きて行けない。よって皆が何となく、クリストフの共犯者となってしまった訳です。

 

何から何まで全てセットだった

トゥルーマンは、全く現実を生きていませんでした。周囲の人々は全て役者であり、皆で彼を騙していたに過ぎません。酷い話です。生まれた時から世界220か国にプライベートな生活を公開されており、個人情報はダダ漏れ。彼は確かに世界中にファンがいるスターですが、バカにされていると言っても過言ではないでしょう。唯一親身になってくれたのは、学生時代に好きだったシルビアという女性。彼女は彼に真実を伝えようとしますが、逆に精神的に病んでいる人という役に変更され、彼女の真実の言葉は闇に葬られてしまいます。

 

徐々に分かってくるこの町の実体

トゥルーマンの置かれている環境、即ち周囲の人物は全て役者であり、彼は24時間テレビのモニターにさらされているという事。そしてトゥルーマンが逃げようとしても、大人数で彼を抑圧し逃がさない様にあの手この手と仕掛けます。気付いていなかったが、これまでもずっとそうだった・・・。腹立たしい気分になりますが、我慢して観ているとトゥルーマンが予想外の行動に出て逆転していくので気分が良いです。

 

また仕事もそっちのけでTVを観ている怠惰な視聴者とは対照的に、テレビの為にここまでするかという気合の入ったセット、役者、番組制作スタッフ。彼らは不真面目なのではなく、相当に本気。怖いですが、良く出来ているなと思います。妻メリル役のハンナは、どんな時もここで新商品の宣伝をしなければ、と必死なのです。だからココアの宣伝を、無理やりにでも挿し込んでしまう。

 

また親友役のマーロンは、トゥルーマンが何かイレギュラーな行動をとる度に、ビールを片手に彼の家まで行かなければなりません。ほぼ24時間体制という過酷な労働条件にもめげず、ビールの銘柄をカメラに見せる事も忘れない。

 

この番組はそうやって消費者を一見目新しい商品に次々と飛びつかせ、文化とは程遠い生活を強いていく訳です。

 

番組の随所に商品の宣伝が刷り込まれている

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画像引用:https://blogs.stlawu.edu/groupfive/2016/09/05/media-literacy-and-the-truman-show-1998/

番組の中にさりげなく新商品を出し、視聴者に宣伝する。こういうのをプロダクト・プレイスメントと言うらしいです。よく耳にするのが映画の主人公のしている腕時計とか、登場人物の背後にある看板などです。よって我々がもしこのココアを見つけても、トゥルーマン・ショーのココアだ!と思わず買ってしまわない様に、気を付けなければいけません(笑)。

 

また同じ購買意欲を煽られるのであっても、誰に、または何にお金を使うかだけは自分で選びたいと思っています。

 

TVの影響は大きいと思う。無意識に目に入るものを何となく購入していたのでは、いくらおこづかいがあっても足りないでしょう。

 

バレンタインやハローウィンで無闇やたらと、パーティーグッズやチョコレートを買い込む必要があるのだろうか。また焦る気持ちを煽る様なダイエット食品の広告や、絶対二重瞼の方が良いと言わんばかりの写真。痩せている方が良いというのは、一体誰の価値観なのだろうと。私は結構痩せ型なのでダイエットとは無縁ですが、男性は果たして痩せている女性の方が良いのですかね。そんな事を思ったりします。

 

大衆の怖さも描かれている

1人の孤児の生活情報が、生まれた時から垂れ流し。この事実を批判する視聴者はごく少数で、皆人気番組「トゥルーマン・ショー」に夢中なのです。みんなですれば怖くない、みんなも観ているから大丈夫。そもそもこんな番組が放送されている事に対して、大した疑問も持っていなかった。しかしトゥルーマンが島から逃げ出すとなると、今度は彼に感情移入をし涙を流したり、歓声を上げたりなどというご都合主義な鑑賞の仕方。更に映画のラストでは、トゥルーマン・ショーの後に続く番組を、ガイドでチェックまでしています。

