アナログちゃんのこっそり映画鑑賞記

自宅でこっそり鑑賞した映画についてぽそぽそつぶやきます。

【ドラマ】オビ=ワン・ケノービ(パート3)の感想&おさらい【完全ネタバレ】

オビ=ワン・ケノービ(パート3)弱ったオビワン

原題:Obi-Wan Kenobi/配信時間:48分/配信開始日:2022年6月1日

画像引用元:https://starwars.disney.co.jp/ 

監督:デボラ・チョウ

脚本:ジョビー・ハロルド、ホセイン・アミニ、ハンナ・フリードマン、スチュアート・ビーティー

出演:ユアン・マクレガー、ヴィヴィアン・ライラ・ブレア、ヘイデン・クリステンセンジェームズ・アール・ジョーンズ(声)、サン・カン、リヤ・キールステッド、モーゼス・イングラム、インディラ・ヴァルマ、ザック・ブラフ(声)、ダスティン・ツァイタマー(パフォーマンス)

 

ついに『キャシアン・アンドー』の配信が始まりましたね。観てますよ、観てますけどまずは、こっちからアップしていきたいです。アンドーは3話目ぐらいから、一気にテンションが上がりました。「カンカンカ~ン」って音に、気持ちを引っ張られますね。

 

※他のスター・ウォーズ作品についても触れる場合がございます。ご了承ください。

オビ=ワン・ケノービ(パート3)の新たなキャスト

 ターラ(演:インディラ・ヴァルマ)

帝国の将校(上官)。帝国側の人物であったが、帝国の残酷さを知り、ジェダイや反乱軍を助けるようになった。今となっては、帝国時代自分のしたことを後悔している。帝国の制服を着ているため、スパイのような活動ができる。

 フレック(声:ザック・ブラフ

惑星マプーゾの輸送ドライバー。帝国支持者。ヒッチハイクしてきたレイアに対して穏やかな対応をとるが、検問であの2人はあやしいとトルーパーに密告する。エイリアンの登場があってちょっと嬉しい。

 NED-B(パフォーマンス:ダスティン・ツァイタマー)

マプーゾの反乱分子の隠れ家にいるドロイド。頭脳を持たないドロイドと見せかけて、結構人間っぽい。ローグ・ワンのK-2SOに通じる愛おしさを感じた。

 

 ドラマ【オビ=ワン・ケノービ(パート3)】の超ざっくりあらすじ

ハジャの協力により、何とか貨物船でダイユーから脱出したオビ=ワンとレイアは鉱山の星マプーゾへ向かう。移動中オビ=ワンは、レイアのローラを修理してあげた。マプーゾに到着し、ハジャから聞いていた指定の座標に行くが、誰一人見当たらない。ここに味方の誰かが迎えに来るはずだったのだ。オビ=ワンは、やはりハジャに騙されたのだとキレる。突如レイアがヒッチハイクし、通りすがりの輸送車で宇宙港まで乗せていってもらうことになった。道中ではトルーパーらと相乗りになってしまい、ジェダイが捜索されていると知る。ピリピリしたムード。その上トルーパーらが待ち受ける検問で、オビワンは偵察ドロイドにスキャンされてしまった。正体がバレそうになったオビワンとレイアだが、帝国の将校ターラが現れ何とか助かる。帝国軍の制服を着ていたターラだが、実は反乱軍のスパイであり、オビワンらの味方だった。

 

ターラは2人を隠れ家に連れて行く。いつも、ここから反乱分子の拠点ジャビームまで生き残りのジェダイを逃がしているようだ。その頃、オビワンの居所を突き止めたベイダーと尋問官らがすぐ近くまでやってきた。ベイダーは、そこら辺にいる人に手当たり次第八つ当たり。フォースチョークも披露した。一般市民に対しても残酷なベイダーを見たオビワンは、作戦を急遽変更。ジャビームへはレイアとターラのみ行かせ、自分はおとりとなることにした。何とかベイダーをおびき寄せたオビワンだがフォースの力も弱っており、よたよたしてほぼ完敗。その後、引き返してきたターラとNED-Bにピンチを救われた。

 

 オビ=ワン・ケノービ(パート3)の見どころや感想など

予想外の展開が多かった気がします。あとクインラン・ヴォスの名前が出てきたり、ターラがスパイだったり、パスという言葉が出てきたりしてして情報量も結構多かったです。

新しく出てきた星

 ムスタファー

冒頭でリーヴァが大尋問官の件をベイダーに報告するシーンでちょこっと登場。短いシーンだけど、これがベイダーの城。

 マプーゾ

鉱山の星。全体的に殺風景というか、何もない。帝国の支配下にあるため、昔と随分変わってしまったとオビワンは嘆く。ターラの案内で隠れ家へ行くと、町のようなところがあって、そこにはわりと人が住んでいた。

 ナー

尋問官らの要塞が初めて登場。今回の配信で一番興味深かった舞台。みんな、凄い所に住んでるんだなと思った。ベイダーが拠点とする星と同じ、ムスタファー系に属しているので、何かあったらベイダーがすぐ飛んでこれるのだろう。中はめちゃくちゃ広い。ゲームには詳しくないが、「Star Wars ジェダイ:フォールン・オーダー」に登場する尋問官の要塞がデザインベースとなっているよう。オシャレな造り、プローブ・ドロイドを発射したりして。尋問官らの部屋には、ジェダイから勝ち取ったライトセイバーが並んでいて、ヤバいなと思った。誰の趣味なんだろう。『クローン・ウォーズ』にもこんなシーンがあった。確か、洞窟みたいなとこで、グリーヴァスの要塞がこんな風に勝利品を並べていたと思います。

 

衝動的にヒッチハイクするレイア姫

子供でありながら、結構自分判断で行動できるレイア。おかげでマプーゾでは、衝動的にヒッチハイクをし、帝国支持者のフレックに目を付けられた。しかしオビ=ワンがピンチであることを瞬時に察知し「私は大丈夫だから、助けに行ってあげて」とターラにお願いしたのは、正解だったと思う。相当なしっかり者。この子が大人になったらあのレイア姫になるんだなと納得。

 

パスっていうのが何なのかはっきりしない

ターラの説明からすると、パスは銀河各地にあるようで...

 1.NED-Bがいたあの隠れ家のことをパスと呼ぶのか?

 2.あの隠れ家から宇宙空港まで繋がっている道のことをパスと呼ぶのか?

 3.ジャビームのような反乱軍の拠点がいくつもあり、それらをパスと呼ぶのか?

「小説の中ではハイパースペースと繋がっている場所がありそれらをパスと呼ぶ」的な情報もあって、小説読んでない自分は「もう、訳分から~ん」となりました。がおそらく、反帝国の人達が集まった機密組織のことを言うのかな~、という結論に至りました。(パート4以降を観て...)

クインラン・ヴォス

反乱分子の隠れ家にクインラン・ヴォスのサインあり。SNSでも話題でしたね。オビ・ワンとクインランは、あんまり馬が合わなかったはずだったけど、それでもオビ=ワンのリアクションはちょっと嬉しそうだった。ジェダイの生き残りがいよいよ少なく、オビ=ワンは相当に落ち込んでいたのだと思います。

オビ=ワンVSベイダーの戦いは早過ぎたのか?

そもそも最初からそれほど期待していなかった、オビ=ワンVSベイダーの戦い。だから唐突にこの場面がやってきても、それほどの違和感は感じなかったと思います。ただここは、意見が分かれるんじゃないのかな。早々に2人が会っちゃって、あとのストーリーはどうなるのかという不安もあるかも知れません。その上、こんなにSWの主要人物が出てくるスピンオフ作品って他にないと思います。ベイダー、レイア、オビ=ワン、ルーク。もうガチガチで、ちょっとでも物語をいじったら他のシリーズに響きそうな感じ。こんなジェンガをするようなピリピリしたムードで、キャストを自由に動かせるわけがない。そう思っていたのに早くもベイダーとオビ=ワンが会っちゃったから、もうヒヤヒヤです。逆に興奮してしまい、「スゲーめっちゃ面白ー」ってなりました。

 

ベイダーの登場のタイミングが早いことに関して、鑑賞する側のメリットとしては、やっぱたくさんのカットを見ることができることですかね。今後もちょいちょい登場してくれるのか、期待は高まります。

今回の尋問官たち

大尋問官が不在となり、リーヴァがベイダーから直接指示されました。これに嫉妬したフィフス・ブラザーはモロ不機嫌になります。偉そうに命令するリーヴァに対して、フォース・シスターも「やぁね、この人」って感じで、露骨に嫌そうな顔をしてましたよ。フィフス・ブラザーは、突如テレキネシスでリーヴァの体を浮かせたりして...。先の行動が読めない(笑)また何とこの時の彼の体勢が、椅子に座ったままであったことに驚かされました。その後のシーンでは、リーヴァの手柄をちょっと横取り(笑)敏速にベイダーに報告し「随分お喜びであった」と嬉しそうにリーヴァに自慢したり(かわいい)。フィフス・ブラザーは憎めないところがあります。それに少しセクシーだと思いました。今後も尋問官情報、挙げていきたいと思います。

 

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます。では、また!

 

analogchan.hatenablog.jp

analogchan.hatenablog.jp

 

過去1年間で観たSF映画(マイナー作品を含むおすすめ)21選【後編】

こんにちは。更新が遅れ時期がずれてしまいましたが、去年1年(2021年)ぐらいに観たSF映画。いよいよ後編です。ってこれを更新してしばらくすると、もう2023年が始まるから2022年の分も急がないといけません。今となっては21作品という中途半端な数に絞ったのも謎ですね。おそらく1記事7作品ぐらいでないと、読む方も疲れるだろうなと思いざっくりそう決めたのでしょう。まだまだあって「入りきらないな...」と今更ながら思っております。惜しくも選考から外れた作品もありますが、またおいおい何かの機会にご紹介できればと思っています。

作品の前に番号をふっていますが、順位ではありませんのでご了承ください。

※以下、適度にネタバレしています。ご注意ください。

15.ヒーローキッズ

原題:We Can Be Heroes/上映時間:100分/製作年:2020年

画像引用:https://www.facebook.com/robertrodriguezofficial

監督:ロバート・ロドリゲス

脚本:ロバート・ロドリゲス

製作:ロバート・ロドリゲス

出演:ペドロ・パスカル、プリヤンカー・チョープラー、クリスチャン・スレーター、サン・カン、テイラー・ドゥーリー、ボイド・ホルブルックほか

  作品概要

スパイキッズ』のロバート・ロドリゲス監督によるアクションファンタジー。『シャークボーイ&マグマガール 3-D』の続編的意味合いを持つ、ヒーローチーム版スパイキッズとも言える。

  ざっくりあらすじ(序盤)

地球にオギマ星人というパープル色のエイリアンがやってきて、スーパーヒーローらを襲った。ヒーロー集団の名前は「ヒロイック」。その子供らは本部の指揮官たちに、保護という目的から要塞に閉じ込められるが、協力し合い何とか脱出する。子供らはそれぞれ親と類似した特殊な力を持っており、その力はアニータ・モレノにより鍛えられた。強くなったキッズらは、ヒロイックのメンバーの元へ向かうが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど(ややネタバレ)