 

 

現実だと思っていた世界の外側に、本当の世界があるという構造

劇中のトゥルーマンの世界は一見特殊な様ですが、私達は既にこれに似た様な経験をしているのではないかと思います。例えばブラックな職場や、学校、望んでいないコミュニティなど閉鎖された環境に置かれた場合。これはあくまで個人的な見解ですが、外に出てみると全く違った世界があるのに、知ろうとしなければいつまでも箱部屋に閉じ込められたままだと思うのです。またこの様なケースの場合、箱部屋内の人達のアドバイスはあてにならない事も少なくない。彼らはクリストフやその周りにいる役者と同じで、自分達の利益の事しか考えていない可能性も充分あります。上司の「君の為を思って言っている」なんて言葉をあっさりと信用するのではなく、己のシルビアを見つける事をお薦めします。

 

 

 

トゥルーマン尊いのは、こんな嫌がらせをした皆に対して、「おはよう!そして会えない時のために、こんにちはとこんばんは!おやすみ!」というお決まりセリフで決着をつけスマートに番組から去る所。昔のテレビ番組元祖どっきりカメラで、たまに騙された芸能人がマジ切れしたりしていましたが、状況によってはそうもなるだろうなと。そう思えばトゥルーマンは、相当に大らかな人物ですね。

 

また周囲の人が皆演技をしていたという映画では、デヴィッド・フィンチャーの『ゲーム』などもありました。結構、心温まるエンディングです。

 

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映画感想【IT/イット “それ”が見えたら、終わり。】ネタバレあり

 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。(字幕版)

原題:IT(IT:chapter one)/上映時間:135分/製作年:2017年

監督:アンディ・ムスキエティ

原作:スティーヴン・キング

出演:ジェイデン・リーバハー、ビル・スカルスガルド、フィン・ウルフハード、ソフィア・リリス、ジェレミー・レイ・テイラー他

 

 

【あらすじ】ネタバレあり

1988年、アメリカの田舎町デリー。町では子供ばかりが行方不明になる不可解な事件が続いていた。ある日、内気で病弱な少年ビルの弟ジョージーも1人で遊んでいる時に何者かに襲われ、道端の排水溝に姿を消してしまう。以来、弟の失踪に責任を感じていたビルはある時、見えるはずのないものを見てしまい恐怖に震える。やがて、眼鏡のリッチーや悪い噂のあるベバリーなど同じような恐怖の体験をしたいじめられっ子の仲間たちと協力して、事件の真相に迫ろうとするビルだったが…。

映画 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 - allcinema

 

【感想】完全ネタバレ(1990年のITもネタバレします)

スクリーンから3Dの様に過剰に飛び出してくるピエロに、不覚にも笑ってしまいました。

 

続編の撮影も終了した様です。2019年公開予定の後編を楽しみにしていらっしゃる方は、1990年の方のITにも触れますので、ネタバレにご注意下さい。

 

IT/イット “それ”が見えたら、終わり。のタイトルについて、正しいとか間違っているとか賛否ある様ですが、私はアメリカの鬼ごっこ事情に詳しくないのでどちらが良いのかよく分かりません。しかしITイットそれと3回もしつこく言う必要が何処にあったのだろうかとは、考えてしまいます。

 

あえて一言言わせてもらうなら、字間がバラバラで見た目がスッキリしないのが気になる(笑)。またむやみやたらに記号(/“”、。)が入り、全く情報が整理されてない感じのタイトルに、脱力感を覚えざるを得ませんでした。

 

でもこのタイトルで日本でも大ヒット。多くの人に観てもらうという目的は、しっかりと果たせた訳です。自分もそれに飛びついたの中の1人。続編はどんなタイトルが付くのか、楽しみです。

 

原作はスティーヴン・キングの1986年のホラー小説『IT-イット-』。この作品は過去1990年にも、テレビ映画として映像化されています。アメリカでは前編、後編と2週に分けて放映された様です。こちらは大人になったルーザーズクラブのメンバーの回想シーンとして、彼らの子供時代が描かれるスタイル。前編は主に子供時代、後編は大人になってからの彼らが描かれます。

 

ちなみに日本での初回放送時を調べてみると1994年、タイトルは『イット 恐怖の殺人ターゲット・復讐の悪魔』とありました。これリアルタイムで観てなかったです。こちらは1話にまとめたものが、放送された様ですね。

 

『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』の方の監督は2014年公開『MAMA』というホラー映画で注目を浴びた、アンディ・ムスキエティ

 


映画『MAMA』予告編

 

この映画は観た事ないのですが、何か凄いインパクトのある予告編です。ちなみにアンディ・ムスキエティは、進撃の巨人』ハリウッド実写版の監督を務める事がこの間、発表されました。

 

と言う訳でIT イット “それ”が見えたら、終わり。。作品自体は怖いと評判でしたが、観終わった感想としてはキング原作の中ではそんなに怖くない方ではないかと。やっぱりキングならミストやミザリーの方が、断然怖かったです。

 

ミスト (字幕版)

ミスト (字幕版)

 

 

 

ミザリー (字幕版)

ミザリー (字幕版)

 

 

本作品はどちらかと言うと、スタンド・バイ・ミー寄りの青春モノホラーという印象です。よって思いっきりホラーが見たい時に観ると、肩透かしを食らうかも知れないです。また鑑賞する時の心理状態によって感情が、恐怖か?感動か?どっちにブレるかが違ってくるのではないかと思いました。

 

前編は特に可愛らしい子供達の心の成長が描かれ、さわやかな終わり方をしています。しかし後編の作品の雰囲気は、これとはがらりと変わるのかも知れないと思いました。ラストシーンでルーザーズクラブの人達が、次々にスクリーンから去っていく。この順番が後編に反映されるとかされないとか。

 

個人的には正直、冒頭のシーンが一番怖かったです。道路脇の排水溝から、ひょっこり顔を出す不気味なピエロ。主人公のビルは体調不良で寝込んでいる時、弟のジョージ―を一人で外出させてしまいました。ビルは弟のジョージーが行方不明になって以来、その事ばかり考える日々を送っています。

 

学校では不良のヘンリーらに怯え、その上この町では子供が行方不明になる事件が相次ぎます。ついこの間もベティという少女が、行方不明になったばかりでした。ビルの仲間はリッチースタンリーエディ。4人はこの怯える様な環境下、それなりに仲良く楽しくやっていてけなげです。彼らはルーザーズ・クラブ(負け犬チーム)と呼ばれています。このネーミングが良いですね。

 

そこにそれぞれの事情で孤独なベンべバリーマイクが加わります。若い頃気の合う仲間に出会えた時の、ワクワクする感じが伝わって来ました。

 

しかしこの子供達は皆家庭に問題があったり、それぞれ事情を抱えていて不安や恐怖で一杯です。田舎町ですが大人達もいじめを見て見ぬふりをしたりして優しくないし、何となく治安も良くない。

 

例えばベンは転校して来たばかりでこの町に馴染めていない上、ややふっくらとした体型から不良達のイジメのターゲットにされるのでした。べバリーもまた可愛らしい女の子なのですが父親と二人暮らしで、性的な虐待を受けていました。その上彼女は学校で、変な噂をたてられてしまいます。そんなある日べバリーから声を掛けられたベンは、あっさりと恋に落ちました。

 

ルーザーズ・クラブの彼らが共通して遭遇しているのが、ペニーワイズという名のピエロ。ペニーワイズは誰にでも見えると言う訳ではなく、何となくこういう心に闇を抱えた子供にしか見えません。またそれが幻覚なのか現実なのかが分からない。

 

そうこうしている内に皆がそれをカミングアウトし始め、ビルはジョージ―を襲ったのはきっとペニーワイズだと言います。そこで皆はペニーワイズの住家である、井戸の家に行きます。次なる犠牲者を出さない為です。