首や手など体の部位を自在に伸縮させることが出来るヌードルズ、歌声で物を動かすことが出来るアカペラ、顔を自在に変えることができるフェイスメイカー、時間を巻き戻し出来るリワインド、時間を進めることができるフォワード、瞬間移動などあらゆる能力を持ち合わせたワイルドカード、スローモーションで動くスローモーなど個性的なキッズヒーローたちの活躍ぶりをみることができる。

 

中でもシャークボーイとマグマガールの子供、最年少のグッピーがメチャクチャ強い。グッピー役を演じるのは、最近ドラマ『オビ=ワン・ケノービ』のレイア役で話題になったヴィヴィアン・ライラ・ブレアちゃん。

 

ヒーローキッズに関しては、個別にレビューを書いておりますので、こちらも併せてご覧ください。↓

analogchan.hatenablog.jp

 

16.CODE8/コード・エイト

原題:Code 8/上映時間:99分/製作年:2019年

CODE8/コード・エイト(字幕版)

監督:ジェフ・チャン

脚本:クリス・パレ

原案:ジェフ・チャン

出演:ロビー・アメル、スティーブン・アメル、サン・カンほか

作品概要

2016年に作られたショートムービーを元に、製作されたカナダのSF映画。日本での劇場公開はなし。今(2022年10月4日現在)アマプラの、見放題の対象に入っているので、アマプラ会員の方はぜひ。

  ざっくりあらすじ(序盤)

舞台はリンカーンシティ。この街ではおよそ4%の人達が超能力を持っている。かつてはさまざまな分野で活躍をしてきた超能力者たち。しかし企業がハイテクマシーンを導入したせいで、この街では定職を持たないエスパーが増えはじめた。主人公コナーは、指から電気を発することができる超能力者だ。コナーの母親は病気であり、治療費が必要だった。しかしなかなかまともな仕事にありつけない。そんなある日、テレキネシス系の力を持つギャレットから、よからぬ仕事を持ちかけられるが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど

個人的な感想としては、本作品にワイ・スピのハン役であるサン・カンさんが出演されているので、もうそれだけで充分です。SF映画好きな私としては、内容もとても楽しめるものでした。近未来ディストピアが舞台ですが、サーバーパンクな都市描写などはなく、現代と変わらない街並みの中に、ぽっこりと警察のドローンが浮いていて逆に不気味でしたよ。貧困やヘイトなどの社会問題に焦点が当てられているように感じました。ドローンとロボット警察の造形がとても美しいです。飛行中の大きなドローンの中から、2機の小型ドローンが出てきたりしてカッコイイ。やるな!と思いました。

 

この映画好き!細かいレビューはこちらです

↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓

analogchan.hatenablog.jp

 

 

17.アイ・アム・マザー

原題:I Am Mother/上映時間:113分/製作年:2019年

I am Mother

監督:グラント・スピュートリ

脚本:マイケル・ロイド・グリーン

原案:グラント・スピュートリ、マイケル・ロイド・グリーン

出演:クララ・ルガアード、ヒラリー・スワンクローズ・バーン(AIの声)

  作品概要

オーストラリアのSF映画。日本での劇場公開はなし。人工知能に育てられた女性が年頃になり、徐々に育ての母である人工知能ロボットを疑い始めるストーリー。

  ざっくりあらすじ(序盤)

隔離された施設の中で、1人の女の子がAIによって育てられる。女の子はやがて成長し、若い娘となった。施設の外は大気汚染されているから、外出は許されていない。ある晩、娘は施設内で小さなねずみを見つけた。彼女にとっては、生まれて初めて出会った生き物である。しかしそれを見つけた母親AIは、無残にもそのネズミを焼却炉に入れてしまった。菌を持っていると危険だからという理由であったが、あんまりのことに娘は言葉を失う。その日以降娘は、この母親を疑い始めた。もしも外が大気汚染などされていなかったら?迷い込んできたネズミは生きていたのだ。そんなある日、銃で撃たれた女性が助けを求めてやってくるが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど(ややネタバレ)

自分がはじめて、この作品の存在を知ったのは、確か2019年。サンダンス映画祭でプレミア上映されているという情報をツイッターで得たからだと思います。その後、昨年ネトフリで見つけて、即鑑賞しました。登場人物はほとんど3人。序盤から終盤にさしかかるまでの物語は、ほぼ施設の中で進行します。いわゆる密室劇なのですが、物静かで淡々とした中にもヒヤッとする、身震いするような仕掛けが処々盛り込んでありました。選民思想のある母親AIに対し、人間の女の子はどんな人も生きる権利があることを本能的に知っている。

 

本作品に登場する母親AIは、嫌な部分も含めて人間オマージュがよくできているといった印象です。しかし、やはりAIだから、いくらたくさんの情報や知識を得ても人間の母親と少しズレてる時があって面白いです。例えば、娘の誕生日に渡すパジャマが、以前使用していたのと全く同じデザインだったり...。ハイジのおんじかよ!って思いましたね。とにかく、かなりおすすめです。

 

18.明日への地図を探して

原題:The Map of Tiny Perfect Things/上映時間:99分/製作年:2021年

明日への地図を探して

監督:イアン・サミュエルズ

脚本:レヴ・グロスマン

原作:レヴ・グロスマン

出演:カイル・アレン、キャスリン・ニュートンほか

  作品概要

劇場未公開作品。レヴ・グロスマンの短編小説をイアン・サミュエルズ監督が映画化。タイムループに囚われた男女の精神的成長が描かれている。劇中の会話では映画『恋はデジャ・ブ』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』に触れられている他、主人公らが『バンデットQ』を観るシーンもある。

  ざっくりあらすじ(ネタバレあり)

主人公マークは、ひたすら同じ毎日を送っている。プールに落ちそうな女の子を助けたり、風邪を引いている老人に「お大事に」と言ったり。彼は、その日起こることを知り尽くしていた。そんなある日プールサイドで、同じ境遇にある女の子マーガレットを見つける。

 

マークとマーガレットはその1日に関してだけは、とても詳しかった。互いにお気に入りの瞬間をシェアしながら過ごす2人。しかしマークがループする毎日から意義を見出そうとするのに対し、マーガレットは「私はただやり過ごしているだけ」と言う。次第にいつまでたっても恋の進展がないことにマークは焦りを感じ始めるが、マーガレットはループから抜け出せないことをさほど不満に思っているようすもなく、むしろそこにとどまろうとする。また、マーガレットの携帯はいつも夕方6時に鳴り、急いでマークの元を去った。マークはマーガレットが自分以外の男性と会っているのではないか?と疑うが...。

 

  感想、おすすめポイントや見どころなど(ネタバレあり)

昨年アマプラで配信されてから、わりとすぐに観ました。有名どころでは『恋はデジャ・ブ』などのタイムループものと近い感じの作品です。劇中には「それってビル・マーレイが上司と寝るまで同じ日を繰り返す映画?」ってセリフもありました。本作は、毎日同じ日が続いている主人公のマークが同じ境遇の女の子を見つけるというストーリー。設定が設定だけに、ティーンに好まれそうなテイストであることは否めません。また若干演出に特徴があり(小洒落た感じ)、好みは分かれるところだと思います。

 

後半では、このマーガレットがループする毎日を受け入れて生きている理由が明かされます。そして、これはマークではなく、マーガレットの物語だったのだと分かる。ちょっとしたサプライズです。案外深いテーマで驚かされました。

 

 

19トランス・ワールド

原題:Enter Nowhere/上映時間:89分/製作年:2011年

トランス・ワールド(字幕版)

監督:ジャック・ヘラー

脚本:ショーン・クリステンセン、ジェイソン・ドラン

出演:スコット・イーストウッドキャサリン・ウォーターストンサラ・パクストン

  作品概要

クリント・イーストウッドの息子、スコット・イーストウッドの初めての主演作品。謎の森に迷い込んだ男女が、困惑する姿がよく描かれている。アクションシーンは終盤に少しあるだけだが、終始程良い緊張感が続く。よく考えられたシナリオだと思うし、地味~に良作。

  ざっくりあらすじ(ネタバレあり)

ジョディは、恋人とガソリンスタンドで強盗した際、店主を殺害してしまった。森の中を彷徨っていたサマンサは、小さな小屋を見つける。小屋の主はトムという名の若い男性で、彼も少し前に森の中に迷い込んだのだった。その後、不良娘ジョディも合流。サマンサ、トム、ジョディの主張する現在位置は各々違っており、今どこの森にいるのかすら分からない。小屋を後に新たな場所を探そうとする3人だが、随分歩いたあげくたどり着いたのは、先程までいた小屋であった。どうなってるの???完全パニックの3人の前にハンスという名のドイツ兵が現れる。実はハンスはサマンサの父で、戦死する運命にあったのだが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど(ネタバレあり)

気になっていたのにずっと観ていなかった作品です。昨年夏ごろにようやく視聴しました。異なる時代、場所からトランスポートしてきた男女3人が森の中で出会うという設定は、わりと新鮮ですね。3人の会話がどこか話が噛み合わないことで、徐々にそのことに気付かされました。3人はそれぞれ死ぬ運命だったのですが、ハンスが現れることで、自分らの運命を変えることができると気付く。そこからは、「あいつを生かしておけ!」ともう必死ですね(笑)それぞれが生きていた時代が違うことが、小道具などでさりげなく表わされていて、丁寧な作りだと思いました。

 

20.Mute/ミュート

原題:Mute/上映時間:126分/製作年:2018年

f:id:analogchan:20220224203816j:plain

画像引用元:https://www.facebook.com/Mute

監督:ダンカン・ジョーンズ

脚本:ダンカン・ジョーンズ、マイケル・ロバート・ジョンソン

出演:アレクサンダー・スカルスガルド、セイネブ・サレー、ポール・ラッドほか

  作品概要

デヴィッド・ボウイの息子で、『月に囚われた男』や『ミッション: 8ミニッツ』で知られるダンカン・ジョーンズ監督の作品。監督は月に囚われた男を3部作にしようと構想を練っており、本作品『Mute/ミュート』はその2作品目にあたる。

  ざっくりあらすじ(序盤)

主人公レオは、声が出ない。母親の宗教信仰上の理由から、幼少時適切な手術を受けることができなかったのだ。大人になったレオは、ナイトクラブでバーテンダーをしていた。レオは同じ店で働くナディーラに恋をしていた。しかし、ある晩ナディーラに絡む客にキレたことをきっかけに、レオの人生は狂い始める...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど

細かいことは言いませんが、何かぶっ飛んでるな、という印象。珍風景の連続とも言えるでしょう。サイバーパンクな都市の描写などは、ブレランっぽいですが、こういうのはいくつあってもいいと思います。奇抜なグロ描写も多いので、そっち系が苦手な人は注意が必要ですね。ラストはさりげなくハッピーエンドで、少しほっこりしました。

 

21.トランセンデンス

原題:Transcendence/上映時間:119分/製作年:2014年

トランセンデンス(字幕版)

監督:ウォーリー・フィスター

脚本:ジャック・パグレン

出演:ジョニー・デップレベッカ・ホールポール・ベタニーキリアン・マーフィー、モーガン・フリーマンケイト・マーラほか

  作品概要

製作総指揮にクリストファー・ノーランが入っている。そして監督は『インセプション』やダークナイト3部作など数多くのノーラン作品の撮影監督を務めた、ウォーリー・フィスター。しかし、評価は賛否に分かれた。タイトルは『トランセンデンス』=超越。しかしSF作品としてこれといって超越した所もなく、評判が悪かった理由の一つはそこかも知れないと思います。

  ざっくりあらすじ(序盤)

主人公の科学者ウィルはその妻エヴリンは、日々人工知能PINNの開発を進めていた。しかし、ある日ウィルはリフトと呼ばれるテロ組織からの銃撃をくらってしまう。リフトの人々は、人工知能の開発に激しく反対していた。ウィルは何とか一命をとりとめるが、寿命はそう長くないと知る。エヴリンは、夫の意識を残しておきたい、という一心で、ウィルの意識をPINNにアップロード。ウィルの死後2人(エヴリンと人工知能のウィル)は廃れた町を見つけ、その地下に研究施設をじわじわと作っていった。そして2年後...研究ははかどり驚異的な治癒能力を持つナノマシンを開発したが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど(ややネタバレ)

これ何年か前にケーブルテレビで観たつもりでいたのですが、実は見さしてましたよ(汗)。で昨年動画配信で改めて観てみたら、最後まで観ていなかったことに気付きまして...。しかも私の頭の中では、キアヌの『レプリカズ』と話が若干混ざっていましたね。結構前の作品ですが、英・中・米の合作で主演はジョニー・デップ。だから、わりと大作感もあります。個人的に、後半以降の展開は案外好みでした。すっげぇ廃れた町に行き、そこを開発していく展開とかにはめっぽう弱いですね。

 

以上となります。入りきらなかったのですが『シー・ユー・イエスタデイ』や『隔たる世界の2人』なども良かったですよ。また何かの機会にご紹介できればと思います。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます。では、また!