 

しかしそこでエディが腕を骨折。エディの過保護な母親はカンカンに怒り、ビル達に「もううちの子と遊ばないで」とキレます。しかしその後エディは、親からいつも喘息で持たされている薬が、実は全く意味の無い物だと知ります。彼は喘息ではなかった。

 

母親を振り切り、仲間の元へ戻るエディ。7人は再び勇気を振り絞り、井戸の家に突入します。無力で純粋な子供達の恐怖が、ペニーワイズの餌になる。ルーザーズ・クラブは恐怖を持たなければ、ペニーワイズは死に絶えると気付き戦います。だんだん強くなっていく彼らを見ると、気分がスカッとしてきてました。

 

 

1990年のITよりも、ペニーワイズが恐怖心のメタとして描かれているのが新鮮でした。また子供達にとって最も怖いのは、この町の支配的な大人。現にべバリーの父親には、怪奇現象が見えません。またエディの母親の様に行き過ぎた過保護は、子供にとっては脅威でしかない様な気がします。

 

なぜ本作品がそんなに怖くないかと考えると、恐怖を表現しつつも、その恐怖心を克服する事をテーマとした作品だからではないか?と勝手に解釈しました。とても贅沢な作品だと思います。

 

また子供の頃を思い返してみるとさして苛められっ子だった訳ではありませんが、劇中に登場する不良チームを見るとイラッとします。弱虫チームが不良チームに石を投げるシーンが、特に良いと思いました。

 

  

【1990年版ITとIT イット “それ”が見えたら、終わり。の違い】

あのシーンが無い!などの違いを述べていったらキリがないですが、大まかに違うなと思った所を気付いた範囲で挙げてみました。

 

1.ペニーワイズのルック

これは単に好みの問題でもあると思います。ティム・カリーの演じたペニーワイズ(1990年)は相当な人気の様ですが、ピエロ自体のルックは2017年版の方が個人的に好みです。でも1990年版ITのクラウンの方が一見優しそうにも見えるので、そのギャップから生まれる怖さが味わえるかも知れません。

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画像左)http://movie-man.com/506-it/ 画像右)https://front-row.jp/_ct/17145607

左が1990年ITのペニーワイズ、右が2017年のペニーワイズです。

 

2.リッチーのキャラクター

同じおしゃべり、お調子者のキャラでも、背の高さや声のトーンなどによって雰囲気が違ってくるなと感じます。2017年の方のリッチーは、フィン・ウルフハードという子役の男の子が演じています。こちらの方が声が高くて、お調子者感がよく出ていると思いました。彼は同じ時期にアメリカで放送されていたドラマ『ストレンジャー・シングス』にも出演していて、人気の様です。

 

3.風船の演出

1990年版ITのペニーワイズは、様々な色のバルーンを持っていますが、2017年の方ではバルーンの色が赤に統一されています。個人的な意見としては、赤い風船のみの方が怖い。バルーンがこんなに不気味に見えるとは!と思いました。規則的に不自然に並べられている分、非現実的で気持ち悪かったです。

 

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画像引用:https://www.gizmodo.jp/2017/05/it-red-balloons.html

 

4.ストーリー構成

2017年版の前編は、ビル達の子供時代のみの話になっています。こちらは幼少期の話が、グッと凝縮されているので話が理解しやすい。また感情移入も容易な為、よりスタンド・バイ・ミー感が味わえるのではと思いました。1990年版の方は、7人の大人と子供が次々に登場する為、ちょっと情報過多気味ですね。スリルや情緒を味わう余裕もなく、人物を追ってしまう部分がありました。

 

5.怖さ

1990年版ITの方がホラー度は高いのではないかと思います。例えば2017年版のキレた時のペニーワイズの造形(笑)。あそこまで歯をむき出しにしてしまったら、もう不気味なピエロではなく怪物ですね。エイリアンとか、そういうヤツの仲間に見えてきました。確かにキャラクターとしては見応えがありますが・・・。それに対して旧イットのペニーワイズは静かな存在感を放ち、ただ笑っているだけでも結構怖いです。