 

analogchan.hatenablog.jp

analogchan.hatenablog.jp

 

映画感想【CODE8/コード・エイト】迫害される超能力者達

CODE8/コード・エイト

原題:Code 8/上映時間:99分/製作年:2019年

CODE8/コード・エイト(字幕版)

監督:ジェフ・チャン

脚本:クリス・パレ

原案:ジェフ・チャン

出演:ロビー・アメル、スティーブン・アメル、サン・カンほか

 

CODE8/コード・エイト(2019年)は、ジェフ・チャン監督によるSF映画です。日本での劇場公開はされず、2020年頃に配信されました。私は昨年WOWOWで放映されたのをHDDに録画&視聴。で、今年2022年4月11日から、アマプラで無料配信されるようになったので、感想など書いてみました。

 

この映画は、もともと2016年に製作されたショートムービーがあったんです。

↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  


www.youtube.com

これYOUTUBEで無料で観れるのですが、字幕がついておりません。でもSF映画なので、何となく観ていると内容は概ね理解出来ました。とにかくSungkangさんが観たかったので、必死に理解しようとしましたよ!そして、このショートムービーを観た映画ファン達からクラウドファンディングサイトのIndiegogoで製作資金を集めて作られたのが、CODE8/コード・エイト(2019年)です。本作品のエンドロールがとてつもなく長いのは、多分そのような関係からですね。

 

私が本作品を観た動機は、もちろんサン・カン(ワイスピのハン)のファンだからなのですが、SF映画としても充分楽しめました。ロボット警察とかドローンの造形が良いですね。【CODE8】のフォントにもこだわりが感じられ好感が持てます。

 CODE8の主なキャスト【ネタバレあり】

コナー・リード(演:ロビー・アメル)

f:id:analogchan:20220122100441j:plain

 画像引用元:https://twitter.com/code8movie

母親思いの主人公。上記画像にPOWER: ELECTRIC とありますが、これは電気系の特殊能力を持っているということです。主に手から電気を発し、物を破壊したり、電球を明るくしたりすることが出来る。自身と同様に超能力者である母親の医療費を支払う為に、ヤバくて危険な仕事に手を出してしまいます。「ENABLED:CLASS5」とありますが、これはおそらくクラス5の超能力者だということ。だから、非常に強いパワーを持ち合わせています。

ギャレット(演:スティーブン・アメル)

f:id:analogchan:20220122100401j:plain

 画像引用元:https://twitter.com/code8movie

ギャング集団の一員。テレキネシス系の能力を持っている。物事が上手くいかなくなるとすぐにカッとなり怒鳴り散らしたりして、いちいち仕事が出来ない。しかし、犯罪に関する提案をする時は、生き生きとした表情を見せる。事前の確認などに隙があり、計画が失敗することも多々。そして「ファッーーク」を連発。完全に極悪な人ではないと思っていたけど、最後まで犯罪を続けていく結構悪い人。「ENABLED:UNREGISTERED」とあるので、どれぐらいの超能力があるのか、政府に登録していないのだと思う。不良ですね。

演じているスティーブン・アメルは主演のロビー・アメルのお兄さんかと思っていましたが、いとこのようです。でも何となく、雰囲気が似ています。

パーク捜査官(演:サン・カン)

f:id:analogchan:20220122100110j:plain

画像引用元:https://twitter.com/code8movie

麻薬捜査班の警察官。「POWER:NONE」の表記通り、非超能力者。他の警察官と違い、高い倫理観を持つ。母親の病気を治すため、犯罪組織と絡んでしまったコナーに対しても、同情的で、マーカスの情報を提供すれば母親を助けると提案する。彼が超能力者をやたら庇うのには、他にも理由があった。彼の幼い娘も超能力者なのだ。

f:id:analogchan:20220122100738j:plain

画像引用元:https://twitter.com/code8movie

この娘はテレビの情報から、自分が超能力を持っているせいで捨てられるのではないかと心配していました。演じている女の子、インスタグラムで見たらもうメチャクチャ可愛かった。映画の中の初めてのパパ役がサン・カンって、ラッキーだなと思います。

 

またサン・カンさんは、今年2022年8月に来日されてました。私は福岡に住んでいて、静岡で開催されているFUELFESTJAPANには、参加することができなかったのですが、何かとても衝撃的でしたね。Twitterとかで見ていて、「わぁ、本当にいるんだ」って思いましたよ。正直、海の向こうのハリウッドセレブってちょっとリアリティがないでしょ?でもこうやって日本の景色に馴染んでいらっしゃるのを見ると、身近に感じることができて、とても嬉しかったです。

 

日本に来てくれてありがとう。

メアリー・リード(演:カリ・マチェット)

コナーの母親で冷却系の超能力者。病気で冷却能力がコントロールできなくなり、洗面所のお湯で自身の手を温めていた。コナーに、真っ当な生き方をするよう説得する。

ニア(演:カイラ・ケイン)

ヒーラー系の超能力者。他人の傷や病気を治す力を持つが、実は彼女自身がその傷や病を負うこととなる。持病を治癒する目的で、マーカスから利用されているが、逃げ出す意思はあまりない。サイクにどっぷりハマっていることと、服役中の父親の借金を背負っていることが彼女の弱みであり、そのせいでこの環境から抜け出せずにいる。ある意味、この物語の登場人物の中で、一番気の毒な人だと思う。

マーカス・サトクリフ(グレッグ・ブリック)

ギャレットのボス。リンカーンシティ最大のサイク密売人。人の心を読む力を持っている。もう、めっちゃ悪い奴。

 

 CODE8のちょこっと用語解説【ネタバレあり】

サイク

死を招くと言われる新型のドラッグ。原料は、超能力者の髄液からとられており、高値で売れる。見た目は透明な液体状の物のようで、ニアは目薬を差す感じで使用していた。リンカーンシティでは、主にマーカスという男が密売を取り仕切っている。仕事にありつけない弱者(超能力者)から髄液を搾取しておいて、これが麻薬となればまた超能力者が責められる可能性が高い。極めて残酷なシステム。

ガーディアン

ロボット警察。主に超能力者を取り押さえるために作られたことがミエミエで、脅威的な存在。でもデザインは秀逸です。車で移動する時は、脇にピタッと張り付き中へは乗り込まない。ちょっと違うけど、昔流行った箱乗りみたいな感じ。飛行しているドローンからも身一つでスッと降りてくる。無敵に見えるが、案外弱い部分もあり。よくよく事情も分からないいまま、危険とみなした超能力者をあっさり銃撃する。

超能力者

X-menの人達と同じように、様々なジャンルの超能力者が存在する。念力系、電気系、冷却系、筋肉系、ヒーラーなど。でも、パッと見は非超能力者と変わらない。変身したり仮面を被ったりするキャラクターではない分、逆にリアルに感じます。

 

 CODE8のあらすじ【ネタバレあり】


www.youtube.com

リンカーンシティでは全人口の4%の人が超能力者になっており、特殊な能力を持つがゆえ、他の人々から恐れられ差別を受けていた。主人公コナーとその母親も特殊な能力を持っている。母親のメアリーは自分が超能力者であることを隠して、スーパーマーケットで働いている。メアリーは病気だった。彼女の医療費を払うため、コナーは定職を探しているが、就職先はなかなか見つからない。

 

以前、超能力者は建築現場や病院などあらゆる場で活躍していた。だから収入も、非超能力者より超能力者の方が良かったのだ。しかし工場などのオートメーション化が進むにつれ、マシンに仕事を奪われてしまった。定職に就くことが難しくなったコナーたちは、10人か20人ぐらい集まって、毎日日雇い労働の仕事を待っている。

 

巷ではサイクという新しいドラッグが流行していた。ある日パーク捜査官が率いる麻薬捜査班が、サイク製造所の捜査に入る。そこで、髄液を提供していた8名の超能力者が見つかり搬送された。元をたどれば、サイク密売人マーカスの仕業だった。

 

ある日コナーらが日雇い労働の職を求め待機していると、そこにガラの悪い超能力者ギャレット達がやってきて、コナーに危険な仕事を薦めた。最初の内は戸惑うコナーだが、結局その仕事を引き受けてしまう。ミッションは何とか成功。支払われた報酬は日雇い労働の報酬とは比べ物にならない額で、1度やると抜けられなくなった。その後もずるずるとその如何わしい仕事を引き受けてしまいコナーは、ニアという女性と親しくなる。ニアがヒーラーだと分かったコナーは、この人に母親の病気を治してもらおうと考えるのだが...。

 

 CODE8の世界観【完全ネタバレ】

アメコミのように、ファンタジックな見た目のキャストはいません。超能力者が人口の4%ってことは、25人に1人。だから現実的に考えると、学校の教室の中に1人か2人は超能力を持った人がいるという計算になります。特殊な能力を持つ人々(マイノリティ)が、これまで通りの能力しか持たない人々(マジョリティ)に恐れられ、その恐怖ゆえに迫害されるという世界観は『X-MEN』に近いですね。しかし『X-MEN』の「恵まれし子らの学園」のような比較的安全なコミュニティの場はなく、超能力者たちは超能力を持たない人々と同じ場に紛れ込んで暮らしています。

 

一方世の中も表面上、超能力者を即刻追放しようとする動きはありません。テレビの報道では、非超能力者が「自分達は差別をしていない」と主張します。でも超能力者だと仕事を探す際にも、書類に超能力者か否かを記入しなければなりません。そこでまず「あ~あ」ってなって、メンタル面でのダメージを1回受ける。こんな風に仕事1つ探すのも面倒で、何となく特殊な能力を持つ者を優遇しない社会が出来上がってしまっている、そんな感じです。さらに多くの警察官は超能力者に対して、露骨に横暴な態度を取っています。「そこのクズ」など失礼な発言をしても平気。

 

コナーらがやっとありついた日雇い労働の最中にも、警察がドローン付きでやってきて、現場監督に「超能力者を雇っていないか?」と尋ねたりします。超能力を使用し働く場合、別途、労働許可が必要らしい。しかしその許可を得るにも資金が必要。資金がないから働きたいのに、働く為にお金がいるという矛盾した問題を押し付けてくるんです。袋小路に追いやるというか...。こういうところがメチャクチャ陰湿ですね。

 

だからSF映画エスパーなど非現実的なキャラが出てきても、何かとリアルだなと感じました。本作は貧困、差別など社会的な問題を扱った風刺作品とも言えるでしょう。ロボット警察は彼らが単独で行動するのではなく、あくまで警察官の補佐的な存在。尋問や職質などは警察官がやり、危険な場所への進入時には大量に送り込まれるます。ロボットなので人情や状況判断力がない分、ちょっとでも危険だとみなした人物は即射殺するというバカで残酷な側面を持っています。

 

 CODE8の印象的なシーン【ネタバレあり】

コナーがドローンを墜落させるシーン

コナーがドローンを派手に墜落させるシーンがあるだろうと、大体想像できました。ずうずうしい想像&期待ですが(笑)やっぱりあった!しかしその直後、さらにドローンから降りようとしていた2体のガーディアンが宙吊りになってブラブラするカットがあり「おぉ!」っと思いました。ほんの1、2秒ぐらいですが、このようなシーンがあるのは予想外でしたね。変わったアングルから撮影されていて、印象深かったです。少し地味な作品ですが、VFXのレベルも高く全体的にとてもセンスが良いと思いました。

想定外のハプニングにめっぽう弱いギャレット

先述しましたように、銀行強盗のシーンでギャレットがブチ切れました。ブチ切れた理由は、金庫強盗に入ったのに現金が直前に他へ送金されていたからです。単に事前のチェックが甘~い。結果手に入った現金は、予定額の1/10ほどでした。ギャレットはファーック!を連発。その後の犯罪計画でも、結局儲けを独り占めしようとしたマーカスから裏切られ、大惨事に。仲間は2名殺され、警官も4名も殉職してしまいました。

パーク捜査官活躍のシーン

最初に申し上げた通り、個人的には、サン・カンが出てれば、もうそれで良し。パーク捜査官の潜入シーンは2度あります。序盤でサイク製造所に突入するシーンと終盤、マーカスのアジトに突入するシーンです。ガーディアンを引き連れていてカッコイイ。SNSで他の方のレビューを読んでいても「黒髪の警察官が好印象だった」とあり、それはサン・カンさんですよ!と教えてあげたかったです。ラスト付近で見せる複雑な表情からは、強いメッセージが感じられました。

 総合的な感想【完全ネタバレ】

メインの登場人物らが皆、ハッピーになれないエンディングってちょっと珍しい。差別社会の持つ薄暗い側面が、じんわりと描かれています。例えば、ウルヴァリンとか観ても最強過ぎて、「あの爪凄くない?どうなってるの?」とか気が散ってしまいます。ヒーローが魅力的に描かれ過ぎている分、風刺されていることがあまり響かないというか。まぁ、それはそれで良いのですがね。一方『CODE8』に出てくる超能力者たちは、誰ひとりとして幸せそうな人がいません。

 

超能力者にとって不利なシステムが、社会のあらゆるところに組み込まれており、彼らが真面目に働こうとしても、変えようがない。よってまともにルールを守って生きるのなら、よほどラッキーことがない限り報われないのです。あらかじめ決められたインチキレースに参加させられるようなもの...。それに気づいた人の一部は、馬鹿馬鹿しくなり犯罪に手を染める。それがサイク密売人のマーカスやギャレットなど。


またこれらの社会にとまどいを感じながらも、何とか適応しようと努めるコナーやメアリーなども報われません。望みどおりではない着地を見せられることによって、昨今抱えている問題が浮き彫りとなり、いろいろ考えさせられました。父親と再会できたニアの笑顔から、ほんの少しだけ希望が感じられるのが、せめてもの救いです。

 

さらには、手柄を取ったパーク捜査官の嬉しくなさそうな笑顔。上司から「笑って」と言われ、彼はその場しのぎで仕方なく笑顔を見せます。確かに娘が超能力者だから、先々の不安を隠せないのもあるでしょう。しかし、多分それだけではありませんね。市民にとっては「超能力使用の全面禁止」が得策かも知れないが、結局麻薬組織は依然と横たわり続ける。

 

超能力者らにとっても非超能力者にとっても心地良い社会を築き上げれば、問題は解決するはずなのに政府がそれを行わない。そのことで一部の超能力者の反感を買い、他の人達の生活が脅かされるのです。結局喜んだのは差別主義者であるいくらかの市民。以前は高給取りだった超能力者に対しての、妬みもあるでしょう。能力を持った者をこき下ろしたい大衆の心理は、醜いですね...。何となく、続編がありそうな結末だなと思っていたら、やはり...。

 

Netflixが続編の全世界配信権を獲得しているようですが、サン・カンがキャスティングされていないのが、気がかりです。彼が出るなら次作も観てみたいと思います。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます!

その他の記事も、そろそろアップしますので、よろしくどうぞ。では、また。

【ドラマ】オビ=ワン・ケノービ(パート2)の感想&おさらい【完全ネタバレ】

オビ=ワン・ケノービ(パート2)レイアとオビ=ワン

原題:Obi-Wan Kenobi/配信時間:42分/配信開始日:2022年5月27日

画像引用元: https://starwars.disney.co.jp/ 

監督:デボラ・チョウ

脚本:ジョビー・ハロルド、スチュアート・ビーティーホセイン・アミニ

出演:ユアン・マクレガー、ヴィヴィアン・ライラ・ブレア、ルパート・フレンド、サン・カン、モーゼス・イングラム、リヤ・キールステッド、テムエラ・モリソン、クメイル・ナンジアニ、ヘイデン・クリステンセンジェームズ・アール・ジョーンズ(声)他

 

こんばんは。いかがお過ごしですか?オビ・ワンのドラマレビュー、3週間以上間が空いてしまいましたが、やめた訳ではありません。今後は、もう少しサクサクッといきたい所です。

 

※他のスター・ウォーズ作品についても触れる場合がございます。ご了承ください。

配信直後に視聴。現時点でパート6まで全て観ていますが、先々のネタバレはしないよう、その時々の感想を述べていきます。

オビ=ワン・ケノービ(パート2)の新たなキャスト

ハジャ・エストリー(演:クメイル・ナンジアニ)

インチキジェダイ。マグネットなどの小道具を使い、自分がさもフォース感知者であるかのように見せかけていた詐欺師。金儲けだけの為にジェダイのふりをしていたようにも見えるが、オビワンに出会ったあと改心し、2人を逃がす貨物船を用意した。

シス・尋問官

今回は、ラストにワンカット程度の出演です。

フォース・シスター(演:リヤ・キールステッド)

新しく登場した女性尋問官。サード・シスターと違い、やや大人しい。リーヴァの元いたポジションにちょこんと居る感じで、存在感は薄い。しかし、見た目は美しくメイクなどもカッコイイ。

カメオ出演

職を失ったクローン兵(演:テムエラ・モリソン)

クローン兵の成長スピードは、非クローンの人間の2倍。年老いて髭はボーボーになっていた。オビ=ワンの信じられない、という表情が印象的。テムエラ・モリソンには、今後もいろいろな役で活躍していただきたい。

テサ・グリッグ(演:エスター・ローズ・マクレガー)

スパイス売りの若い女。彼女はユアン・マクレガーの実の娘だった。父親に薬物を勧める役ってどうよ!

ドラマ【オビ=ワン・ケノービ(パート2)】の超ざっくりあらすじ

レイア救出のため、ダイユーに向かったオビ=ワン。オビ=ワンはレイアが、10歳の子供とは思えないほど賢く機転が利く少女であることに、まず驚く。レイアを引き連れウロウロしている内に、オビ=ワンは賞金稼ぎやチンピラなどから追われるように...。街は大尋問官の指示で閉鎖され、2人は逃げ場を失う。そんな時詐欺師のハジャが現れ、マプーゾ行きの貨物船を手配してくれた。貨物船に乗り込む直前にオビ=ワンは、実はアナキンが生きているという衝撃的な事実を知る。

 

オビ=ワン・ケノービ(パート2)の見どころや感想など

いきなり部下に刺された大尋問官

何たること!! 2話目のラストでは、早くも大尋問官がサードシスターに刺され、殺されたようなシーンがあります。やっぱ、リーヴァはかなりの曲者ですね。でも、アニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』では、大尋問官がシーズン1あたりまで生きているのを、私は知っています。反乱者たちのシーズン1の時代設定はスターウォーズEP3から14年後となりますので、時系列で言えば本ドラマよりも後。だから、ここで命を落としたとは思えませんね。どうやって生き返るのか?いろいろと妄想が膨らみました。バクタ・タンクを使うのか?モールのように魔女から救済されるのか?など。いずれにしても、いきなり過ぎる展開。

 

新たに出てきた惑星ダイユー

今回は、ほとんどこのダイユーという星でストーリーが進行します。賞金稼ぎやならず者、詐欺師など悪いことしてる人達がいっぱい。サイバーパンク調、香港のようなネオン管、まるでブレランのような世界観です。SWだとコルサントの暗黒街とも雰囲気が似ていますね。治安は悪そうですが、こういう星が出てきたことでワクワク感は増しました。看板の文字は全てオーラベッシュ文字のようで、いくつか解読してみると「Market(店)」や「Gungan snacks(グンガンスナックス)」などがあります。ジャージャーみたいなグンガン人が、スナックを売ってるのですかね?もしもそうなら、このお店を、フィフス・ブラザーに教えてあげたい。

 

やたら軍隊に期待をしていたレイア姫

オビワンを敵だと勘違いし思い切り蹴りを食らわせたあげく、事情を聞いても「軍隊は?」「軍隊が来れば簡単なのに...」などと軽く不満をたれるレイア。その後も「きっと、隠し事があるのね」「あなた本当にジェダイなの?」などとオビワンをしつこく言葉攻め。レイアのオビワンに対する不信感はMAXまで到達し、物事はどんどんややこしくなっていった。そして遂にピンチとなったレイア。オビワンは、テレキネシスを使い彼女を何とか救う。そこでレイアは「あなた、本当にジェダイなのね」とようやく納得した。わがままですが、常に気品があって可愛らしい。

 

失業したクローン兵

オビ=ワンは、失業しホームレスとなった髭ボーボーのクローン兵に遭遇します。このクローン兵がなぜオビワンを攻撃しなかったのかが、ちょっと気になりまして...。理由を、色々考えてみたのですが。

1.退役したので、もうオーダー66は無効

2.生活苦により、オビワンに気が付かなかった。もしくは気付いても、もうどうでもいいと思った。

3.自らで、もしくは他者からの協力を得て、脳内のチップを外した。

ちょっと暗くて見えづらいのですが、クローン兵の装甲服にブルーが混じっているので、おそらく第501大隊のクローン兵だと思われます。誰なのか?とても気になりました。でも第501大隊のクローン兵で生き残りとなると、限られてくると思います。だから、レックスのように活躍した名前が分かるクローン兵ではないかも知れません。ちょっとしたワンシーンでしたが、いろいろと気になるところがあった。想像が膨らみます。