 

6.恐怖の対象

1990年版ITではペニーワイズの正体が、実は巨大な蜘蛛のモンスターでした。正直このシーンはがっかりしたのですが、2017年版では恐怖の対象が、やや抽象的に表現されている様な気がします。子供にとって自分が何を恐れているのか明確ではない、こんなに厄介な事はないです。壁に掛けてある絵が怖いと言っても、その恐怖の実体は掴めないままです。皆おのおのそういうのを抱えていて「あえて言うならピエロが怖い」という共通点を見つけます。 そこであのピエロを倒そうと頑張り始めるのです。

 

 これ以外にも子供時代のエピソードなど描かれている内容が、微妙に違っていたりします。エディの喘息の薬のエピソードは、新ITの方の描かれ方の方が好みでした。

 

2017年版ペニーワイズを描いてみたので、貼っておきます。

歯を剥き出しにした凶暴時のヤツの姿です(笑)。

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 後編が楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

映画感想【クレイジー・リッチ!】ネタバレ有り

クレイジー・リッチ!

【映画パンフレット】クレイジー・リッチ! 監督  キャスト

 

原題:Crazy Rich Asians/上映時間:120分/製作年:2015年

原作:ケヴィン・クワン「クレイジー・リッチ・アジアンズ」

脚本:ピーター・チアレッリ、アデル・リム

出演:コンスタンス・ウーヘンリー・ゴールディング、クリス・パン、ジェンマ・チャンミシェル・ヨー、オークワフィナ、ソノヤ・ミズノ、陳瓊華

【あらすじ】一部ネタバレ有り

中国系アメリカ人で生粋のニューヨーカー、レイチェルは、恋人ニックが親友の結婚式に出席することになり、一緒に彼の故郷シンガポールへと向かう。これまで家族の話を避けていたニックだけに、それなりの心構えをしていたレイチェルだったが、ニックはそんな彼女の予想とは真逆のアジア屈指の不動産王の御曹司だった。こうしていきなりセレブの世界へ足を踏み入れることになったレイチェル。しかしそこには、激しい嫉妬に燃える独身セレブ女子たちや、財産目当てと決めつけるニックの母親が、2人の仲を引き裂こうと待ち構えていた

映画 クレイジー・リッチ! - allcinema

 

【感想】完全ネタバレ

やっと観に行きました『クレイジー・リッチ!』。

気が付いたら、福岡では上映終了間近で焦りましたが・・・。

今このタイミングで感想を書いてもほとんどの劇場が、上映終了してしまっていてあまり意味がないかも知れませんが、レヴューを書かせて頂きます。

 

映画自体は、笑いあり涙ありのラブコメで普通に面白かったです。

泣けるシーンも何シーンかあり、年々自分が安い涙を流す様になってきたような気がします。

 

ヒロインのレイチェル役にはコンスタンス・ウー。また本作品は、ほぼアジア系俳優のみでキャスティングされています。

 

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画像引用:https://wired.jp/2018/10/21/crazy-rich-asians-review/

 

主人公のレイチェルは、中国系のアメリカ人。彼女はシングルマザーに育てられ立派に成長し、ゲーム理論の教授をやっています。冒頭ではポーカーでノーペアでも強い手札を持っている相手に勝てる理論を講義したりしています。

 

ちなみにこのブタでストレートやフラッシュに勝つ技は、自分が子供の頃いとこの兄ちゃんとポーカーをやった時まんまと嵌められた手でした(笑)。

 

レイチェルは実力を持っていて、ニューヨークでそれなりに上手くやれてるつもりだったのですよ。きっと。しかしその彼氏であるニックが、実はシンガポールの大富豪の息子だった。

 

彼女はニックから、彼の地元であるシンガポールの親友の結婚式に御呼ばれします。行きの飛行機がファーストクラスであった事から、「彼、実は金持ちなんじゃない?」とやんわり気付き始めるのです。

 

シンガポールではニックとレイチェルが泊まる為のホテルが用意されているのですが、それはニックの母親が彼女を家に招き入れたくなかったから。何も知らないレイチェルは「ホテルなんかに泊まって大丈夫?」などとトンチンカンな事を聞くのですが、それが庶民の意見というものです。

 

レイチェルにはシンガポールゴー・ペイク・リンという友人がいるのですが、ニックの実家は彼女らが名前を知っている位の有名な大富豪だった。それにゴー・ペイク・リンの家だって、普通の生活をしている人から見れば相当な金持ちですよ。

 

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画像引用:https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-08-20/PDQDJ76JIJUV01

 

ゴー・ペイク・リンを演じるのはオークワフィナ。キャラ立ってるなーと思いました。彼女以外にもバーナード・タイを演じたジミー・O・ヤンなど、魅力的な脇役が勢ぞろい。

 

あまりにも極端な金持ちぶりを見せられた時に、レイチェルがどんどん縮んで行く感じが観ていて痛いです。それは彼女が母親と選んで用意した赤いドレスが、途端にみすぼらしく見える事でも表現されています。うーん、悲しい。可愛いのに!

 

そんな感じで彼女は、ニックの母親や友人らに次々と会っていきます。しかし当然物事が上手くいく筈がない。ニックの恋人である事で周囲からは嫉妬され、過剰な嫌がらせを受けたりします。枕元に魚の死骸を置くという、ゴッドファーザークラスの嫌がらせとか。ホント怖いなと思います。

 

レイチェルは全く事情が説明されていなかった事に対して徐々に怒りを覚え、ニックを責めます。古びた体育館を好むあなたが、こんなに金持ちだとは知らなかったわよ!って感じです。

 

しかしやや風変わりなキャラの友人ゴー・ペイク・リンをはじめ、何人かの個性的な人々の協力で何とか事態に立ち向かって行くレイチェル。変わり者は何かと少数派に優しい。ニックは呑気にプロポーズとかしますが、彼女にそんな余裕はないですね。きっと。

 

シンガポールの生まれつきただ金持ちだった人々に対して、彼女は自分の実力で勝負。冒頭のポーカーの安っぽい技とは違い、洗練された思いやりのある手で勝負した(様な気がする)。麻雀のルールはよく分かりませんが、前後のセリフなどから。何よりも彼女に、ニックと母親の関係性まで考える余裕があった事が意外です。このシーン以降で何かが逆転し、ストーリーは一気にラストへ向かいます。

 

ベタと言えばベタですが、そもそも期待していたよりは随分良かった。それにこの様な作品が作られる事で、今後ハリウッドがどの様に変わっていくのかに興味がありました。この作品は俳優のサン・カンさん(ワイスピのハン)がインスタでおすすめしていたので観ようと思ったぐらいで、そうじゃなきゃ観てなかったかもしれないです。

 

観た映画を記憶だけで書いていくのはかなり不安でしたが、案外書けるもんだなと思いました。(通常は何度もビデオ等で観返しています)。

 

またレヴューを書いておいていきなりこんな事言うのもアレですが、この作品については、鑑賞された方のなるべく多くの意見が聞きたいなと思いました。

 

監督は『グランド・イリュージョン 見破られたトリックの、ジョン・M・チュウ。この作品も確か、フォー・フォースマンが途中から中国に行くストーリーだった様な。

 

  

ほぼオールアジア人キャストで構成されたクレイジー・リッチ!は、ハリウッド映画の新たな革命とも言えます。これを機に日本人を含め、ハリウッドのアジア系アメリカ人にもっと活躍して欲しい。

 

全米での興行収入は3週連続1位を獲得。またこの作品の原作者であるケヴィン・クワンが、兵役義務を逃れていた為シンガポールで指名手配されたというびっくりニュースなど、何かと話題になる作品だった様です。