 

ダイユーの街並みに馴染む尋問官たち

フォース・シスターが加わって、尋問官チームは4人となりました。今回尋問官らを横から映すカットがありそれで気になったのですが、大尋問官やフィフス・ブラザーは皆、耳を覆い隠しています。特に大尋問官はパウアンという種族で、この種族は繊細な聴力を持ち合わせているようですね。だから常に、耳を保護するキャップみたいなのを装着しているのでしょう。フィフス・ブラザーとフォース・シスターもなぜか耳を隠しています。

 

しかし、フィフス・ブラザーのヘルメットは見れば見る程、七人同行の菅笠に似てるなぁと。たまにやってるソシャゲ『妖怪横丁』の今期イベントボス妖怪が七人同行で、「あぁー」って思いました。耳の部分の隠し方とかも、そっくりじゃないですか!私はゲームあんまりやらないんですが...。

画像では伝わりにくいのですが、7人でチューチュートレインしたりして、めちゃくちゃ可愛いんです。でも七人同行って、本来は怖い妖怪ですよね。

でもこのスタイル、いいなぁ。

あとは、菅笠と言えば、『次郎長三国志』ですね。これ、10年以上前にたしかBSで連日放送されてまして、5作品ぐらい頑張って視聴したのですが、ちょっとついていけなかったです(汗)。

 

今回フィフスブラザーは、「リーヴァは昇進を狙っている」って大尋問官に告げ口してました。大尋問官は「戻り次第、処分を決める」などとリーヴァを脅しますが、うっかり自分が刺されてしまった(笑)。欲を言えば、彼らのアクションシーンがもっと観たかったです。リーヴァには、かなり派手なアクションの見せ場があったのですが。今後も、尋問官チームから目が離せません。スピンオフのドラマを作ってもらいたいぐらいです。

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます!では、また。

【ドラマ】オビ=ワン・ケノービ(パート1)の感想&おさらい【完全ネタバレ】

オビ=ワン・ケノービ(パート1)やさぐれたオビ=ワン

原題:Obi-Wan Kenobi/配信時間:56分/配信開始日:2022年5月27日

画像引用元: https://starwars.disney.co.jp/

監督:デボラ・チョウ

脚本:ジョビー・ハロルド、スチュアート・ビーティーホセイン・アミニ

出演:ユアン・マクレガージョエル・エドガートン、ヴィヴィアン・ライラ・ブレア、ジミー・スミッツ、ルパート・フレンド、サン・カン、モーゼス・イングラム、グラント・フィーリー他

 

観るだけでどうもすいません。「お前は受信機か!」と自分で思います。という訳で今回はドラマ『オビ=ワン・ケノービ(パート1)』の感想です。

 

※他のスター・ウォーズ作品についてもネタバレする場合がございます。ご了承ください。

 

時代設定は『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』から10年後。とりあえず『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』、『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』、『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』と『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』ぐらいを観ておけば、まぁ問題ないでしょう。

 

細かく見ていけば『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』の後。アニメ『スター・ウォーズ 反乱者たち』やアンソロジー・シリーズである映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』よりもちょっと前の時代です。オーダー66以降の辛い時期のオビ・ワンやジェダイサイドの人々が描かれています。

オビ=ワン・ケノービ(パート1)の主なキャスト

生き残りのジェダイ騎士。師はクワイ=ガン・ジン。幼きルークを遠くから見守るため、ルークの住むタトゥイーンで日雇い労働者みたいな暮らしをしている。ジェダイであることは完全に隠し、一般市民に紛れ暮らしているせいか、やさぐれ感が凄い。職場で盗む魚肉の量も中途半端な上、ちょいワル親父感もあり。

 

レイア・オーガナ(演:ヴィヴィアン・ライラ・ブレア)

出生後すぐにオーガナ夫妻の養女となった。小さなドロイド「ローラ」を肌身離さず持っている。このドラマでの彼女の年齢は10歳。意地悪な従妹に対して毅然とした態度で厳しいことを言ったりする。

 

※演じているヴィヴィアン・ライラ・ブレアちゃんは、前回当ブログにてご紹介したロドリゲス監督の映画『ヒーローキッズ』で、シャークボーイとマグマガールの子供を演じた女の子です。偶然ですが。ヒーローキッズのレビューはこちら ↓ ↓ ↓

analogchan.hatenablog.jp

 

ベイル・オーガナ(演:ジミー・スミッツ)

レイアの良き父。レイアが誘拐されたことで、オビ=ワンに助けを求める。演じたのは 『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』からベイル役のジミー・スミッツ。

 

ブレア・オーガナ(演:シモーヌ・ケッセル)

オルデラン女王。ベイル・オーガナの妻でありレイアの育ての母。

 

ルークの育ての父親。ルークの叔父にあたるが血縁関係はない。職業は水分農家。『エピソード2 /クローンの攻撃』、『スター・ウォーズ エピソード3/ シスの復讐』でオーウェン役を演じた、ジョエル・エドガートンが今回も好演。

 

ベルー・ラーズ

オーウェンの妻であり、ルークの育ての母親。ルークの叔母にあたるが血縁関係はない。オーウェンと共に水分農業に励む。演じるのはボニー・ピエス

 

ルーク・スカイウォーカー(演:グラント・フィーリー)

レイアの双子の兄。登場シーンは、オビワンが遠くから見ている場面でチラッと映るぐらい。ちょっと幼い印象で、レイアと同い年とはとても思えない。

 

ナリ(演:ベニー・サフディ

ジェダイの生き残り。序盤のシーンから登場しその後オビ=ワンに助けを求めるが、取りあってもらえず。心ある人物であるが、悲しい結末を迎える。

 

尋問官(Inquisitor)たち

ジェダイ狩りをする集団。通称ジェダイ・ハンター。オーダー66以降、生き残ったジェダイを捜し出しては抹殺するという恐ろしい組織。また若いフォース感知者を見つけ、ダークサイドに引きずり込んだりもした。ダース・シディアスダース・ベイダーの指揮下にある。ベイダーから特別な訓練を受けた、言わば帝国側のエリートのようなもの。通常、回転式のダブル=ブレード・ライトセーバーを使用。使わない時は、背中に背負っているようだ。

大尋問官(演:ルパート・フレンド

パウアンという種族。長身で細身、顔には赤いタトゥが入っている。歩く時真ん中にいる人。本名は分からず。大尋問官(Grand Inquisitor)という高位の称号が与えられており、尋問官の中のリーダー的存在。元々はジェダイ・テンプル・ガードだったことが、アニメ『反乱者たち』のシーズン2にて明かされる。

 

フィフス・ブラザー(演:サン・カン)

ヒューマノイド種族で本名不明。ヘルメットがデカく木枯し紋次郎のようで驚いた。キャッチ―な見た目。またアニメ『反乱者たち』のフィフス・ブラザーよりも、物静かで知的な印象を受ける。一説によると、ジェダイテンプルの記録を研究していたらしい。う~ん、実写のフィフス・ブラザーの方がかなり好み。ワイスピのハンの時と全然違う、サン・カンの低い声が、新鮮だった。

 

サード・シスター【リーヴァ】(演:モーゼス・イングラム

ストーリー序盤からやらかし放題。ちょっとだけ刃向った一般市民の手を切り落とすなどして、フィフス・ブラザーから後で注意される。もう、たいがい悪い奴だなと思った。ジェダイやオビ=ワンに相当な恨みを持っているように見えるが、実際のところはよく分からない。スター・ウォーズシリーズのキャラとしても新登場で、要注目のキャラクター。

 

カメオ出演

ヴェクト・ネール(演:レッチリのフリー)

リーヴァに雇われた賞金稼ぎの男。何となくコミカルな動きが、やけに目立つ。何とかレイアを誘拐する。

 

ドラマ【オビ=ワン・ケノービ(パート1)】の超ざっくりあらすじ

舞台はタトゥイーン。住民らが集うバーにジェダイ狩りをする尋問官らが現れる。どうやらこのバーに、ジェダイの生き残りがいるらしいと嗅ぎつけてやってきたのだ。バーにはジェダイの生き残り、ナリがいた。大尋問官は店主に話しかけ、じわりじわりジェダイのことを探ろうとするが、せっかちなリーヴァがナイフを投げつけたことで状況は一転。ナリがフォースを使い店主を庇ったことで、その場は騒動となった。大尋問官は衝動的な行動に走るリーヴァに警告する。

 

一方オビ=ワンは、屋外の仮設労働所で働いていた。ジェダイであることを隠し、遠くからルークを見守り続ける日々。オビ=ワンはルークにそっとT-16スカイホッパーの玩具を贈るが、オーウェンに「こんなこと、されちゃ困るよ」と突き返されてしまう。そんな折、オルデランに住むレイアが誘拐された。父親のベイルはオビ=ワンにレイアの救助を依頼する。「オレにはルークの護衛がある」という心境からか、始めの内は渋っていたオビ=ワンだが、ナリが殺されたことに責任を感じ、砂漠の中に埋めたライトセーバーを掘り起こす。

 

オビ=ワン・ケノービ(パート1)の見どころや感想など

レイア姫登場

ルークの話になるのかと思いきや、レイアが出てきたのでびっくりしました。

このレイアが何ともまぁ、あのSWEP4のレイア姫をそのまま幼くした感じで、メチャクチャ可愛い。弁が立つ、おてんば、生意気、そしてしっかり者で優しい。もう本当にレイアだなぁと感じさせられて、嬉しかったです。こういう場面が度々見られるだけでも、かなり満足でした。レイアは小型のドロイド「ローラ」を持ち歩いていて、彼女をとても愛しているようです。

 

また、意地悪な従兄に反論するシーンでは、スカッとさせられました。

「それで一目置かれると思う?怖がってるだけのくせに。自分で何かを決めることは一生ないわね。私は大したこと知らないけど、それだけは分かる」

 

って、サラッと言ってのけた。頭の回転が速いです。子供の頃からこうだったんだな...。今後の記事にもレイアの見どころ、書いていきたいと思います。ちなみに1話目のところでは、ルークの出番はあまりないです。オビ=ワンが、遠くからチラチラ眺める時ぐらいしか出てきません。オビ=ワンは一歩間違えるとルークのストーカーですよ(笑)

 

オビ=ワン・ケノービ(パート1)に出てくる惑星

第1話で舞台となる惑星はタトゥイーンとオルデランです。それぞれ、ルークとレイアが育った惑星からスタートしたのでしょう。タトゥイーンの砂漠には捕獲されたと思われる巨大生物が、横たわっており、これが何の生き物なのか気になりましたね。背中にギザギザがあってとにかく大きな魚っぽいのですが。「まさか、ハイパードライブできるあいつじゃないよね?」と心配になりました。ですが、おそらく背びれの数が違います。これが多分、オビ=ワンら労働者が加工している魚肉なのでしょう。屋外に軽く日よけを設置しただけの、仮設っぽい職場。オビ=ワンは黙々とそこに通い続けます。

 

一方オルデランの描写は、本当に美しかった。ほんの少しですがC3POなども登場してましたよ。遠くに少し見える程度ですが。パーティー会場みたいなとこで、通訳をしていたようすです。

 

尋問官チームが熱い!フィフス・ブラザーから目が離せない

 

これまで、尋問官が実写でクローズアップされることがなかったので、とても新鮮でした(上記投稿の右側の画像2枚が尋問官)。尋問官って元々はジェダイだったりするので、何か観ていて、いたたまれない気持ちになったりもします。殺されるか、ダークサイドに転向するかという選択を強いられて、仕方なく後者を選んでしまった人達です。

 

アニメ『反乱者たち』を観ていて、「あぁ~!」って思ったのですが、大尋問官がジェダイ・テンプル・ガードだった時は、まだ顔に赤いタトゥが入ってないのですよ。同じ顔なのにいい人感があって、印象が全然違いましたね。これを思うと、フィフス・ブラザー(上記投稿右下の画像の男性)にも何かしらの過去があったはず。そのバックグラウンドみたいなのを、もっと知りたいです。とりあえず、サン・カンさんがもっと観たいので。

 

尋問官について知りたければ、おそらく、コミックの『スター・ウォーズ:シスの暗黒卿 帝国の爪牙』などを読めば良いのでしょうが、これ値上がりしててちょっと今は買えそうにないですね(汗)

私は本はなるべく新品で購入したい派なので、中古よりさらに高くなる。それでも、何度かは「買うか?」「買うか?」と自分に問いました(笑)

 

第1話のフィフス・ブラザーは、ジェダイ狩りの時「褒美を出す」とか言ったりして、ちょっと一般市民に優しかった。ジェダイの名残のようなものを感じます。また尋問官らは、互いにいがみ合っているように見えますが(特にフィフス・ブラザーとサード・シスター)、仲良くするとベイダーから制裁を受けるという噂もありますね。まるでブラック企業のようだ!

今後も尋問官情報入れていきます。

 

最後までお読みくださりありがとうございます。では、また。

【ヒーローキッズ】映画感想★完全ネタバレ

ヒーローキッズ

原題:We Can Be Heroes/上映時間:100分/製作年:2020年

画像引用:https://www.facebook.com/robertrodriguezofficial

監督:ロバート・ロドリゲス

脚本:ロバート・ロドリゲス

製作:ロバート・ロドリゲス

出演:ペドロ・パスカル 、ヤヤ・ゴセリン、クリスチャン・スレーター、サン・カン、ボイド・ホルブルック、プリヤンカー・チョープラーほか

 

こんにちは。今回は昨年ネトフリを引いてから、すぐに鑑賞した『ヒーローキッズ』の感想です。ワイスピシリーズのハン役サン・カンが出演しているのと、ロドちゃん映画が個人的に好きなので鑑賞しました。結婚してないので、子供と観た訳ではありません。

 

キッズ向け映画の良い所は、まず残酷描写が全くないところですね。なんだかんだ言って、極端に血生臭いのは苦手なアナログちゃんです。だからロドちゃん映画は好きなのですが、『デスペラード』とか『プラネット・テラー in グラインドハウス』とかは、結構きつかった(汗)その点『ヒーローキッズ』は、安心してロドリゲスワールドを楽しむことができますね。

 

  映画【ヒーローキッズ】の概要

監督はロバート・ロドリゲス。古くは『デスペラード』や『フォー・ルームス 』の第3話、『フロム・ダスク・ティル・ドーン』などB級感溢れる作風の監督として、知られていました。タランティーノ監督の盟友とも言われていますよね。

 

そんな彼が2001年にこれらとは異なるテイストの子供向け映画『スパイキッズ』を製作。何とこっちの方が興行収入が良かったという...。トホホ。そして本作品『ヒーローキッズ』もロドリゲス監督のそっち系統の子供向け映画という事になります。また本作は、一般的には『シャークボーイ&マグマガール』の続編的作品とも言われてますね。でも物語自体は全く別の話なので、いきなり『ヒーローキッズ』から観ても大丈夫です。まぁ、単に大人になったシャークボーイとマグマガールが登場するということだけなので。『シャークボーイとマグマガール』も面白いので、興味がある方はぜひ!

 

  ヒーローキッズの主な登場人物【ネタバレあり】

たくさんのヒーローがいらっしゃって、一気に登場するので、誰が誰だかちょっと分かりにくい。アメコミ映画のヒーロー達みたいに、映画毎に小出しに出てきて覚える...みたいな余裕がないんです。だから、一応ここに全ヒーローをご紹介しておきます。

※ここでは便宜的にヒロイックのメンバーを大人ヒーローチーム、その子供らを子供ヒーローチームと分けておきます。

子供ヒーローチーム

画像引用:https://www.facebook.com/robertrodriguezofficial

ミッシー・モレノ(演:ヤヤ・ゴセリン)上の画像の中央

この物語の主人公。自分自身にはこれといった超能力がないというコンプレックスを持っているが、チームのリーダー的役割を任される。父親はリーダーのマーカス・モレノ。可愛いヒーローですが、ちょっと人遣いが荒いです。

 

ワイルドカード(演:ネイサン・ブレア)上の画像の左から2番目

瞬間移動などあらゆる能力を持ち合わせているが、序盤ではなかなか力を発揮できない。最初の内は、ミッシーがリーダーであることを認めなくて、嫌味を言ったりもする。しかしミッシーのおかげで、他人の間違いより、自分の正しさを証明すべきだと気付き、大きな力を発揮できるようになった。

 

スローモー(演:ディラン・ヘンリー・ラウ)上の画像の右から2番目

高速で動いているのに、時間のゆがみから抜け出せない。だからスローモーションで動いているように見える。そしてスローモーの父ジェットスピードは、逆に最速で動くことができる。

 

イールズ(演:アンディー・ウォーケン)上の画像の左下

筋肉が強すぎて骨折する恐れがあるため、車いすを使用している。物知りで頭脳明晰、天才。

 

グッピー(演:ヴィヴィアン・ライラ・ブレア)上の画像の右下

チームの中で最年少の女の子。父親はシャークボーイ、母親はマグマガール。水を操りさまざまな形にすることが可能。またこの力を発揮した時、怪力を持てる。演じているヴィヴィアン・ライラ・ブレアは、ネトフリで話題になった『バード・ボックス』にも出演しています。

 

アカペラ(演:ロータス・ブロッサム)上の画像の左から4番目

歌声で物を動かすことが出来る。劇中では、非常に活躍の場が多かった。母親はミセス・ヴォイス。

 

ヌードルズ(演:ライオン・ダニエルズ)上の画像の右端

首や手など体の部位を、ゴムのように自在に伸縮させることが出来る。ミッシーに頼られまくりで、出番がとても多かった。

 

フェイスメーカー(演:アンドリュー・ディアス)上の画像の右から3番目

顔を自在に変えることができる。よって自分以外の誰かになりすますことも可能。そのような意味ではX-メンのミスティークにも似ているが、顔自体を変えることができるので、目を極端に大きくしたりも出来る。ユニークなヒーロー。

 

リワインド(演:アイザイア・ラッセル=ベイリー)上の画像の左から3番目

時間を巻き戻すことができる。男女双子のきょうだいで男の子の方。褒められると嬉しくて何度も巻き戻し、フォワードからウザがられる。

 

フォワード(演:アキラ・アクバル)上の画像の右から4番目

時間を早送りすることができる。男女双子のきょうだいで女の子の方。リワインドが巻き戻した時間を、早送りする場面もあり。

 

オホ(演:ハラ・フィンリー)上の画像の左端

5分後の未来を予知し、絵で表現することができる女の子。親がいるかどうかは不明。実は○○○○○だったことが、物語の終盤で明かされる。何となく、エスターっぽい雰囲気。

 

大人ヒーローチーム

マーカス・モレノ(演:ペドロ・パスカル)ミッシー・モレノの父

ヒーローチーム「ヒロイック」のリーダー。現場での戦闘を引退しヒロイック本部に勤務していたが、エイリアンの侵略を受け急遽出動する。演じているのは、マンダロリアンペドロ・パスカル

 

アニータ・モレノ(演:アドリアナ・バラッザ)マーカス・モレノの母

マーカスの母で、ミッシー・モレノの祖母。いがみ合ってばかりいるヒロイックのメンバーに呆れ、次世代の子供達に期待をかける。演じているアドリアナ・バラッザは、バベルの家政婦役でも有名。今回は子供達のためにしたことが、ちゃんと実って良かったですね。

 

テクノ(演:クリスチャン・スレーターワイルドカードの父

劇中で彼が主にした事は、セキュリティモニターの修理ですかね。得意技、超能力の種類分からず。でも、おそらく自分自身の小道具などを作ってそうです。

 

ジェットスピード(演:サン・カン)スローモーの父

身動きの速さは、世界最速。一瞬で色々なことを試すことができる。冒頭ではテープカットの真っ最中に飛び込んでいき、テープを切った。演じているのは『ワイルド・スピード』シリーズハン役で有名なサン・カンさん。最近、彼の活躍の場が多くて嬉しいです。5/27からディズニー+で配信の『オビ=ワン・ケノービ』のドラマにも出演予定。

 

ラクル・ガイ(演:ボイド・ホルブルック)ホイールズの父

劇中彼は、大統領に面と向かって「あなたには投票してない」と言っておられました。そこがちょっと、面白かったです。『ザ・プレデター』で有名なボイド・ホルブルックが好演。

 

シャークボーイ(演:ジェフリー・J・ダシュノー)グッピーの父

子供の頃竜巻のせいで父親とはぐれて以来、サメに育てられた。おかげで背びれや強靭な歯を持つ(『シャークボーイとマグマガール』より)。シャークボーイだけが劇中ずっとマスクを着けているのは、テイラー・ロートナーが出演できなかったから。演じているジェフリー・J・ダシュノーはスタントマンとしても活躍しているようですね。よくは知りませんが。

 

マグマガール(演:テイラー・ドゥーリー)グッピーの母

指先から火山のマグマを出し、鉄などを溶かすことができる。子供の頃は自分のことを破壊者だと思っていたがマックスのおかげで、自分は光のような存在なのだと知る(『シャークボーイとマグマガール』より)。大人になったテイラー・ドゥーリー本人が出演。髪の毛がピンク色で素敵です。

 

ミセス・ヴォイス(演:ヘイリー・ラインハート)アカペラの母

娘のアカペラと同じく、声が何らかの力を発揮するよう。おそらく超音波を出すことができるのでしょう。歌声がとても美しいです。

 

インビジ・ガール(演:ジェイミー・ペリッツ)ヌードルズの母

インビジというぐらいだから、透明人間系なのでしょう。この方はちょっと出番が少なくて、黒っぽいコスチュームを着ています。劇中ではレッド・ライトニング・フューリーから「消えて!インビジ・ガール」と言われていた。序盤にほんの一瞬だけ姿を消すシーンがあります。

 

クラッシング・ロー(演:ブレントリー・ハイルブロン)フェイスメーカーの父

このヒーローもどんな性質の能力を持っているのか、ハッキリとは分かりませんでした。冒頭に市庁舎に突っ込むシーンがありまして...。だから、何かを壊すのが得意なのかなと思いました。名前からしてもそんな感じです。

 

レッド・ライトニング・フューリー(演:ブリタニー・ペリー・ラッセル)リワインド、フォワードの母

双子きょうだいの親。夫はクリムゾン・レジェンドで、敵から襲撃されている時も軽く夫婦喧嘩を披露。得意技分からず。

 

クリムゾン・レジェンド(演:J・クイントン・ジョンソン)リワインド、フォワードの父

双子きょうだいの父親。得意技分からず。妻はレッド・ライトニング・フューリー。

それ以外の登場人物

ミス・グラナダ(演:プリヤンカー・チョープラー)

かなりクセの強いキャラクターですね。ヒロイック本部の指揮官だと思われていたが、実は○○○○○だった。

 

ニール・アナミ大統領(演:クリストファー・マクドナルド)

また、大統領かよ!この方は『スパイキッズ2 失われた夢の島』でも大統領役でした。出番は少ないものの、インパクトはありますね。

 

スパイキッズシリーズの2作品目『スパイキッズ2 失われた夢の島』。これ、マジで面白いので、もしも未見でしたらおすすめです。↓ ↓ ↓ ↓ ↓

 

  ヒーローキッズのざっくりあらすじ【ネタバレあり】

地球にオギマ星人というエイリアンがやってきて、「ヒロイック」と呼ばれるスーパーヒーロー集団を襲った。ヒロイックは、政府公認のヒーローが集まった組織なのだ。その子供らは、保護という目的でヒロイック本部の要塞に閉じ込められる。主人公のミッシーも、急遽ミス・グラナダに連れられこの部屋に入り込んだ。他の子供らは皆、親から受け継いだ超能力を持っており、それぞれの能力や得意技をミッシーに披露。一方彼らの親であるヒロイックのメンバーは、エイリアンに捕えられてしまった。子供らは、協力し合い親たちの救出に向かうが...。

  ヒーローキッズの感想【完全ネタバレ】

サン・カンが出てるから、もうそれだけで嬉しい

画像引用元: https://www.facebook.com/SungKangOfficial

改めて見返してみて、いやサン・カンかっこいいなぁ...と。イエローとブラックのスーツは、ブルース・リーのトラックスーツを連想させられました。でも能力的にはフラッシュみたいな感じ。最速で走ることができるの、非常に羨ましいですね。私は走るのが遅く(特に短距離走)、小学生の頃男子から「お前のタイムで、カールルイスなら2倍走れるよ!」と言われたことを思い出しました(泣)

 

ジェットスピードって役名は、『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』に似てますね。序盤では皆が空を飛んでいるのに、エアーランを披露されていました。ラスト、息子であるスローモーくんが自分の元に走って来るのを辛抱強く待ち続ける姿からは、父親役としての貫録も感じさせられます。スローモーくん(上記画像の下の少年)は、謎の存在ですね。なぜ彼はゆっくりなのか?でも心優しく、マイペース、好感度も高めです。スローモーくんの名場面を集めた動画はこちら ↓ ↓ ↓

 


 

www.youtube.com

 

「ゴー~~ダァ~~ド」(笑)また、サン・カンが出演する『オビ=ワン・ケノービ』のドラマも楽しみです。こちらは5/27からディズニー+で配信される予定。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓


www.youtube.com

子供達に伝えたいメッセージが明確

画像引用元: https://twitter.com/Rodriguez

最近はアメコミ映画なども話が複雑になっていて、純粋に子供のために作られたヒーローものは意外と少ない。大人も楽しめる子供向けヒーロー映画ではなく、子供も楽しめる大人向けヒーロー映画が増えてきたなと。そんな中この『ヒーローキッズ』は、伝えたいメッセージがストレートに入り込んでくるので、非常に分かりやすくて良いと思います。

 

元々、ヒーローものというのは子供のためのものだったはずなのに、最近はレイティングもかかりまくりで、それを喜んで観ている私も随分大人げないですね(笑)その点『ヒーローキッズ』は伝えたいメッセージがはっきりしすぎていて、大人の私が観れば「何か説教くさいな」と感じる部分もあるのですが、多分、子供は素直なので、そんなこと思わないのでしょう。

 

ロドリゲス監督のスパイキッズ系統からの観点で見ると、今回はちょっと乗り物とかが洗練されてて、引き算のデザインになったような気がします。ある意味、玩具っぽい乗り物や小道具が減った。

 

一方でヒロイックの大人ヒーローたちのコスチュームや活動内容には、未だちょっとだけB級感が漂っていて、とても良いなと思いました。政府公認ヒーローのはずなのですが、何となく自警団っぽいムードを持ってますよね。そもそも子供版アベンジャーズだという先入観で鑑賞するから、何らかの違和感を感じる訳で、ロドリゲス映画だと思って観れば、ノープロブレムですよ。私は、そう思います。

 

大人ヒーローたちは、人間関係も若干複雑で、軽くいがみ合っている。その子供らが協力し合ってヒロイックのメンバーを助けるため四苦八苦するのですが、子供が親を助けるというシナリオは、スパイキッズの世界観をまんま受け継いでいると思います。

 

ラストのどんでん返しに関しては、別にいらなかったんじゃないか?とも思いますね。悪を完全に倒すというよりは、悪い方へ向かうキャラクターたちも改心するみたいな平和的なオチが『スパイキッズ』や『シャークボーイとマグマガール』にはあって、よく考えられたシナリオだなと思っていたのですが、今回のはちょっと強引すぎるのではないかと...(笑)。

 

いずれにしても、これはあくまで個人的な解釈ですが、ロドちゃんキッズ系映画からは「悪者を徹底的に叩きのめすのではなく、なるべく悪者を増やさない様に努力しようね!」的なメッセージが伝わってきます。そこが好きなんだな、きっと。

 

本作品は2020年12月25日に配信が開始されて以来、驚異的な試聴数(わずか配信4週間で4,400万世帯ぐらいが視聴)だったため、すぐさま続編が出るような話になったようです。楽しみですね。俳優さんたちがとても豪華だった。ありがとう。

 

 

過去1年間で観たSF映画(マイナー作品を含むおすすめ)21選【中編】

こんにちは。インプットは良いが、アウトプットはどうも...(汗)なアナログちゃんです。新しいの観たい!観たい!観たい!という欲望と戦いながら、中編やっと書けました。鑑賞後、すぐに書けば良いのですがね。なかなか...。

※以下、適度にネタバレしています。未見の方はお気を付けください。

8.ザ・フレーム

原題:The Frame/上映時間:127分/製作年:2014年

The Frame

監督:ジャマン・ウィナンス

脚本:ジャマン・ウィナンス

出演:デイヴィッド・カランセ、ティファニー・ムアッリム、カル・バートレットほか

  作品概要

本作品の脚本・監督を務めたジャマン・ウィナンスは過去に『Ink』という映画の脚本監督をし、そこそこ評価されてます。『ザ・フレーム』の方も、悪くない、予想以上に面白かったなどの意見が多く見受けられました。ちょっといい感じの掘り出し物的、SFファンタジー

  ざっくりあらすじ(序盤)

マフィアのアレックス、救急隊員のサマンサは、互いに孤独な人生を送っていた。ある日2人はテレビを通じて、会話ができることを知る。アレックスのテレビではサマンサの日常、サマンサのテレビではアレックスの日常が以前から流れていて、互いにそれをテレビドラマだと思い込んでいたのだ。その後会ってみようという話なるが、どういう訳か会うことが出来ない。まるで、次元の違う世界に住んでいるようだ。

 

サマンサは、アレックスの出演するドラマ「泥棒と聖人」の予告を観て、そのドラマが最終回であることを知る。最終回、それはアレックスの死を意味していた。彼の身の危険を心配するサマンサは、そのことを本人に伝えるが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど

おそらくテーマは「自由」かなと思います。ちょっと不思議な映画ですね。微かな希望が与えられるエンディングは、なかなか情緒深いものがありました。「ザ・フレーム」というタイトルにあるように、枠の中でシナリオ通りに生きてきた2人。孤独な男女(アレックスとサマンサ)がそれぞれの自室でテレビを見ていたら、互いに会話ができることに気付く...という設定は珍しいと思います。

 

「そもそもが出来レースである人生」の中で、必死にもがいて何かを変えようと頑張るアレックス。そして、その気持ちを汲み取ったサマンサが、シナリオを書き換える。このシーンの表現が、独特ですね。タイプライターの置いてある建物内のセットのデザインがややくせもあり、個性的でした。

 

一方、物語は...。過去のトラウマからの呪縛、罪の意識からの呪縛、置かれた環境から抜け出せないでいるアレックスやサマンサに共感してしまうのは、やはり彼らが何かの象徴だからでしょう。大体私も「そういう運命だった」とかそういうのが嫌いです。そのような意味では、若干ですが『アジャストメント』にも近いものも感じました。

 

バイオリンを鳴らした時、好きなメロディーを口ずさんだ時、呪いが解ける。ファンタジックですが、何か全体的にセンスが良いですね。全然安っぽくないし、音楽やエンドロールのフォントなども、地味ながらに美しい。好き嫌いは分かれるかも知れませんが、個人的には良い作品だと思います。

 

The Frame

The Frame

  • David Carranza
Amazon

 

9.ブランデッド

原題:BRANDED/上映時間:106分/製作年:2012年

ブランデッド(字幕版)

監督:ジェイミー・ブラッドショー、アレクサンダー・ドゥーラレイン

脚本:ジェイミー・ブラッドショー、アレクサンダー・ドゥーラレイン

出演:エド・ストッパード、リーリー・ソビエスキーマックス・フォン・シドー

  作品概要

ロシアのSFドラマ、またはSFサスペンスで、劇場未公開作品。ブランド戦争のあり様を、分かりやすく視覚化した風刺的作品でありながら、ファンシーなクリーチャーも多数登場する。

  ざっくりあらすじ(序盤)

広告業界でがっつり成果を上げていたミーシャは、雇用主ボブの姪アビーと恋に落ちる。しかしボブは、ラブラブな二人の仲を良く思わない。そんな折、ミーシャは仕事で大失敗をしてしまう。これは、ファーストフード店を繁盛させたい男パスカルの陰謀によるものであった。世間からの信頼を失ったミーシャだが、謎の儀式により、「他者には見えない奇妙なモンスターを見る能力」が備わる...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど

社会風刺の効いた作品と捉えることもできますが、主人公がいきなり農場に引きこもったり(笑)とか、中盤になっていきなりチープな造形の化物が出現したりとかして、どうしても珍作という印象の方が強くなってしまいました。リーリー・ソビエスキーが綺麗ですね。

 

細かいレビューはこちらです。

↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  

analogchan.hatenablog.jp

 

10.JUNK HEAD

原題:JUNK HEAD/上映時間:99分/製作年:2021年

JUNK HEAD(字幕版)

監督:堀貴秀

脚本:堀貴秀

出演:堀貴秀、三宅敦子、杉山雄治

  作品概要

7年がかりで制作された日本のSFストップモーション・アニメーション。人工生命体が人類から独立した後の、奇妙なディストピアが描かれている。最初の30分の制作は堀監督が4年もかけてたった1人で制作、その残りはスタッフらと3年かけて作り上げられた。独学でストップモーションアニメを学び、自前のスタジオで撮影されたようす。また、ほとんどのキャラクターの声を堀監督が担当した。ギレルモ・デルトロ監督も大絶賛。最近では、FUTURE GATE SCI-FI FILM FESTIVALで「BEST FILM賞」を受賞した。

  ざっくりあらすじ(序盤)

環境汚染が深刻化し、人類は地上での生活がもはや不可能となった。地下に住むためには新たな労働力が必要ということになり、人工生命体のマリガンが開発される。しかし、マリガンは人類に反発し人間が住むための地下組織は、まんまと乗っ取られてしまった。それから1600年が経ち、人類は遺伝子操作によって永遠の生命を得るが、それと同時に生殖能力を失ってしまう。さらに未知のウィルスが繁殖し、人口の3割が死亡した。こうした中、政府はマリガンを調べるための地下調査員を募集。調査員に選ばれたパートンは、ポッドに乗り込むが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど

多くは語りませんが、とにかく生々しいですね。あらすじでご紹介したのは物語のほんの冒頭部分で、ここからパートンとマリガンらの壮大なストーリーが始まります。パートンがクノコのおつかいに行くあたりが、一番スリリング&不気味でした。何というかもう、本当に生々しい。でも、同時に切ない気持ちになりました。普段はあまり見ない様にしている生き物の性みたいなのを突き付けられる感じです。当分は、辛子明太子が食べれそうにないですね(笑)ちょっと、質感が違いますが。

 

人形は1/6のスケールで制作されているようで、だから実写映画を観ているような感覚を味わえるのだ、という話です。素晴らしいディストピアの表現、というのも何だか変ですが、とにかく地下組織のセットにものすごいこだわりが感じられました。

 

 

11.ランダム 存在の確率

原題:Coherence/上映時間:88分/製作年:2013年

ランダム 存在の確率(字幕版)

監督:ジェームズ・ウォード・バーキット

脚本:ジェームズ・ウォード・バーキット

出演:エミリー・バルドーニ、モーリー・スターリング、ローリーン・スカファリア、ニコラス・ブレンドン、ほか

  作品概要

低予算で製作されたパラレルワールドもの。またはSFスリラー。監督は、アニメーション映画『ランゴ』の原案者の1人です。本作品の撮影中は、監督が俳優らにセリフを書いたメモをその都度渡し、読み上げてもらうスタイルを取るなど独特な工夫がなされたようですね。

  ざっくりあらすじ(序盤)

あるカップルが友人宅のパーティに招待される。その家に集まった8人の男女は、しばらく近況報告をしたりして久しぶりの再会の時間を楽しむが、突然停電が起こりその場の空気は凍て付く。その晩は彗星が地球に接近する夜だった。ヒューは大学で科学を教えているの弟から「おかしなことがあったらすぐに連絡するように」と言われていたことを思い出すが、携帯も電話も繋がらない。周囲を見渡すと、2ブロック先に1軒だけ電気の付いている家があった。

 

「あの家に行って、電話を貸してもらおう!」皆は一旦外に出たが、怖くてすぐ引き返す。その後、アミールとヒューがもう1度あの家に行くと言い出ていったが、戻ってきたヒューはどうも様子がおかしかった。彼は2ブロック先の家の中には、この部屋の中の人と同じメンバーがいたと言い張るが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど

初見では、ほとんど何がなんやら分かりませんでしたね(笑)その上本作品はスリラーテイストなので、何か起こるたびに登場人物がビビり上がり、ハラハラドキドキの感情を煽るんですよ!煽るんじゃなくて、ゆっくり考えさせろと言いたい。でもSF作品独特の、想像し難いシチュエーションにビビりたい、という欲望もきっちり満たされたので、トータルで言えば全然OKな作品です。とても楽しく鑑賞できました。

 

以下結構なネタバレ↓

最初の家に居た8人のメンバーがどんどんすり替わっていく、というハプニングが斬新でした。それぞれの家の8人が停電が起こった時にライトを用意するのですが、これが青だったり赤だったりして、同じ次元に居た人達ではないと分かる。戻る家を間違っちゃったんですね。で、違う色のライトだと「やべっ」って感じで隠したりするんです。え?何組の8人がいるの?ってだんだんややこしくなっていきます。また、劇中では「シュレーディンガーの猫」の話が持ち出されていましたよ。「スライディングドアって映画観た事ある?」とか言うセリフも飛び出してきて、ちょっと何だか、本格的です。

 

その反面、パーティのホストである家主の男が、多次元の自分の挙動を止めるため、過去の女性関係を思い切ってカミングアウト。「あんた、何よそれ!」とかなって、事態はそれどころじゃないのに、色恋事で揉めはじめる展開も面白かったです。そんなことしなくても、異次元の自分を説得する方法は他に方法あったでしょ、と問いたい。色々な面で楽しめる映画です。

 

ランダム 存在の確率(字幕版)

ランダム 存在の確率(字幕版)

  • エミリー・バルドーニ
Amazon

 

12.NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム

原題:Nerve/上映時間:96分/製作年:2016年

NERVE/ナーヴ 世界で一番危険なゲーム(字幕版)

監督:ヘンリー・ジュースト、アリエル・シュルマン

脚本:ジェシカ・シャーザー

原作:ジーン・ライアン

出演:エマ・ロバーツデイヴ・フランコ、エミリー・ミード、ジュリエット・ルイス、マイルズ・ハイザーほか

  作品概要

よく知らなかったですが、一応日本でも2017年に劇場公開されていたみたいです。「劇場で観た」というレビューも上がっていました。2016年製作なので結構前の映画ですが、ソーシャルゲームを題材にした作品として、予想しうる危険な事態が上手く描かれていると思います。

  ざっくりあらすじ(序盤)

主人公ヴィーは、内気な高校生。過保護な母親と2人暮らしの彼女は、常日頃、窮屈さを感じていた。ヴィーには地元(NY)を離れカリフォルニアの芸術大学に進学したいという願いがあり、晴れて合格通知も届くのだが、そのことを母親に言い出せずにいる。対して親友のシドニーは外交的で、人気のキャラ。シドニーは巷で人気のゲーム、「ナーヴ」にハマっている。これは挑戦者が超無理めなミッションを与えられ、クリアすれば報酬が貰えるというもの。このオンラインゲームにアクセスすると、「挑戦者」か「視聴者」かを選ばなければならない。シドニーはもちろん挑戦者。挑戦者は与えられたミッションをこなす際それを自撮り、オンラインで見る視聴者は、いくらか課金すれば番組を見ることが出来る。

 

シドニーから、からかい半分に臆病者のレッテルを貼られたヴィーは、ストレスが溜まっていたこともあり、半ばやけくそでこのゲームに参加する。しかしそこで、イアンという男性と知り合いラブラブムードに。次々に過酷なミッションをこなし、大金を得ていくヴィーとイアンだった。しかしヴィーを心配する男友達トミーは、このゲームで過去に死者が出たことを知る...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど(結構ネタバレ)

何となくティーン向けに作られた作品という先入観を持って鑑賞しましたが、案外おもしろかったです。「異性とペアになり協力し合いながらこなすミッションは、視聴者の興味をそそり高視聴率になりやすい」など若者にとってワクワクの要素がいっぱい(多分...)。そんな場面は、若干醒めた目で観てしまう私です。

 

でもラスト付近で、人の命がかかっているというのに、危険なミッションを見たい視聴者の票が圧倒的に増えるという展開になり、えぇっ!てなりました。こういうの怖いですね。自分達は見ているだけなので大して責任も感じず、しかも匿名なのでとことん残酷になれる。昨今のSNSにも通じる部分があると思います。そんなメッセージ性を持った、でも大まかにはティーンや若者に受けそうなSFという印象。ヴィーとイアンは色々あったけど、結末では結局ラブラブに。全てが丸く納まるハッピーエンドで、気分も爽快ですよ!

 

 

13.アンキャニー・不気味の谷

原題:UNCANNY/上映時間:85分/製作年:2015年

アンキャニー 不気味の谷(字幕版)

監督:マシュー・ルートワイラー

脚本:シャヒン・チャンドラソマ

出演:マーク・ウェバー、ルーシー・グリフィス、デヴィッド・クレイトン・ロジャーズ

  作品概要

製作は2015年ですが、日本での劇場公開はされていません。AIと人間のやや薄気味悪い交流を描いたSFスリラー。低予算で製作されたようなセットですが、なかなか捻りの効いた作品。

  ざっくりあらすじ(序盤)

研究所にひたすら籠っているデビッド。そんなある日、彼の研究所にジョイという美しい女性記者がやってきた。デビッドは彼女に、アダムという新しいAIを紹介する。アダムはまるで人間のようだった。さっそくジョイは毎日この施設に通い、このアダムについての取材を始める。元々大学院ではロボット工学を学んでいたジョイ。彼女はだんだんデビッドに惚れ込み、ラブラブモードになる。一方アダムの方もジョイを女性として意識しているようだ。しかしジョイはそのことに気味悪さを感じ始め、3人の関係は次第にギクシャクしはじめる。アダムの言動はエスカレートする一方。それは、デビッドにも制御不可能に思えたがしかし...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど

他の方のレビューを読んでいると、『エクス・マキナ』との類似性を挙げられている方が結構おられました。まぁ、作品のスケールとかメッセージ性とか色々違うかなと思いますが、物語の舞台がほぼワンシチュエーション(隔離された研究所)であることや、和食(寿司)が出てくることなど、よく観ると色々共通点があって面白いですね。「アダム、不気味過ぎる...」と思って観ていたら、その理由が終盤になって分かるという...。このどんでん返しのトリックにあらかじめ気づいた人は、あんまり楽しめないかも知れないなと思いました。

細かいレヴューはこちらに書いています

↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓ 

 

analogchan.hatenablog.jp

 

14.パーティで女の子に話しかけるには

原題:How to Talk to Girls at Parties/上映時間:102分/製作年:2015年

パーティで女の子に話しかけるには(字幕版)

監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル

脚本:ジョン・キャメロン・ミッチェル、フィリッパ・ゴズレット(英語版)

原作:ニール・ゲイマン

出演:エル・ファニング、アレックス・シャープ、ニコール・キッドマン、ルース・ウィルソンほか

  作品概要

『ミッドサマー』、『ムーンライト』などA24の作品にハズレなし、そんなA24の配給です。A24はわりと、不思議な作品も多いですよね。『イット・カムズ・アット・ナイト』や『A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー』なんかも、面白いと思いましたよ。

 

で本作品の原作はニール・ゲイマンの『壊れやすいもの』というSF短編小説に収められている物語で、主人公エンは若かりし頃のニール・ゲイマンを投影したものだと思われます。時代設定は1977年なので、やや懐かしい感じがしますね。

  ざっくりあらすじ(序盤)

パンク大好き高校生エンは、ある晩親友2人とライブハウスに出かける。しかし二次会には誘われなかったことに、しょんぼり。女子との関わりが極めて薄い3人だが、帰り道、不思議なパーティをする空き家を見つけた。中に入るとお揃いのコスチュームを着た人々が、音楽やダンスを楽しんでいる。エンは、その中でザンという同い年ぐらいの女の子と出会い恋に落ちるが...。

  感想、おすすめポイントや見どころなど

パーティで女の子に話しかけるには』というタイトルからは想像しがたいSF作品。でもちゃんと恋愛映画でもあって、なかなか印象深い作品です。いわゆるボーイ・ミーツ・ガールものですが、パンクが好きな方にもおすすめ。

 

細かいレヴューはこちらに書いています

↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓ 

analogchan.hatenablog.jp

 

最後までお読みくださり、ありがとうございます!【後編】は現在作成中です。ではまた!